■決戦前―3の3■
それは明らかに人影だった。
マユミはスカジャンのホックを胸元まで一気に閉めると、隣にいるサキコを肘でつついた。
「ん――なに?」というサキコに向かい、マユミは人差し指を自分の唇の前に立て、目で人影がいた方向を示す。
門柱が邪魔でよく見えないが、校門の向こうに、三つの人影があった。マユミは相手の視線の死角に入れる場所をとっさに探した。校門の内側と外側には、タイヤやドラム缶や工事用のバリケードが無造作に積まれている。マユミとサキコはドラム缶の裏側に隠れた。
馬路須加女学園の正門へ続く、ゆったりとした坂道を、三つの人影はぶらぶらと散歩でもするかのような速度で歩いてくる。なにやら話をしているようだが、ここからは内容までは聞き取れない。三人はマジジョの制服であるセーラー服を着ておらず、垣間見える限りでは暗い色のジャケットと青と黒の模様が入ったスカートといった服装だ。
「アリジョか?」サキコが声を細めて聞いてきた。
「わかりません」マユミも声を潜めて答えた。「でも、うちの制服じゃねえし、こんな時間に外をうろついてるのはおかしいです。聞いてませんよね、生徒会からなにも?」
サキコは頷いた。
生徒会により緊急事態宣言が発令された馬路須加女学園は、生徒会の許可なく学園外へ出ることが禁じられている。買出しなどでやむを得ず出る場合は、巡回当番の生徒にその生徒の名前と人数が通達される。いま当番のマユミとサキコはなにも知らされていない。つまり三人は、馬路須加女学園の生徒ではないということになる。
マジジョじゃなければ、「敵」だ。
先制攻撃をするべきかどうか、マユミは迷った。もうすぐ歩哨の交代時間だ。功を焦るより、交代要員が来てから攻めたほうが有利に決まっている。
足音と声がだんだんと大きくなってくる。
逡巡したのは一瞬のことだった。迷うなら、やれ――だ。チャンスの神様はそう何度も振り向いてくれない。
マユミは手の甲のグローブを引っ張り、戦闘体制に入った。
――また、チャンスが来た。やっぱり、あたしは持ってる……。
ここで「敵」を締め上げ、戦歴のひとつに加える。地味ではあるが、天下獲りへのひとつの布石になるだろう。なに。三人を同時に相手をするなど、どうってことはない。
そこまで考えたとき、三人のうちの誰かの声が聞こえた。「――だれもおらへんのかいな?」
関西弁? マユミはサキコと顔を見合わせた。
「まだ始まってへんとちゃうの?」と別の声。「だから言うたやろ。早すぎるって」
「にしては妙やな……。ほら、窓には人影、見えるやろ?」
「ホンマや」
最後の声は異様に甲高かった。
マユミはサキコに視線で合図してから、校門に向かって右側へと忍び足で移動した。敵を発見したときのために打ち合わせをしておいた陽動作戦の開始だ。
作戦といっても単純なものだ。サキコが「敵」の前に立ちふさがり注意を引きつけておき、その背後からマユミが三人をぶちのめすだけ。
マユミは姿勢を低く、足音を立てないように校門の裏側を、右手に向かって走った。
サキコは逆方向に移動しているはずだ。十秒ほど走ったあとに振り返ると、サキコはすでに配置を完了していた。マユミは親指を立てた左手を、三人のいるほうへ倒した。
作戦開始だ。
サキコは体を隠しているドラム缶の陰から、手のひらほどの大きさの石を三メートル離れた位置にあるドラム缶に投げた。石は命中し、三人の意思をそちらに向けさせるには充分な音を立てた。
「――なんやッ」甲高い声がした。
そのときサキコはすでに、ドラム缶の上にいた。そして持ち前の細くしなやかな肉体を跳躍させ、校門を超えた。それは飛翔と言うべき、華麗な動きだった。
「――ッて、だれやねん……ッ」
いきなり上空から見知らぬ相手と対峙した三人は狼狽している様子だった。
空中のサキコは、左脚をたたみ、右脚を一直線に伸ばしていた。それは仮面ライダーの必殺技のようで、まるで空中に静止しているかのように優雅だった。
とりゃああああああああ、と怪声を発したサキコの右脚は、三人のうちの一人――やけに頬骨の目立つ女の胸に命中した。女は尻餅をついたが、キックの勢いはそれだけでは止められなかった。小さな体はもんどりうって数メートル先まで転がった。体が回転し、遠心力でミニスカートが広がった。先ほどぼんやりとしか見えなかったスカートに描かれていたのは豹柄だとわかった。三人とも同じ服装ということは制服だろうか。しかし、豹柄の制服なんて、この県の学校にはないはずだった。
「さや姉――ッ」長い髪から出ている大きな耳が目立つ美少女が叫んだ。
「さやかっ」もう一人のふっくらとした顔に大きな瞳が特徴的な少女の声は変に甲高かった。
そこでマユミも動いた。
サキコのようにしなやかな動きとは言えないまでも、マユミは極真空手で鍛えた堅牢な肉体を、一瞬で限界まで加速した。地面から一メートルほど盛り上がった土の上り坂を走り、捨ててあるタイヤをバネにして校門を一気に越えた。
残された二人はマユミには気づいていないようだった。サキコと対峙し、こちらに背を向けたままでいる。
チャンスだ。マユミは脱兎のごとく走った。
サキコは二人の相手と同時に闘っていた。さすがは『サキコ師匠』、いい動きをしている。
二人の背中まであと一秒――といったところで、マユミは右側から大きな衝撃を受け、反対側に弾き飛ばされた。まるでそこに壁があったことを知らずに突進していたようだった。二人の背中を取ることに意識が集中していたから、まさか自分がやられるなどとは微塵も考えていなかった。しかし、これこそ自分とサキコが相手に仕掛けようとした戦法だ。マユミは転倒しつつ、自分の迂闊さに腹を立てた。
「痛って……」右の二の腕がじんじんと痛む。倒れた際に地面の砂利で左のこめかみを擦った。「チクショッ――なんだってん……」
倒れたまま見上げると、そこには先ほどサキコに斃されたはずの、『さや姉』と呼ばれた女がいた。こちらに背を向け、両腕を軽く広げたまま、横顔を見せている。あの背中だ。あれが自分を弾き飛ばしたのだ。
鉄山靠(てつざんこう)――正しくは貼山靠と呼ばれる八極拳のこの技を、マユミはビデオゲームの世界でしか見たことがなかった。実際に自分がやられると、こんなにも衝撃があるものなのか……。マユミは怒りとともに感嘆した。
いや、それ以上に驚くべきは、さや姉の回復力だ。サキコのキックを食らったというのに、たった数秒で立ち上がり、あろうことかマユミに深刻なダメージを与えるとは……。
サキコがいるはずのほうに目を向ける。そこではサキコが二人と同時に闘っていた。が、マユミに気づいたサキコは戦闘をやめて後退し、二人と大きく間合いを取った。
「マユミっ、大丈夫?」
「大丈夫っす。師匠」
スカジャンとスカートについた砂を払い落としながら、マユミは立ち上がった。この時点でも、まだ自分たちが有利だ。人数は一人少ないが、陣形としては挟撃を保っている。
「なんやねん、あんたら」甲高い声の少女が言った。
「言うとくけど、先に仕掛けたんは、あんたらやで」さや姉は冷静な口調でそう言った。
「二人ともマジジョの生徒?」と、大きな耳の少女。
マユミはそれらには応えず、三人の「品定め」をした。先ほどマユミに浴びせた技といい、風格といい、どうやらリーダーはさや姉のようだ。
マユミはサキコを見た。サキコは気づかれたとしても相手には意味が読み取れない、わずかな動きで次のターゲットを示した。
さや姉――。
正面から仕掛けるのはサキコ。マユミはその背中を守る。二人は一瞬でそこまで「会話」をすると、すぐに行動に移った。
サキコは長い脚を大きく伸ばし、跳躍するかのようにさや姉に迫った。
マユミも駆けた。
サキコはさや姉まであと二歩という間合いで、右手の人差し指と中指だけを伸ばし、体の後方に伸ばした。この指を相手の体に差し込む、サキコの必殺技――「革命のエチュード」が出るまであと二秒。指が差し込まれる部位はどこでもかまわない。鍛えられ、鉄のように硬くなったサキコの指を食らい、立っていられる者はいなかった。
一秒後、サキコとさや姉が交差した。
サキコが放った「革命のエチュード」に、さや姉は臆することなく相対した。
「フッ」さや姉は腹の底から気合を吐くと同時にやにわに体を横に向け、脚を大きくがに股に広げ、両手を思いっきり伸ばした。そのシルエットは、マユミに沖縄の首里城を髣髴させた。
――あれは……っ。
その掌底が、突進してきたサキコの二本指と交差した。
マユミはその瞬間、サキコの敗北を悟った。
さや姉の掌底は、サキコがときどき「背中」とからかわれている薄い胸の真下に重く命中した。それだけでもかなりの衝撃があったのだろう。サキコは音にならない悲鳴を上げ、体を折った。
「――フッ」さや姉は連続した動きで素早くサキコの背後に回ったかと思うと、その直後に先ほど見せた鉄山靠をサキコに食らわせる。サキコは今度は折った体を再び伸ばされ、二三歩前につんのめった。
さや姉は容赦しなかった。
「ハアアアッ――」さらにサキコの、今度は本当の背中に、これ以上ないくらいに伸ばした両手の掌底を打ち込んだ。サキコはあまりの衝撃で宙に浮き、マユミの足元まで飛んできた。スカートは完全に捲くれ、サキコが着けていた真っ赤な下着のお尻と、細く長く美しい脚が露わになった。
さや姉がサキコに最初の一撃を加えてから、一連の攻撃が終わるまで三秒とかかっていない。
――あれは八極拳奥義……崩撃雲身双虎掌っ。
マユミは驚嘆と同時に恐怖に襲われた。
話に聞いたことはあったが、実際に見たのは初めてだった。本当に使える者がいたとは……。
「どやっ?」耳の大きな女が両手を腰に当て、その言葉の通り『どや顔』でサキコを見た。「さや姉の必殺技、ホーゲキウンシンソーコショーやで」
「ちょっ……みるきー」さや姉が右手を伸ばし、その指先が宙で二三度動いた。「なんか自分がやった、みたいな感じになってるけど、やったの私やから」
「まあまあ、そんなのどっちでもええやん」『みるきー』が笑った。
「よくないし」
――クソッ。
マユミは唇をかんだ。舐めやがって……。しかし、体が動かなかった。腕に覚えはあるが、あの動きは伊達ではない。その上、さや姉の鉄山靠を受けた痛みが、まだ右肩に残っていて力が入らない。いま闘えば――負ける。
「二人ともふざけてる場合ちゃうで。あと一人残ってる」甲高い声の女がマユミを二人に示した。
一対三……。
腋の下が汗で濡れるのがわかった。
マユミはそれでも空手の基本である、三戦立ちで敵と対峙した。
負けることがわかっていても闘わなくてはならないときがある――。
使い古されたフレーズが頭の中をよぎった。
せめて一人くらいは斃しておきたいものだ。「敵」かどうかわからない相手であっても、ダチがやられたのだからこのまま退くわけにはいかない。
マユミはじりじりと迫る三人を視界に入れたまま、身じろぎせずに「機」を待った。こちらから先に攻撃できる、一瞬の隙が生まれるそのときを――。
そのとき。
頭上で、さあっと空気が切れる音がしたかと思うと、マユミと三人のあいだに大きな影が落ちた。緊張が一瞬解かれ、マユミは顔を動かさず、視線だけを空に向けた。
たくさんの鳩と鴉が密集し、太陽の光をさえぎったのだ。鳩と鴉だけではない。いつの間にか、これまで見たことのない数の鳥が、馬路須加女学園上空を囲むように滑空している。その異様な光景に、マユミは少し恐怖を感じた。
と――目前の空気の流れが変わった。
ハッとしたときにはもう遅かった。
「隙あり、や――ッ」
みるきーのミドルキックがマユミに襲い掛かってきた。
自分の迂闊さを後悔している暇はなかった。直撃を避けようと、マユミは反射的に後退した。それりでもみるきーの爪先は、サキコとはちがう、マユミの大きな胸の下に突き刺さろうとしていた。
マユミはキックの衝撃を覚悟し、心と体を強張らせた。
と、突然――黒い背中がマユミの目前に現れた。
電光石火と呼ぶにふさわしい速度だった。その黒いライダースジャケットの背中には、白い天使の刺繍が入っている。
プリクラ――菊地あやかがみるきーのミドルキックを、胸で抱えるようにして止めたのだ。
あのスピードで繰り出された脚を瞬時で掴み、その動きを止めるとは普通ではない。さすがは『純情堕天使』のリーダーを張っているだけのことはある。
「だれや、あんた?」みるきーは脚を掴まれたまま誰何した。
「馬路須加女学園二年菊地あやかです。この脚、下ろしてください」
「なかなかやるやないか……」みるきーは人懐こい笑顔を見せ、足を引いた。「蹴りを止められたなんて初めてや」
――助かった……。
マユミは安堵した。巡回の交代要因がプリクラで助かった。もしも、元チームホルモンのだれかだったら返り討ちにあっていたところだった。
ザッザッと砂を踏む足音とともにいつのまにか現れたナツミ、トモミ、ハルカはさや姉たちを取り囲みつつあった。
「私たちは馬路須加女学園『純情堕天使』の六人です。本当はあと四人いるのですが、ここにはちょっと来ていません。それとも呼んだほうがいいですか?」
みるきーがさや姉のほうを向いた。
「今さらやめる、て――先に仕掛けてきたのはそっちやんか」さや姉は冷静な口調でそう指摘した。
「そうかもしれませんが、こちらも一人潰されています。それで手打ちにしてくれませんか?」
「どうする山田?」
山田と呼ばれた甲高い声の少女は小さく首を横に振って、両手を無造作に広げた。「一旦休戦やな」
「そやな」さや姉は頷いた。
「賢明な判断です」それからプリクラはナツミとトモミとハルカに向かって、サキコの手当をするよう促した。
トモミとハルカが、意識はあるものの体にかなり手痛いダメージを受け、自分ひとりでは立つことのできないサキコの体を、二人で力を合わせてナツミの背中に乗せようとし始めた。臨時保健室となっている体育館に連れて行くようだった。
「ところで――あなたたちは……?」
「うちら三人とも難波からやってきたんや。来年からこの学校に入学するんでな」さや姉が答えた。
ということは全員中学生か。それにしては、さや姉とみるきーはともかく、山田はえらく年上に見える。
「今日は通学時間の確認と学校の下見に来ただけやのに、手荒い歓迎会が開かれたってわけや」山田が皮肉たっぷりに答えた。「ワルがそろってるとは聞いとったが、いきなりケンカを仕掛けられるとは思わんかったで」
「今日は特別で、みんなピリピリしているんですよ」プリクラは言った。「――にしても、難波とはまた遠いところから……」
「あんたら生徒のくせに知らんのかいな。この学校、関西でも知らんヤンキーはおらへんで」
「そうなんですか。中にいると実感できないものです」
「うちらも難波じゃ知られたヤンキーや」みるきーが腕を組み、まるで口上を決めるように言った。その口調はどことなくふざけているように思えたが、それがみるきーの持ち味なのだろう。人を舐めたような態度であるのに、不思議と腹は立たない。「難波――いや、関西の天下はもう獲った。今度は関東で実力を試したいと思ってな」
「――というわけで、せっかく来たんで学校の中でも見てみたいんやけど……」さや姉が言った。「先輩の皆さんで案内してくれへんか?」
マユミはプリクラと顔を見合わせた。
もちろん、今日はそんなことをしている暇はない。
だが、プリクラはそれこそ純情そうな天使の笑顔を浮かべ、こう言った。
「そうですね。今日は『本当のマジジョ』を知ってもらえる最良の日です。三人とも、ツイてますよ」
マジ女の制服を着た五人と、青い豹柄のスカートという変わった制服の三人が校門の中に消えていくのを、校門前の通りを挟んだ向かい側に立つ桜の木の上に三つの影が息をひそめて見つめていた。
「なんだか様子がおかしいですね……」くりっとした大きな瞳とぽっちゃりとした頬が愛らしい少女――宮脇咲良が独りごとのようにつぶやいた。
咲良たちも、大阪から来たという三人同様、来年からこの馬路須加女学園に入学する予定だった。荒れに荒れているという話を聞いていたので、実際にどれほどのものかを確認する意味でやってきたのだが、その様子は想像以上だった。校舎と校庭を取り囲む壁はあちこちが朽ちていて、補修もされておらず落書きだらけ。それに加えて、市街地とは離れて隔離されたような場所にあるためか、壁にはだれかが持ってきてここに捨てていった粗大ゴミがあちこちに積まれている。このまま放置しておけば、いずれ壁を超えるまでになるにちがいない。こんな状態になっていることは、学校案内のパンフレットにはもちろん書かれていなかった。
最初にこの光景を見たとき、咲良は自分の進路希望がまちがっていたと確信したが、ついさっき眼下で展開された闘いを見て、思い直した。むしろこの学園こそ、自分たちの青春を捧げるにふさわしい――。
「いまの人たち、大阪から来たって言ってました」
隣にいた田島芽瑠が頷いた。一見幼そうな容姿だが、黒目がちな細い瞳には冷静な光が宿っている。
「学校のようしゅも変でしゅね」
前髪をセンターで分けた特徴的な髪型の兒玉遥は、舌足らずな口調で言うと、階段を下りるようにして枝から枝へと飛び移り、あっという間に地面に降り立った。白と黒のチェック柄のプリーツスカートがまるでパラシュートのようにふわりと広がった。咲良と芽瑠もそれに続いた。
「様子を見に来て正解ですね、はるっぴさん」芽瑠は遥の横に降りた。
「けど――どうやって侵入しゅればいいかな……」
「なんのために修行をしてきたんですか。あの程度の警備で怯んでどうするんです?」咲良はほくそえんだ。「センターを獲るんじゃないんですか、はるっぴ?」
咲良は中学時代に芽瑠と遥に出会えて本当に良かったと思っている。この二人がいなければ咲良自身の夢――ヤンキーたちの《センター》――を目指そうと思いもしなかっただろう。だからこそ咲良は辛い修行に三年間耐えてきたのだ。
「咲良の言うとおりですよ」
「でも心配でしゅ……」遥の眉が八の字になった。心配症の遥だが、それゆえ危険を察知する能力は人一倍優れている。咲良も芽瑠も、その特殊能力には何度も救われてきた。
「まあまあ」咲良は遥の肩を抱いた。「そんな顔してたってなんにもならないですよ。気軽に行きましょう」
「そうでしゅね……もうしゅこし、ようしゅをうかがってから入りましょう」
咲良たちはふたたび桜の木へと飛び移った。
【つづく】