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【ネタバレあり】『魍魎の匣』を見た。

 14, 2008 22:43
 今日はTOHOシネマズの日ということで、これ関連の劇場なら1000円均一で見られることを知ったのは1130ころのこと。それなら、と、劇場で見るか見ないか迷っていた『魍魎の匣』を錦糸町で見てきました。尾久セントラルくん、急な思い付きだったので誘わなかったです。ごめんね。
 なにしろ上映開始が1245。大急ぎで行ったらすでに座席は8割方埋まっていて、最終的には満席になっていた。さすが1000円の日。
 ぼくは京極作品で一番好きなのがこの作品で、それだけに映像化には興味もあった(映画の前作『姑獲鳥の夏』は監督もちがうから別作品とみなすべきだが、こちらはかなり退屈だった)。
 で、映画の感想なんだが、かなりよくまとまっている。あえて複雑な時系列で構成した序盤もさほど混乱なく見られるし、不要なエピソードを切り詰めてわかりやすくなっている。
 けれども、原田監督はミステリはそれほど好きではないのか、謎解き的要素まで薄くなってしまったのは残念。密室から女の子が消えるエピソードとトリック(?)がかなり好きだったけど、そこは省かれていた。
 それから『魍魎の匣』と言えば「みっしり」感なのに、そのあたりも今ひとつだった。ラストシーンの加菜子は、イメージ映像ではなくちゃんと匣に入っていてほしかったなあ。
 クライマツクスで舞台となる研究所は、どこかのダムかなにかで撮影したのだろうか、設備が現代的すぎて冷めてしまった。コンクリの柱とかは仕方ないにしても、操作盤のパネルとかはもっと古めかしいものにすれば良かったのに…。
 バラバラの描写もちょっとユルい。血の気の多いものは苦手なぼくが見てもそう思うのだから、切り株好きの人は物足りないだろう。
 キャストも競馬用語で言うところの、アレアレな状態か。堤はいいとして、関口が椎名ってのはかなりイメージちがうよ。永瀬が病気で出られなかったにしても、もう少し弱そうな感じの人のほうがいい。椎名ってモテ役ばかりやっていたから関口には合わないでしょ。宮藤は芝居が舞台役者っぽくて浮いていたけど、彼の顔と雰囲気はキャラクタに合っていた。それから田中麗奈は密かに好きだったりするし、役どころにもハマっていた。ああ、田中麗奈とエロいことしたいな。突然、なに言ってんの、お前。
 と、文句ばかり書いているけど、嫌いな作品ではない。昭和初期のオープンセットはご存知上海のあそこで、昭和史好きとしてはたまらない光景が見られる。他の背景も、『三丁目の夕日』バリにがんばってほしかったが、これは予算の関係上無理か(笑)。
 なによりぼくは、原田監督の人物の描き方が好きなのだ。内面に踏み込みすぎない程度の描写に留め、あとは行動でキャラクターを立たせるのが原田監督の特徴だと思うのだが、ぼくにはそれが心地よい。編集のテンポもよく、特にカットの切れ目がうまい。これは見習いたいけど、おれなんかには無理だろうなあ…。

 なんにしても、京極シリーズ好きの人が見ても及第点はつけられるような気がするけど、どうだろう?

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