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■新井英樹『キーチVS』1
『キーチ』サーガの第二部。今回も善人が困窮するという筋立ては継承しつつ、さらにスケールアップしている。
ここにあるのは「正義」なんてものじゃなくて、あえて言えば「情念」か。いろんな人の、いろんなかたちでの。
多分……だけど、新井英樹はこういう誤解されやすい作品を描いているけれど、人間に希望を持っているのだと思う。
人は「理」よりも「情」を信じ、崇拝するのだ。
■ジョージ秋山『銭豚』
名作『銭ゲバ』の番外編。でも、こちらは蒲郡風太郎ではなく、理江という女子高生が途中から主役になる。銭と肉の、二つの欲望に進んで塗れる理江は痛々しい。ラストの呆然とする理江はなんと儚く、哀れか。
銭も肉も人を幸せにはできないんだなぁ、と感じる一冊。
■桂正和『ZETMAN』1~9
ああ、惜しいなあ。せっかく今まで自分が書いてきた「正義の味方」の根本を否定し、ひっくり返せるというのに、そこまで行くのを踏みとどまってしまっている。本当に惜しい。
コウガは第一部(?)で、彼なりの「正義の基準」を明確にしておくべきだった。そうしないと第二部で「変身」したところで読者に行動原理がわからないのだから……。
けれども、こういう領域に踏み込もうとした桂正和の意気込みだけは伝わってくる。この先、一応、注目しています。
■鬼頭莫宏『ぼくらの』1~2
1巻でちょっと触れられる、子供たちの思念で動かすロボットのマンガって、ジョージ秋山の『ザ・ムーン』だよね?
それにしても、また子供が無意味に死ぬ話か。うーん、『バトル・ロワイアル』以降、ホントに増えたな、こういうの。正直、お涙っぽいモノは飽きました。
けど、絵の質とか構成とか、マジックのカキ文字とかは好き。ロボットのデザインも良いです。ブックオフに3巻があったら、続きを読んでみます(立ち読みだったのか)。
あと、中村光『聖☆おにいさん』も読んだけど、全然面白くなかったので2話目でやめてしまいました。なので感想はなし。
ま、そんな感じ。