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【注意事項】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・いずれエロい場面も出てきます。エロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
■台場から来た少女 1―1■
蹴りがきた。
ヲタは放課後に食べたホルモンを吐き出しそうになるほどの衝撃を下腹部に受けた。
体は意思とは無関係に後方に吹っ飛び、花壇の鉄柵に背中を打ち付けた。息ができない。腹がじんじんと痛み、内臓が重くなった。怒りよりも恐怖に支配されそうになるのを、ヲタは必死で耐えた。自分が倒れたままでいたら「負ける」。その思いが、ヲタの両足に力を入れた。
「てめぇ……」うんざりするほどの吐き気をおぼえながらも、ヲタは立ち上がろうとする。「……これくらいでチームホルモンが負けるとでも……」
いい終わらないうちに蹴りの第二波が、ヲタの右側から今度は顔面に打ち付けられた。
血の味が口の中に広がると同時に、ヲタは砂利の敷かれた地面に倒れた。
蹴りを放った少女が見下して、「所詮、雑魚キャラだろ、あんた」
「……なにを……」
「そんなのと遊んでるヒマはないって言ってんの」もう一度、腹に蹴りが叩き込まれた。うぐゅう、と音がした。
「さっさと教えてくれりゃあいいだけのことなのになー」
「だれがてめえなんかに……」
「んじゃ、別のやつに聞くからいいや」少女はにっこりと清純な笑顔になり、ヲタの横に立っているムクチ――小森美果に向いた。「こうなりたくないなら教えて」
「なにも……言うなっ」ヲタは声を振り絞った。もっとも、ムクチならそう言わなくても口を開くことはないだろう。なにしろ、2年間もつきあいのあるヲタでさえ、ムクチの声は聞いたことがないのだから。
そのムクチは、しかし、今までに見たことのないような眼力で、少女を見つめていた。
ムクチは少女の問いかけに、すうっと両拳を顔の正面に持ち上げることで答えた。ボクシングの基本姿勢だ。
「届かないよ、そのリーチじゃ……」言い終わるか終わらないかのうちに、少女はミニのプリーツスカートを翻して、しなやかな右脚からハイキックを繰り出した。
顔面に襲いかかられたその脚を、最短距離で交わしたムクチは、相手の体勢が整う前に懐に迫る。そして左ジャブを左わき腹めがけて打ちこんだ。
この一撃は効果があった。少女はうっと声を漏らし、上半身を捩った。
すかさずムクチは右を、少女が手で押さえた場所のすぐ横に、ややアッパー気味に叩き込もうとした。
だが、それよりも早く、少女の膝がムクチの顎を襲った。
ヲタが声を上げたのと同時に、ムクチの顔が宙に舞う。
そのときでさえムクチが声を上げなかったことに、ヲタは関心してしまった。
ムクチが倒れるのを確認して、少女は再びヲタを見下ろした。「友達、やっつけちゃった」
「うるせぇ」
「弱いくせに口は堅たいんですねぇ」
「うるせえって言ってんだろっ」ヲタは言うと同時に、握っていた砂利を少女に向かって撒いた。しかし砂粒は少女の顔にまで届かず、目潰しの効果はないどころか、ヲタの顔に情けなく降り注いだ。口の中に砂利が入ってしまい、ヲタはぺっと地面に唾と血を吐いた。
「はは。超ウケる攻撃」少女は笑った。「あ。そうだ。このこと、みんなに伝えておいてよ。あんたらの高校、ぶっ潰しに来たって」
「なんだと……」
「最近、いい気になってるらしいからさ、あんたの高校。だから私たち亜理絵根(ありえね)がシメることにしたんで」
「亜理絵根だと……」
ヲタはその学校の名前は知っていた。正式名称は亜理絵根女子高等学校。馬路須加女学園とともに急成長してきた学校で、東京中にその名は知れ渡っている。しかし、馬路須加と亜理絵根が直接的な衝突をしたことはなかった。お互いの勢力が、地理的にもパワーバランス的にも均衡していたからだ。
だが、この少女の言うことが本当だとしたら、その均衡がついに破れたのかもしれない。
なぜ――?
「ついでに私の名前も教えておくね」少女は微笑んだ。「朝日奈央。朝日は、朝日新聞の朝日。あ。でも、奈央って呼んでいいよ」
【つづく】
![](http://www24.a8.net/svt/bgt?aid=100215337714&wid=001&eno=01&mid=s00000009601001008000&mc=1)
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・いずれエロい場面も出てきます。エロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
■台場から来た少女 1―1■
蹴りがきた。
ヲタは放課後に食べたホルモンを吐き出しそうになるほどの衝撃を下腹部に受けた。
体は意思とは無関係に後方に吹っ飛び、花壇の鉄柵に背中を打ち付けた。息ができない。腹がじんじんと痛み、内臓が重くなった。怒りよりも恐怖に支配されそうになるのを、ヲタは必死で耐えた。自分が倒れたままでいたら「負ける」。その思いが、ヲタの両足に力を入れた。
「てめぇ……」うんざりするほどの吐き気をおぼえながらも、ヲタは立ち上がろうとする。「……これくらいでチームホルモンが負けるとでも……」
いい終わらないうちに蹴りの第二波が、ヲタの右側から今度は顔面に打ち付けられた。
血の味が口の中に広がると同時に、ヲタは砂利の敷かれた地面に倒れた。
蹴りを放った少女が見下して、「所詮、雑魚キャラだろ、あんた」
「……なにを……」
「そんなのと遊んでるヒマはないって言ってんの」もう一度、腹に蹴りが叩き込まれた。うぐゅう、と音がした。
「さっさと教えてくれりゃあいいだけのことなのになー」
「だれがてめえなんかに……」
「んじゃ、別のやつに聞くからいいや」少女はにっこりと清純な笑顔になり、ヲタの横に立っているムクチ――小森美果に向いた。「こうなりたくないなら教えて」
「なにも……言うなっ」ヲタは声を振り絞った。もっとも、ムクチならそう言わなくても口を開くことはないだろう。なにしろ、2年間もつきあいのあるヲタでさえ、ムクチの声は聞いたことがないのだから。
そのムクチは、しかし、今までに見たことのないような眼力で、少女を見つめていた。
ムクチは少女の問いかけに、すうっと両拳を顔の正面に持ち上げることで答えた。ボクシングの基本姿勢だ。
「届かないよ、そのリーチじゃ……」言い終わるか終わらないかのうちに、少女はミニのプリーツスカートを翻して、しなやかな右脚からハイキックを繰り出した。
顔面に襲いかかられたその脚を、最短距離で交わしたムクチは、相手の体勢が整う前に懐に迫る。そして左ジャブを左わき腹めがけて打ちこんだ。
この一撃は効果があった。少女はうっと声を漏らし、上半身を捩った。
すかさずムクチは右を、少女が手で押さえた場所のすぐ横に、ややアッパー気味に叩き込もうとした。
だが、それよりも早く、少女の膝がムクチの顎を襲った。
ヲタが声を上げたのと同時に、ムクチの顔が宙に舞う。
そのときでさえムクチが声を上げなかったことに、ヲタは関心してしまった。
ムクチが倒れるのを確認して、少女は再びヲタを見下ろした。「友達、やっつけちゃった」
「うるせぇ」
「弱いくせに口は堅たいんですねぇ」
「うるせえって言ってんだろっ」ヲタは言うと同時に、握っていた砂利を少女に向かって撒いた。しかし砂粒は少女の顔にまで届かず、目潰しの効果はないどころか、ヲタの顔に情けなく降り注いだ。口の中に砂利が入ってしまい、ヲタはぺっと地面に唾と血を吐いた。
「はは。超ウケる攻撃」少女は笑った。「あ。そうだ。このこと、みんなに伝えておいてよ。あんたらの高校、ぶっ潰しに来たって」
「なんだと……」
「最近、いい気になってるらしいからさ、あんたの高校。だから私たち亜理絵根(ありえね)がシメることにしたんで」
「亜理絵根だと……」
ヲタはその学校の名前は知っていた。正式名称は亜理絵根女子高等学校。馬路須加女学園とともに急成長してきた学校で、東京中にその名は知れ渡っている。しかし、馬路須加と亜理絵根が直接的な衝突をしたことはなかった。お互いの勢力が、地理的にもパワーバランス的にも均衡していたからだ。
だが、この少女の言うことが本当だとしたら、その均衡がついに破れたのかもしれない。
なぜ――?
「ついでに私の名前も教えておくね」少女は微笑んだ。「朝日奈央。朝日は、朝日新聞の朝日。あ。でも、奈央って呼んでいいよ」
【つづく】
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