映画『私の優しくない先輩』、今年見たアイドル映画の中では最高の出来でした。川島海荷かわいい!!!
ヤマカン初の実写映画ということで期待半分だったけど、けっこうちゃんとしてるじゃん。2010年代の『時かけ』は言い過ぎかもしれないけど、テイストはある。ヤマカンはきっと嬉しく思わないだろうけど、『ハルヒ』テイストも存分に味わえる。ヤマカン=モノローグというパターンを、今後踏襲するのかはわからないけど……。
アイドル映画はとにかく主演の子が魅力的に描かれていることが絶対条件なんだけど、この作品はそれをあっさりとクリアしている。ま、モノローグは反則っぽいとも思うけどヤマカンなら仕方ない(笑)。
川島は卑怯なくらいにかわいい。欲を言えば、もう少しエロさを表現してほしかった。ヤマカンならできるはず。あの年代にしか出せないエロさをフィルムに焼き付けることこそ、アイドル映画の務めだ(その最高傑作が大林版『時をかける少女』)。
先ほど、川島=キョンと書いたけど、実は川島はキョンと決定的にちがう点がある。キョンがほとんど自分のことを語らないのに対し、川島は自分のことしか語らない。いわゆる「セカイ系」の特徴なのかもしれないが、どちらもライトノベル的発想であるこの対比は面白い。ま、『ハルヒ』は究極の「セカイ系」なんだけど。
キョンがある種、神的視点からのモノローグだとすると、川島は私的視点に終始している。キョンは自分以外にツッコミを入れるが、川島は自分にツッコミを入れる。
それとも関連するけど、川島の醜い部分の描き方については、ちょっと足らなさを感じた。川島の毒が発揮されるのは児玉に対してだけ。せっかく家族を出したのだから、そこでの醜さも描いてほしかった。両親ともに「いい人」感丸出しで、そこに甘さが感じられる。
お笑い芸人の主演作では、今年は『ヒーローショー』のジャルジャルが印象深い。そこでは二人は普段とはまるで違った役柄を与えられているが、本作の金田はあくまでも金田でしかないのは気になった。彼がテレビで見せている動きが映画でも再現されている。もちろん、違うイメージの役をやらせればいいというものでもないけど、本作ではマイナスの効果になっていると感じた。
自分のセカイとちがう常識を持つ者によって正論めいたことを説教されるというパターンはいろんなジャンルで見られるが、ほどほどにしないとやかましい。本作は少し、やかましく聞こえた。
他にも、不満もなくはない。最後のほうで観念的な映像の連続になるあたりは特に。ああいうの、もういいよって感じがする。あいまいなまま終わらせるのも「いくないと思う」(『マジすか学園』の峯岸みなみ風に)。
けれども、何度も書くように、とにかく川島海荷はかわいい。それだけでアイドル好きの人は見るべき作品だ。
東京では新宿と台場でしか上映してないけど、またヤマカンが映画を撮れるくらい儲かってほしいデス。
ヤマカンのインタビュー↓
http://closeup-nettube.livedoor.biz/archives/3378178.html