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札幌・小樽旅行記その13。 【最終回】

 22, 2006 00:12
 小樽運河をあとにしたおれたちは、帰りの電車の時刻まで余裕があったため、アーケード商店街の喫茶店に入ることにした。クラシカルな装飾品でいっぱいの店内には、あちこちに撮影禁止と書かれていた。まあ、これだけのものが並んでいるのだから撮りたくはなる。けれども撮影OKにすると際限ないのだろう。
 正直言えば、おれは喫茶店でダベるよりも、寒さの中であろうと小樽の町をうろつきたかった。喫茶店でダベるなんて、東京でもできるではないか。てゆーか、ここにいるのは毎週うちに来て、ダベっているメンバーなのである。なにが悲しゅうて、喫茶店に入らなくてはならないのだ……と思ったものの、おれたちみんなはすっかり疲れて、おしゃべりするどころではなく、静かに飲み物を飲み、40分ほど時間をつぶした。
 途中、A姉さんから電話がかかってきた。いまは旦那さんと一緒に札幌の「まんだらけ」に来ているという。ひさしぶりに夫婦そろって札幌に出たので、あちこち歩いているのだとか。お二人を札幌に誘った甲斐があるというものだ……。

 小樽駅では、記念に馬券を写した。

 どうやってもブレてしまうので、フラッシュ炊いたけど、背景が暗くなってしまうし……。ホントは見せたくない写真だが、記念なので公開。
 前もって指定席券を買っていたので、帰りはラクチンだった。自由席は満席で、立っている人もいたから、300円の指定席券は安い。小樽から新千歳空港まで行く人は、前もって買っておくことをお勧めする。
 空港に着くと、まだまだ時間が余っているのでお土産を買うことにした。といっても、親しい友達や頼まれた人にのみ。会社の連中にはなんにも買わない。そもそも、北海道に旅行したことは内緒なのだ。言えば土産を買わなくてはならず、うちの会社は人数が多いので、全員に回るようにするにはけっこうなお金がかかってしまう。そんなカネがあるなら、親しい人への土産を豪華にしたほうがよいではないか。
 A姉さんからANAの土産物屋で使える割引チケットをもらっていたが、案の定、「白い恋人」などの売れ筋商品には使えず。こういう商売の仕方、なんとかならんのかね。「白い恋人」をたくさん買おうとしていた客が、レジで初めて聞いたらしく驚いていた。そりゃそうだよな。たしかにチケットには一部商品を除く、とは書いてあるけど……。
 土産物を買ったあとは、腹が減ったのでなにか食べようと思ったが、いいお店がなかったため、一階のローソンでおにぎりを買った。ロビーに座ってぱくつく。北海道最後の食事がコンビニのおにぎりとは、なんともさびしい。
 そして、ようやくフライトの時間が来た。おれたちは飛行機に乗り込んだが、おれとみんなは別々にチケットを発券したため、席が別々であった。一人はさびしかったが仕方ない。とぼとぼと自分の席に着いた。
 しばらくすると、斜め前の席に座っている、見るからに体育会系の体格の男が携帯電話をかけだした。機内での携帯電話の使用はもちろん禁止されている。すかさずスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、注意をした。男は無愛想に応答し、話をやめた。
 だが、それから五分もたたないうちに、その男はメールを打ち出したのだ。携帯電話の電源を切るように、とスチュワーデス(って言わないのか、いまは)に言われただろう! こういうバカは本当に頭にくる。そんなに重要な用事があるなら、飛行機を降りろ。
 再びスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、かなり強い口調で「先ほどお願いしましたが、聞いていただけないのでしたら、航空法により降りていただくことになります」というようなことを言った。周りの空気が緊張に支配された。体育会系の男はさすがに顔色を変え、今度は携帯電話の電源を切ったようだった。
 おれは自分自身が文化系の人間だからなのかはわからないが、こういう横柄な態度の体育会系の人間には反射的に嫌悪感を感じてしまう(偏見以外のなにものでもない)。こいつはスチュワーデス(って言わないのか、いまは)を舐めていたのだろう。ムカつくなぁ。見つからなかったらそれでいい、という感じがぷんぷん漂っていた。
 もっとも、このバカを注意したスチュワーデス(って言わないのか、いまは)のお姉さんはおれ好みの美人で、おれも厳しく叱られたいなぁ、と思ってみたりみなかったり。
 ともかく。飛行機はなんのトラブルもなく離陸し、そして無事羽田に着いた。

 夜間飛行だったので、ぼくと妻が自宅に着いたのは深夜になろうとする時間だった。
 体は疲れているのに、布団に入っても、興奮で眠れなかった。なにかのイベントの後はいつもこうだ。でも、目を閉じてあれこれ回想するその時間も、また旅行のひとつの楽しみなのだ……。

 【おしまい】

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