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毒を吐くということ。

 02, 2006 05:47
 毒舌だと言われることがあります。
 たとえばなにかの作品について語るとき。「ちょっと面白くなかったなぁ」という程度のものでも、だれかにその話をするときは針小棒大にして話してしまうんですよ。その逆はあんまりないんだけど(笑)。
 大げさに言えば、エンターテインメントの精神かもしれません。聞いている人に、おれの話で笑ってほしいんですよ。
 ただ。
 それで怪我をすることも多い。
 相手が好きなものを、それと知らずに毒を吐き散らし、あとで他の人から「あの人、××好きなんだよ」と知らされ、血の気が引いたことも何度もあります(笑)。
 だから本当は、そんなことやめればいいんですよね。
 でもなあ……。
 やめられないのは性分なんだろう。

 だけど、そんな、地雷を踏みまくっているおれでも、ふと「それはおかしい」だろう、と思うことがあります。
 これまで、さんざんおれの毒話を笑っていたのに、いざ自分が好きなものに毒をあてられると途端に態度を豹変させる人がいる。
 自分に興味のないものは貶されてもいいけど、好きなものが貶されるのは許せない?
 なにそれ?
 以前、筒井康隆がテレビでこんな趣旨のことを言っていた。とある読者からの手紙に、自分はこれまで筒井作品を楽しませてもらったが、このあいだの『××』という作品で身障者を笑いものにしているのは許せない、なぜなら自分には身障者の子供がいる……、と。 
 筒井の書いているブラックユーモアとは、そのような人間の奥底に潜むドス黒いモノをさらけ出す役割があるのだと思った。ぼくが毒を吐くを吐くのも、そうした人間の本性に迫りたいという真剣な気持ちもあったりする。
 自分が好きなものが槍玉に挙げられても、さらっと笑える人とは長く付き合える。あるいはきちんと理性で反論してくれる人ならもっと楽しい。ぼくは議論は好きなのだ。
 でも感情的になって、こちらの真意を知ろうともしない態度の人もいる。重箱の隅をつつくような理屈を言い出す。
 昨日までは笑っていたくせに、と思う。

 でも、それでもぼくは、多分、毒を吐くのをやめないだろう。
 この毒に、長年付き合ってくれている友だちがいるから。

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