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いまさら『下妻物語』を見た。

 31, 2006 21:10
 テレビで放送されていたので、ね。
 きっかけになったのは、日曜日に来ていた友だちの言葉。ぼくと趣味の似ている友だち二人が揃って「出来がいい」と、褒めていたのだ。
 正直なところ、公開当時、予告やテレビスポットで流れていたシーンを見ている限りでは、ぼくの趣味とはちがう映画だと思っていた。マンガの一シーンみたいな画面効果や構図を使う映画が、ぼくはあんまり好きではないのだ。
 映画本編をすべて見たあとでも、そのシーンが気にならなかったといえばウソになるが、それでもこの作品は「きちんとしている」。
 とても面白く、楽しめる映画だった。
 なによりも、深田恭子が最強である。
 かわいい、では言葉が足らない。
 もはや深田恭子は、これ以上の役に恵まれないだろう、というくらいのハマリ役。この映画が製作されたあのころ、日本中どこを探しても深田恭子以外の適役はいなかったはずだ。
 そのくらい深田恭子は最強だった。
 土屋アンナの熱演もいい。最初のうちはどことなく違和感を感じるけど、次第にこれはこれでいいと思えてくる。
 この二人のキャラクターがよくできていて、行動原理もわかりやすい。脇役の面々も、多少マンガ的になりすぎという気もするけど、概ね楽しめる。特に小池栄子は、深田の次に役にハマっていた。
 個人的な思いになってしまうが(……って、個人的な趣味でしか書いてないけど)、物語の中で一番しっくりきたエピソードがある。深田が憧れのデザイナーから仕事を依頼され、そのプレッシャーに押されるという箇所だ。
 ぼくも去年の、ちょうど今頃に本の出版が決まった。最初は自分の本が出るなんて、と浮かれていたものの、次第に怖くなってきた。出版社から本を出すということは、最低でも百万単位のカネがかかる。もちろん自分で出すわけではないが、だからこそ、それが怖い。人のお金の命運を、自分が握っているのだ。自分でカネを出して、好きなことを書ける同人誌のほうがよっぽど気が楽だ。しかし引き受けたからにはやらなければならない。
 だから、この映画の深田の気持ちが、ぼくにはよくわかる。深田の場合はあこがれていた服そのものが仕事の対称になるのだから、ぼく以上のプレッシャーがあっただろう。
 劇中のこのセリフは、特に響いた。

 「人間は大きな幸せを前にすると、急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気が要る」

 名言である。この言葉を聞けただけでも、見てよかったと思えた映画だった。

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