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『マジすか学園vsありえね女子高 AKB48vsアイドリング!!!』 第7回

 25, 2010 21:47
 ・今回は性的描写を含みます。嫌いな方は読まないでください。
 ・キャラクターはあくまでもストーリーの中にだけ存在しているものです。
  現実の人間ではありません。てゆーか、非実在青少年?



 


 ■反撃―1■


 ジャンボは階段をダッシュで昇りきると、部室のドアを開けて飛び込んだ。
 その中にいた全員が、一斉にこちらを向く。
 ライス、昭和、アニメの一年連中、そしてシブヤ――。
 「サドさんはっ……」ジャンボは息を切らせて部屋を見回した。「まだ来てない?」
 「シッ」ライスが唇に人差し指を立て、小声で言った。「奥にいる。今日はトリゴヤさんだ」
 ライスの態度とその言葉が示す状況はたったひとつしかない。
 ジャンボは奥の部屋に通じるドアを見た。
 『休憩室』と呼ばれるその部屋は、本来は楽器をしまっておく物置だったが、一年ほど前に大島優子の命により、ベッドが運び込まれた。使用権は大島優子とサドにしかなく、最初のころは二人だけが「休憩」に使っていた。
 大島優子が入院すると、欲望を持て余したのか、サドは四天王とたびたび「休憩」をするようになった。大抵は放課後の、今のこの時間が「休憩時間」だった。
 ドアの向こうからトリゴヤの艶声が聞こえてきた。
 「ああっ、サド……。ダメ……聞こえちゃうよ……」歓喜に満ちたその声は、まるですぐ隣で事に及んでいるかのように鮮明だった。ちょっと耳を澄ませば、声だけでなく、トリゴヤの荒い息遣いさえ感じられるだろう。
 ――聞こえちゃう、じゃなくて、聞かせているくせに……。
 ジャンボは激しい嫉妬に襲われた。
 サドは気が向いたときに、部員に寵愛を施す。ジャンボは今までに一度だけそれを受けたことがある。女同士という背徳感ゆえに甘美で、切ない行為だった。
 サドの指と舌は、信じられない動きでジャンボの体のあらゆる箇所を責め立てた。自分で慰めるときでは決して触れられない場所を、サドの指と舌はそれと知って這う。すると体は、まるで電流が流れているかのように痺れ、やがて耐え切れない快感となった。ジャンボはその指技だけで、数え切れないくらい達した。
 極めつけは、あのケン玉だ。サドがいつも持ち歩いているあのケン玉は、もちろんケンカの武器として使われるのだが、実は柄の部分に仕込み杖のごとく、張形が入っている。聞いた話によれば、作ったのは大島優子らしい。病気療養中の大島優子が自分のことを忘れないようにと、サドに渡したそうだ。
 この張形の使い方のうまいことときたら……。サドはそのテクニックも、大島優子から受け継いだ(これはサドに責められているときに本人から直接聞かされた)。それでもそのすべてを覚えきれたわけではなく、大島優子を知ってしまえば、もはや男となど馬鹿馬鹿しくて寝る気にならないそうだ。サドがそこまで言うのなら、大島優子にも抱かれてみたいと思う。
 ――優子先輩に抱かれるなんて恐れ多い。けど、もし叶うなら……。
 想像すると、ジャンボは体の芯に火照りを感じた。
 また、トリゴヤの喘ぎ声が聞こえた。
 以前はもっと「秘め事」と言うのにふさわしかった。サドに抱かれた者は本気で声を潜めていた。しかし、サドはそれでは物足りなくなったのだろう。サドの指とケン玉によって、四天王が下級生には絶対に見せない痴態を心ならずとも晒してしまうことに快感を覚えたようだった。最初に落城したトリゴヤは、今ではむしろ、自分の声を聞かせることを楽しんでいるかのように、サドのテクニックに堪えることなく声を上げている。『休憩室』の扉がぎしぎしと軋むようになったのも最近だ。サドの寵愛を賜る喜びを、下級生に自慢しているかのように……。
 じんじんと脳に伝わる歯痒いほど小さな疼きに、ジャンボは顔を赤らめた。自分の意識とは関係なく、太ももが擦り合うように動く。
 そんな恥ずかしい状態になっているのはジャンボだけではなかった。ライスも昭和もアニメも視線を床に落とし、誰とも目を合わすまいとしていた。胸の上下動も普段とはちがって大きい。昭和など、目を閉じて自分の世界にいるようだ。頭の中で、トリゴヤに自分を重ね合わせているのか、舌が唇を舐めていた。
 ひとり、シブヤだけが椅子の上で大きく広げて脚を組み、不機嫌そうに背もたれに体を預けている。
 ――そういえば、最近、シブヤ先輩、サドさんに抱かれてないな。
 サドがだれを抱くか、あるいは抱かないかはそのときにならないとわからない。サドは果てしなく気まぐれなのだ。それでも最近のお気に入りはトリゴヤで、ブラックとゲキカラもときどきは奥の部屋に呼ばれるが、シブヤはもっぱら部室で「お留守番」を務めることが多かった。どうやら前田に負けた件が、あとを引いているようだった。
 シブヤから報告を受けたサドは激怒した。負けたことに、ではない。四天王にふさわしくない卑劣な闘い方をして、しかも負けたことを叱責した。「前田ごときにやられるとは、ざまぁねぇな。四天王がそんなことで、他の連中に示しがつくのかよ」
 「すみません……」土下座しているシブヤの頭には、サドの長く美しい脚に着けられたショートブーツが乗せられていた。額は床にこすり付けられ、細いヒールがきりきりと頭皮を圧迫していた。
 ジャンボはそんなシブヤに哀れみを、平然とした表情でやってのけるサドに恐怖を感じた。
 それ以来、ジャンボの知る限り、シブヤはサドに口さえ聞いてもらっていない。シブヤは焦っているにちがいなかった。重い生理日みたいに、常にイライラしていた。
 そのとき、またトリゴヤの悦びの声が聞こえた。今度のそれは悲鳴にも似ていて、いつ果てるともしれないほど長かった。
 「サド、すごいよっ、あっああ、あっ、すごいっすごいっ……」
 「……おぃ、お前たちっ」トリゴヤの声に集中していたせいで、そのシブヤの声はどこか遠くからの呼びかけにしか聞こえなかった。それでも自分たちが呼ばれたことはわかったので、ジャンボはむず痒い下半身を意識しつつ、シブヤの方を向いて立ち上がった。ライス、昭和、アニメも続いた。
 「はいっ」
 「そろそろ終わるだろうから、ココアを用意しておけ」
 「はいっ」
 サドは「休憩」のあと、決まってココアを飲む。
 ジャンボは食器棚(これはジャンボがこの学校に入学したときからあった)から、ココアの粉末が入った袋を取り出した。ライスがカップを、昭和が小さなスプーンでココアをすくい、アニメはテーブルの上を片付けた。
 ココアの準備が整ったころ、休憩室は静かになっていた。
 休憩室から先に出てきたのはトリゴヤだった。扉の向こうから、二人によって暖められた空気が流れ込んできた。上気した頬はチークのそれではなく紅い。瞳はまだとろんと艶やかで、ふっくらとした魅惑的な口唇は美しく輝いていた。髪は乱れ、情事のあとの色香を漂わせている。しわだらけのセーラー服の上に、いつもの赤いスカジャンを羽織ながら、トリゴヤはシブヤの方に顔を向けた。やや垂れたその目には、女だけが持つ優越感の光が宿っていた。
 部室が桃色の空気に包まれたようだった。
 シブヤは顔を逸らした。なにも言わなかった。
 続いて出てきたサドは、手に何かを持っていた。顔の高さまで持ち上げ、それをひらひらと動かした。黒い布のようだった。「トリゴヤ、忘れ物だ」
 トリゴヤはそれを見るなり、サドの元に駆け寄り、奪い取った。
 サドはトリゴヤを抱き寄せ、「着け忘れるくらい良かったか?」と小鳥みたいな軽いキスをした。
 「ばかっ」トリゴヤはサドを引き剥がすと、黒い布を持って休憩室に戻った。
 サドは自分専用の、白いファーのついた椅子に座り、用意されたココアのカップに口を付けた。
 それを待っていたかのように、シブヤが口を開いた。「ジャンボ、お前、サドさんになにか用事があるんじゃなかったのか?」
 「はいっ」ジャンボは気を付けの姿勢をとり、サドに正対した。「チームホルモンとチョウコクが亜利絵根の生徒にシメられました」
 「噂は聞いているが……本当だったのか?」
 「はい」ジャンボは校内に張り巡らせた情報網を駆使し、二日間かけて噂の検証をした。結果、それは事実であると判明した。「チームホルモンは二度やられています」
 「なぜ?」
 「最初にシメられたのはヲタとムクチだけでした。翌日、ヲタはチームの全員を連れて行きましたが、そこでも同じ目に合いました」
 「アリ女のだれがやったかはわかってるか?」
 「朝日、菊池、酒井という三人がホルモンと。横山、外岡という二人がチョウコクと――」
 「横山、外岡は聞いたことがあるが……他の三人は知らないな」
 「その三人は『アリ女十傑衆』と名乗ったようです」
 「なんだそれは?」
 「それに関しては調査中です」
 「わかったら教えろ」
 それからサドはココアのカップをテーブルに置き、おもむろに立ち上がった。
 そしてシブヤが座っている椅子の後ろに回り込み、背後から包み込むようにシブヤを抱いた。
 「サド……」
 サドは赤いエクステを付けたシブヤの髪をかき上げ、耳元に唇を寄せた。ふっと息を吹きかけられたシブヤは、「あっ」と顎を逸らし、まぶたを閉じた。
 「だれであろうと、ウチらの生徒に舐めた真似をしたからには思い知らせてやらねぇとな……。そうだろ、シブヤ?」サドは吐息だけではなく、舌をシブヤの耳たぶに這わせる。
 ――ああ。羨ましい……。
 ジャンボは嫉妬の炎を燻らせる。
 「もちろ……ん……あっ」
 「だれがやるべきだと思う?」
 「いじわる……」目を閉じたままのシブヤの頬が紅潮してきた。
 「山椒姉妹も使え」
 「自分一人で充分です……」
 「念には念を、だ」
 サドがそう言ったとき、シブヤが急に大きくのけぞった。「あ。あああああああぁぁぁっ」
 いつの間にか、サドの右手がシブヤの超ミニスカートの中に潜り込んでいた。
 「トリゴヤの声で、こんなになったのか?」
 「恥ずかしい……。こ、こんなところで……」
 「うまくいったら続きをしてやる」
 サドはそこでシブヤから離れた。
 シブヤは息を荒げ、サドを見つめた。瞳が濡れていた。
 「明日までに『アリ女十傑衆』とやらのうち、だれでもいい。シメてくるんだ」
 「わかりました。けど……どうやって十傑集を?」
 「さっきからこの話を盗み聞きしているあいつに聞け」サドが顎で部室の入り口を指し示した。
 部室の扉の向こうから、ピンクのパーカーを着たネズミが現れた。フードをかぶり、ポケットに手を突っ込み、くちゃくちゃとガムを噛んでいる。
 「さすがはサドさんすね。隠れてたつもりなんすけど……」
 「いつからいた?」
 「トリゴヤさん、いい声してるんすね」
 「――ふん。まあいい」サドは苦笑した。「アリ女の情報が欲しい」
 「アリ女のデータっすか? まあ、なくはないすけど……」
 「もう調べたのか? タイミング良すぎるな」
 「こう見えて、あっしも顔が広いんで、いろんな情報を握ってるんすよ」
 「シブヤに教えてやってくれ」
 「いいっすけど、これは貸しってことで……」
 「もちろんだ。礼はする」
 「あ、言っときますが」ネズミはシブヤとサドをそれぞれ見てから、「あっしはもっぱら男専門なんで、そっちのほうは遠慮しとくっす。というか、三次元には興味ないって感じで……。二次元は裏切らないっすから」と笑った。
 ジャンボはネズミの気持ちが理解できなかった。




【つづく】


 ・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
 ・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
 ・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。

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