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【注意事項】
 ・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
 ・いずれエロい場面も出てきます。エロ嫌いな人は読まないでね。
 ・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
 ・思いつきで、しかもほとんど推敲してないので、構成は歪んでいるかも、です。












 ■台場から来た少女 1―2■



 翌朝、ヲタは一時間目の授業をサボり、緊急会議のためチームホルモンを屋上に集めた。
 まだホルモンを食べるには早すぎたから、七輪に火はくべていない。
 「油断してたんだ」ヲタは開口一番、そう言い訳をした。「な。ムクチ」
 ムクチは黙って頷いた。
 「どうしてあたしら呼ばなかったんだよ?」アキチャが抗議した。「その場で電話でもメールでもできただろう?」
 この言葉に、ウナギとバンジーもそうだよ、と声を揃えた。
 ヲタは言葉に詰まった。リーダーとして、気絶していたとは言えなかった。「……それは……あれだ、相手がすぐ逃げちまったからな……」
 「ホントかよ」
 「ホントだよ。な。ムクチ」
 ムクチはまたも頷く。従順でいいやつだ、とヲタは心から思う。

 昨日の放課後、帰り道が同じ方向のヲタとムクチは、連れ立っていつもの通学路から帰路についていた。
 公園を通っていくと、駅への近道になる。二人はなんの警戒心もいだかず、その道を歩いた。
 のちに朝日と名乗る少女に声をかけられたのは、公園の一番奥まった場所でだった。
 「馬路須加の人?」青いセーラー服を着た、ボブヘアの少女。「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
 いきなりのタメグチに、ヲタは声を荒げた。「だれだ、おまえ」
 だが、少女はヲタの質問を無視し、「馬路須加を仕切ってるラッパッパのメンツ、知ってたら教えて」
 
 「それで、そいつはだれなんだ」
 「亜利絵根の朝日とか言ったな」
 「亜利絵根? なんで亜利絵根のやつらがこのへんにくるんだよ」
 「ラッパッパのメンバーを教えろとか言ってきた。それが目的だったみたいだ」
 「なんで亜利絵根がラッパッパのメンバーを……?」
 「知るかよ」
 「それで教えたのか?」
 「教えるわけねえだろ」
 「それで殴られたってわけか」
 「拳じゃねえ。脚だ」
 「どっちでも関係ねえ」
 「ヲタ」バンジーが口を挟んだ。「まさか、このまま黙ってるわけじゃねえよな」
 「当たりめえだ。昨日はとっさのことで油断してたからな。その気になればあんな蹴り、簡単にかわせる」
 「ま、そういうことにしておこうか」バンジーが嘲笑したように見えた。
 「ンだと……」ヲタはバンジーをにらみつけた。「リーダーを舐めてんのか」
 「リーダーだったら負けるんじゃねえよ」
 二人が立ち上がり、ガンを飛ばし合った。
 「まあまあ……」ウナギが割って入った。「うちら同士が争ったって意味ねえし」
 ウナギがヲタを、アキチャがバンジーを押さえた。そうされると余計に引っ込みがつかなくなる。ヲタはウナギの手を振り解こうとあがいた。バンジーも同様の心理だったらしく、アキチャを引き剥がそうとしている。
 ムクチは黙って、その様子を見ていた。
 「一応、外から見れば、ラッパッパだって仲間だからな……。なにも吐かなかった。仁義は通したぜ」
 ヲタがそう言うと、バンジーは鼻で笑った。「それは立派な心がけだな」
 「いちいち引っかかるな」
 と言いつつも、ヲタはバンジーの気持ちもわかるような気がした。自分のチームのリーダーがボコられっぱなしでいたら、その怒りをどうぶつけていいのかわからなくなるのも無理はない。
 ヲタはウナギに、もういい、と頷き、体をほどかせた。
 リーダーとして、メンバーの信頼を回復する方法は、たった一つしかない。
 「よし。今日は五人で行こう。あいつはあたしから情報を聞けなかったから、今日もあの公園にいるかもしれない」
 「お礼をたっぷりするってことか」バンジーが目を細め、にたりと笑った。バンジーは心底うれしいときに、このサディスティックな表情を見せる。「いてくれるといいけどな……」

【つづく】

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