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 そのスタジオはビルの最上階を占めていて、吹き抜けのあるとても広いロビー、会議室やキッチン、応接間、そしてもちろんプールなどが設置されている、まさにプロの仕事場でした。
 三郷のハウススタジオにも驚きましたが、ビルの中にこういうスタジオがあるとは思わなかったので、ぼくはすっかり舞い上がって、子どもみたいにすべての部屋のドアを開けて中を見て回りました。いま考えれば、そんなことをしている時間があったら、さっさと打ち合わせをして撮影に入ればよかったです。
 さて。監督4人は食堂の大きなテーブルに集まり、撮影順についての打ち合わせを始めました。順番は、事前にいくつかパターンを決めておいたのですが、結局どれで行くかはまだ決まっていませんでした。ぼくと鮎川さんの撮影は、着衣→プール(乃至はお風呂)という順序でしかできないため、水着を中心に撮る一介さんは必然的に後のほうに回り、なんだかんだでぼくと鮎川さんが一番最初に撮ることとなりました。ぼくは佐々木さやさん、鮎川さんが咲井千明さん。持ち時間は一人当たり45分間……。生まれてはじめてのビデオによる本格撮影、しかも自分好みのかわいいモデルさん、そして一番最初に撮るというプレッシャーに、ぼくは緊張を通り越し、わけのわからないテンションになっていました。いま大流行の言葉で言うところの「やるっきゃない」です(流行してねえよ)。
 まずはさやさんに、メイドさんの衣装を渡して着替えてもらいます。そのあいだにぼくも着替え、カメラの準備をしました。水分はたくさん摂っているのに、なぜか喉がからからです。
「絶対似合う」と確信し、さやさん用に持ってきたメイド衣装は、さやさんに想像以上にハマっていて、思わずにんまりとしてしまいました(キモいな)。さやさんを見た八神社長も「似合ってるね」と言っていましたから、衣装の選択はまちがっていなかったのでしょう。
 さやさんは姿見に写った自分のコスプレ姿を見て「アキバ系のアイドルって感じですね」と言っていましたが、名古屋が地元の女の子が「アキバ」という言葉を知っているのはちょっと驚きました。この言葉、もう全国区なんですね。

「ビデオの撮影は初めてなんで、もたつくこともあるかもしれないけど、よろしくお願いします」とぼくはさやさんに挨拶をし、いよいよビデオカメラを回し始めました。ファーストカットは居間風の室内からです。
 さやさんはぼく以上にビデオカメラに慣れていて、その堂々とした姿にはずいぶん助けられました。彼女の一番の魅力である(と、ぼくが思っている)大きな瞳をファインダー越しに見ていると、本当に吸い込まれそうになります。だから、半ば、見とれながらの撮影のあいだのことはあまりよく覚えていません。
 そしていよいよプールへ移動します。さあ、ドキドキがぶり返してきました。
 まずはゆっくりとプールに入ってもらうシーンから。スカートを少し水につけて、また上がります。裾から流れる水がなんともいい感じです。いつもの静止画ではこうはいきません。動画ならではの場面なので、このあたりはきちんと押さえておきます。
 何度か焦らした挙句、さやさんにはようやく水の中に入ってもらいます。思っていた以上にスカートがひらひらするので、プールから上がった後、さやさんに「(スカートの中が)見えたらまずいですよね」と聞くと「それはダメです」とのこと。聞きようによっては、ぼくがそういうシーンを撮りたいと思っているかのようです。ここで弁明するのもなんだけど、絶対にそういう意味じゃなかったんです。けれども緊張していて言葉足らずなこともあって、さやさんに誤解されてしまったかも……。さやさん、ごめんなさい。
 と、そんなダメ人間ぶりを発揮しつつも、さやさんにリードされるようなかたちで撮影は進んでいきました。今回は特に「水際」の絵を重視したのですが、どういうふうに撮れたかはお楽しみに……ということにしておきましょう。
 実はさやさんのプール撮影のとき、プールの向こう半分では鮎川さんが咲井千明さんを撮っていました。どういうアングルで撮るかの打ち合わせはしていないのに、なんとなくおたがいに察して、抜群のカメラワークで動いていました。長年、お付き合いさせてもらっているからでしょうか。ナイス・おれたち。という感じです。
 撮影のときの時間は、恐ろしいほどあっという間に過ぎていきます。相対性理論における「時間の流れは一定ではない」という理屈を体で実感できました(アインシュタインが言ったのはそういう意味じゃねぇよ)。
 名残惜しいですが、さやさんとの撮影はこれでおしまい。もし機会があれば、ぜひともまたお仕事をしたいです。

佐々木さやさんのオフィシャルサイトは→こちら

 明日は咲井千明さん撮影編です。



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