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本が読めない……。

 14, 2006 08:10
 ここのところ、読破した本の数が減り続けている。以前は一ヶ月で三冊は読んでいたのに、いまは一ヶ月に一冊読めばいいほう。現在読んでいる『電撃戦という幻』なんと上巻に一ヶ月以上もかかっている。
 ミステリ小説を読まなくなってから、そういう傾向が加速した。
 読書の方向性が、あるとき変わってきた。フィクションよりノンフィクションのほうに興味が出てきたのだ。
 それは、ミステリ小説というものに嫌気がさしてきたからかもしれない。

 『このミステリーがすごい』というムック本を、創刊当時はよく買っていた。出版社が選ぶ、その年のベストテンというのはどうしてもバイアスがかかってしまうので、信用ならなかった。この本も、そうした読書家の思いがかたちになったものだったはずである。
 しかし、こういうものも長く続けていれば、今度はこれが権威となる。いまや年末の書店には、平積みされたミステリに「このミス第一位!」という帯が躍る。
 そして、『このミス』で上位に選出される作品が、次第にミステリ的な要素よりも「泣ける」とか「いい話」であることが重要視されていくようになってきて、ぼくはだんだんと違和感を感じるようになった。
 決定的だったのは、『このミス』ではないが、ぼくの嫌いな作品が「本格ミステリ大賞」を取ったことだ。ミステリ色など弱いのに、話題性だけで選ばれたとしか思えないこの受賞作が、ぼくはとても嫌いだった。いかにも若い作家が書いた、人の死に真摯に向き合ったことのない、薄っぺらな作者の人間観が感じられる物語。こういうものが評価されるような風潮は、ぼくにはとても嫌だった。
 あれから、ミステリの新刊は、多分、ほとんど読んでいない。
 昔は本屋に行くと、必ず新刊チェックをしていた。いまでは小説のコーナーはほとんど見ない。知らない作家がたくさんいる。マンガや、ノンフィクションの平積み台に目が行く。

 一時は、友だちと組んでミステリ小説をコミケで売っていたほど、ミステリは好きだ。いまでも、それは変わらない。
 でも、新しい作品を、あまり読む気になれない。
 そこには「感動」や「いい話」がたくさんあるから、だろう。それはミステリの本質とは関係ない要素だ。そういうものが読みたいのなら、別のジャンルをあたってほしい。

 ああ、眠い……。

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