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 試写行ってきました。新宿厚生年金会館。

 予告編を見たときから「あれ?」と既視感に襲われたんだけど、今日見て「やっぱこれ、『デジモン』じゃん!!!」と確信。『デジモン』は以前、マイミクの尾久セントラルくんに借りて見ていた。40分と短い作品だが、それだけに展開がスピーディーでかなり面白い。
 『サマーウォーズ』はこの『デジモン』に「家族」という要素をプラスしたリメイク作品だ。『ヱヴァンゲリオン新劇場版』みたいなものとも言える。
 なのに細田監督はインタビューでこんなこと言っちゃってるけど大丈夫かなぁ、と人事ながら心配。

 http://www.cyzo.com/2009/07/post_2341.html

 あ、別にリメイクだからいけないとか言ってるわけじゃないので誤解なきよう。『サマーウォーズ』は『サマーウォーズ』で、それなりにいい作品だと思ってますよ。
 細田監督の作品って、従来のアニメになかった画作りが特徴的で、とても実写っぽい。カメラが置かれている場所が見えるというとわかってもらえるだろうか。セットの中の役者の芝居を撮っている、という感じなのだ。アニメってけっこう、こういうことを考えないで作られていると思う。ヘタクソなのはアップか引きか、しかない。キャラクターが二人で会話している場面の画を見ればわかりやすい。ヘタな監督は画面の右と左に人を配置して、すごく平面的な構図にしてしまう。そしてキャラはただ突っ立ってしゃべっているだけ。細田作品にはこういうのはない。
 ただし実写的な構図の中でおこなわれる芝居はアニメ的であったりもする。宮崎作品でもよく見られるが、たとえばキャラクターが右から左に走るシーンがあったとして、その「走り」の前にちょっと足踏みをするとか。また、涙を流すシーンではデフォルメされた粒がぼたぼたと、決してかっこよくなく描かれたりもする。他にも顔が赤くなるところもリアルではないんだけど、この画面の中ではリアリティを感じるのが不思議なのだ。多分、この人は実写志向なんじゃないかとさえ思う。そういう意味では庵野秀明と共通している。

 というわけで『サマーウォーズ』。
 キャラクターはとにかくよく動く。セリフによる説明がなくてもキャォラクターの見分けがついていくあたりはさすがだ。なんでもかんでもセリフで説明しないとわからない、と思っている作り手は多いよね。
 けれども肝心の、人間の深みまで描けているかどうかというと、ちょっと疑問は残る。おばあちゃんは主人公の男を「ニセモノ」だと見抜けなかったのに「聡明」だという感じになっているし、なにより主役の二人の性格が単純すぎる。小林靖子みたいに単純そうなキャラクターでもなにかひとつ、「おっ」と言わせる性格付けがあればよかったのに……。
 おばあちゃんの遺書(?)も、「泣かせ」の道具としてしか機能していないのでは? 実の家族より、10年も実家に戻っていない妾の子に呈する言葉のほうが多いってのが、なによりの証拠。ここにも「愛され不良」の定義が当てはまってしまっている。真面目に生きている人よりも、人に迷惑をかけるバカのほうが、より愛されるって……ナンシー関が言っていたが、日本人ってのはけっきょく不良が好きなんだなぁ。おれは嫌いだけど。
 あとOZの世界の全般的なデザインが村上隆チックなのも、おれ的には……。細田と村上の関係性を知らない人が見たら、「パクった!!!」と言われかねないような気がする。
 けれども、この映画は決してダメなんではなくて、ある程度ネットに関する知識のある人ならだれが見ても楽しめるように作られている(もっとも、製作した日本テレビはこれから局を挙げてPRしまくるはずだが、そのときはネットの複雑な話など一切ないかのごとく、家族愛みたいなものを前面に押し出すにちがいない)。

 と、こんな感じでよろしいでしょうか? ……って、だれに聞いてんだよ。

 それから、これは映画とは関係ないことだけど、どういうわけだかわからんが、上映開始の予定時刻過ぎても客をさばききれないため、なかなか映画が始まらなかった。スタッフが劇場内をうろつき回って「ここの席空いてます!!!」とか、いちいちウゼェ。1430上映開始なんだから、それ以降に来た客は立ち見でもいいじゃん。もしくは空いてる席を自分で見つけさせるべき。15分も押してたよ。なんでギリギリに来た人間にまでそんなに便宜を図るのか……。
 あ、おれが優しくないってことがバレたな、これで。イヒヒヒヒ。

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