■赤羽駅で刑事に声かけられた。本物の警察手帳って初めて見たよ。
■『マジすか学園vsありえね女子高 AKB48×アイドリング!!!』は、コミケに出られたら同人誌にしようかと企画中。ほら、おれって締め切りないと、いつまでもグタグダ書くじゃん(知らねぇよ)。
■AKB48のオールナイトニッポンモバイルで、才加、小森、指原、そして内田の分を購入。小森、指原は1000以上ダウンロードあったみたいだが、才加と内田は苦戦している模様。まあ、内田はわかるけど(推してるならそういうこと言うな)、才加が1000いかないのは意外だ。
でも、内田はけっこう面白かった。読書好きっていうのは初めて知ったし。どんな作家やジャンルが好きなのか聞いてみたい。『マクロスF』の戦闘シーンがいい、と言っていた感性もすばらしい。女子って普通はそこにひっかからないよな。慣れてないところも初々しくて新鮮だった。
でも一番面白かったのは小森かな。彼女の独特の雰囲気は類を見ない。お菓子を食べて感想を言うコーナーがやりたいって、すごすぎるよ、小森!!!
■明日は『AKB48ネ申テレビスペシャル~チーム対抗!春のボウリング大会~』だ。楽しみ。
■アイドリング!!!26号の尾島、やっぱり面白い奴だった。
![1468687067_48[1]](https://blog-imgs-32-origin.2nt.com/n/u/r/nuremusume/20100422233619edds.jpeg)
■『マジすか学園vsありえね女子高 AKB48×アイドリング!!!』は、コミケに出られたら同人誌にしようかと企画中。ほら、おれって締め切りないと、いつまでもグタグダ書くじゃん(知らねぇよ)。
■AKB48のオールナイトニッポンモバイルで、才加、小森、指原、そして内田の分を購入。小森、指原は1000以上ダウンロードあったみたいだが、才加と内田は苦戦している模様。まあ、内田はわかるけど(推してるならそういうこと言うな)、才加が1000いかないのは意外だ。
でも、内田はけっこう面白かった。読書好きっていうのは初めて知ったし。どんな作家やジャンルが好きなのか聞いてみたい。『マクロスF』の戦闘シーンがいい、と言っていた感性もすばらしい。女子って普通はそこにひっかからないよな。慣れてないところも初々しくて新鮮だった。
でも一番面白かったのは小森かな。彼女の独特の雰囲気は類を見ない。お菓子を食べて感想を言うコーナーがやりたいって、すごすぎるよ、小森!!!
■明日は『AKB48ネ申テレビスペシャル~チーム対抗!春のボウリング大会~』だ。楽しみ。
■アイドリング!!!26号の尾島、やっぱり面白い奴だった。
![1468687067_48[1]](https://blog-imgs-32-origin.2nt.com/n/u/r/nuremusume/20100422233619edds.jpeg)
■追撃-1の2■
その不意打ちを、学ランは避けられなかった。自分では欠点だと思っている丸い鼻にスクールバッグの留め金らしきものが当たり、鋭い痛みが走った。
「なにしやがる」
「にこにこしてたからって……ナメてんだろ」
三宅ひとみの表情は一変していた。さっきまでの微笑みはなく、瞳には冷たい光が宿っている。
「ナメてるって……?」
鼻柱に温かい感覚があった。指で触ると、ぬるりとした。
「あたしは人にナメられるのが一番ムカつくんだよっ」
三宅ひとみは再びスクールバッグを振り回す。
学ランは先ほど放り投げたカバンに飛びつき、それで少女の攻撃を防ごうと顔の前に突き出した。
丁寧に扱ったことはなかったが(なにしろ中には教科書もノートもなにも入っていない)、カバンは学ランがこれまで聞いたことのない、ザザザザザッという音を立てた。
カバンの前面が八センチ幅で、一直線に削られていた。
三宅ひとみのスクールバッグの底には、ラインストーンのデコレーションが施されていた。普段は両脇の革が折り返されているためわからないが、中に重りが入れてあるのだろう、バッグを振り回すと遠心力で中央部が突出する仕組みらしかった。
先端が鋭利に磨がれているらしく、ラインストーンのひとつひとつが禍禍しい輝きを放っている。あれで皮膚を削がれでもすれば、ナイフよりもひどい傷になるのはまちがいない。
「ヤンキー二人にカツアゲされそうになってた女の子を助けて、自己満足に浸ってたんだろうッ」
たしかにそんな気がなかったわけじゃない。けれども、そこまでキレられるようなことでもないだろう。自分が救ったことはまちがいがないのだから。
ナメている、というのなら、いまは倒れている矢場久根の二人のほうがよほど三宅ひとみをナメていたはずだ。
「そんなことねえよ。とにかく落ち着け……」
学ランの言葉は届かなかった。再びスクールバッグのラインストーンが襲いかかってきた。
じりじりと後退を余儀なくされ、学ランは焦った。明らかにこちらに敵意を向けているものの、二分前までカツアゲの被害者だった少女と闘うのは気が引けた。
とはいえ、太ももとお尻にベンチの肘掛が当たっている今、逃げているだけではこちらがやられてしまう。
学ランは反撃に転じた。
ベンチの肘掛を後ろ手でつかんで体を固定し、右脚を突き出すようにキックを放つ。
だが、学ランの右脚は交わされた。三宅ひとみに左腕で脛の辺りを掴まえられてしまったのだ。
その力は少女のものとは思えないほど強く、まるで万力に挟まれたようで、引き抜こうとしてもびくともしない。
「捕まえた」
三宅ひとみが微笑んだ。お礼の言葉を発したときの、屈託のない笑顔だった。
三宅ひとみはスクールバッグを振り上げて底を見せた。生涯残ってしまうかもしれない傷を与えようとする、そのラインストーンはキラキラと輝き、とても美しかった。
学ランは肘掛をしっかりと掴み、左脚で反撃を試みた。しかし安定を欠いた体では、効果のある蹴りなど打てるわけがない。脚に力は入らず、三宅ひとみのブレザーを汚す程度にしか機能しなかった。
「ちょっと……制服に靴跡つけないでよ」
「放せっ」
「ふふ。かっこいい顔が傷だらけになっちゃうね」
三宅ひとみがバッグを、顔面めがけて振り下ろしてきた。
片手を顔の前に持ってくるのが、時間的に精一杯だった。
次の瞬間、脚を持つ三宅ひとみの力が抜けたのがわかった。学ランはすかさず脚を引き抜くと、その直後に三宅ひとみに向かって蹴りを入れた。重い手応えがあり、三宅ひとみの体が視界から消えた。
学ランは地面に落ち、腰から臀部を強打した。
なにが起きたのかはわからなかったが、とりあえず助かった。
倒れた三宅ひとみは右手首を押さえていた。そこにはなにか、カードらしきものが刺さっていた。
それは百人一首の札だった。
そのとき、背後から女の声がした。
「――忘れじの、行く末まではかたければ、けふを限りの命ともがな……」
振り返るとそこには、マジ女のセーラー服を着た女がいた。胸から腹の位置まであるチェーンのアクセサリー。スリットの入ったロングスカートは捲られ、腿には黒いレースのガーターが付けられていた。そこにはあと3枚ほどの百人一首の札が留められていた。
「チョウコク……」
学ランはチョウコクを知っていた。学内で百人斬りをしているという一匹狼――。
チョウコクは学ランに近づいてくると、手を差し出した。「大丈夫か?」
「ああ……。なんてことねえよ」
チョウコクの手を握り、学ランは立ち上がった。
暖かい手――。
学ランの中で、なにかが動いた。
「間に合ってよかった」
「恩に着るぜ」
三宅ひとみが立ち上がった。チョウコクの投げた札はよほど深く刺さったのか、手首が血まみれになっている。
「ステンレス製だ」チョウコクが解説した。「縁は毎日磨いでいる」
「おまえ、チョウコクって奴か?」三宅ひとみが言った。
「なぜわたしの名を……あんたも亜利江根四巨頭とやらかい?」
「アリエネヨンキョトウ? なんだそりゃ」学ランは訊ねた。
「説明はあとだ。どうやらあいつは、まだやる気らしい」
チョウコクがそう言い終ったとき、三宅ひとみが投げ返してきた札が、学ランの右の二の腕に刺さった。
「うっ……」激痛が走った。
「くそっ、顔に当たらなかったかっ」三宅ひとみはスクールバッグを持って、学ランに迫ってきた。
チョウコクがスカートのスリットを捲り、信じられないくらいのスピードで三枚の札を取り出すと、それらは水平に、まるで見えないテーブルの上を滑るように三宅ひとみに向かっていった。
三枚の百人一首の札は、顔をガードした三宅ひとみのカバンに突き刺さった。
チョウコクはダッシュして、三宅ひとみの間合いに入った。
スクールバッグのラインストーンがチョウコクの顔面を狙ってきた。
チョウコクは左腕で顔を庇い、それを受けた。
学ランがアッと思ったときには、カバンのラインストーンはチョウコクの腕に食い込んでいた。袖を捲っているチョウコクの柔肌を、尖ったラインストーンがえぐった……かのように思えた。
が、チョウコクの左腕には、今まで首から下げていたチェーンが巻かれ、すべてとは言わないまでも大部分のラインストーンを防御していた。チョウコクはチェーンアクセサリーを引きちぎり、即席の鎖帷子にしていたのだった。
必殺の攻撃を防御された驚きからか、三宅ひとみは一歩下がった。「ふんっ、やっぱり噂通り……。チョウコクさんだっけ? あんた、なかなかやるね」
チョウコクは、右手右足を前に出す合気道の基本的な構えの姿勢で微動だにしなかった。いつまた不意打ちを食らうかわからないという警戒心がそうさせるのだろう。
「あんたとは戦っちゃいけないって言われてるから、今日はここまでにしておくよ」三宅ひとみはブレザーの埃を払った。「いい? 私は負けたわけじゃないからね」
「だれに言われているんだ?」チョウコクが訊ねた。
「いま、マジ女を潰そうとしてる、うちらの先輩にね」
「名前は?」
「フォンチー」
「――フェンチー? 外国人なのか?」
「そう。ベトナム人」
「なら、そのフォンチーに伝えてくれ。わたしとちゃんとタイマンを張れる奴を連れてこい、と。二対一の戦いはつまらない」
「伝えておくよ。ただ、その通りにならなくても私のせいじゃないから……」
三宅ひとみはそう言い残し、去った。
チョウコクは構えを解き、リラックスした表情になった。
学ランは恥ずかしかった。「女を守る」どころではなく、逆に救ってもらったのだから。
「チョウコク……」
「なんだ?」
「――腕、大丈夫か?」
「かすり傷だ」チョウコクはそう言ったが、チェーンの巻かれた左腕にはわずかながら血が滲んでいた。
「ならいいけど……」
「お前は大丈夫か? 鼻が少し切れてるぞ」
「唾でもつけときゃ直るさ」そして学ランは言った。「それから……その……。ありがとう……」
「同じ学校なんだから当然だ」チョウコクは少し冷たそうで寂しそうな目を向けた。「最近は矢場久根だけじゃなく、今みたいに亜利絵根の連中もうろついている。気をつけたほうがいい」
「あ、ああ……。わかった……」
チョウコクに見つめられて、学ランは思わず目を逸らした。
心臓の鼓動の高鳴りが尋常ではなかった。
――熱しやすく冷めやすい、か……。
心の中にいた前田敦子は、すでに姿を消していた。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
その不意打ちを、学ランは避けられなかった。自分では欠点だと思っている丸い鼻にスクールバッグの留め金らしきものが当たり、鋭い痛みが走った。
「なにしやがる」
「にこにこしてたからって……ナメてんだろ」
三宅ひとみの表情は一変していた。さっきまでの微笑みはなく、瞳には冷たい光が宿っている。
「ナメてるって……?」
鼻柱に温かい感覚があった。指で触ると、ぬるりとした。
「あたしは人にナメられるのが一番ムカつくんだよっ」
三宅ひとみは再びスクールバッグを振り回す。
学ランは先ほど放り投げたカバンに飛びつき、それで少女の攻撃を防ごうと顔の前に突き出した。
丁寧に扱ったことはなかったが(なにしろ中には教科書もノートもなにも入っていない)、カバンは学ランがこれまで聞いたことのない、ザザザザザッという音を立てた。
カバンの前面が八センチ幅で、一直線に削られていた。
三宅ひとみのスクールバッグの底には、ラインストーンのデコレーションが施されていた。普段は両脇の革が折り返されているためわからないが、中に重りが入れてあるのだろう、バッグを振り回すと遠心力で中央部が突出する仕組みらしかった。
先端が鋭利に磨がれているらしく、ラインストーンのひとつひとつが禍禍しい輝きを放っている。あれで皮膚を削がれでもすれば、ナイフよりもひどい傷になるのはまちがいない。
「ヤンキー二人にカツアゲされそうになってた女の子を助けて、自己満足に浸ってたんだろうッ」
たしかにそんな気がなかったわけじゃない。けれども、そこまでキレられるようなことでもないだろう。自分が救ったことはまちがいがないのだから。
ナメている、というのなら、いまは倒れている矢場久根の二人のほうがよほど三宅ひとみをナメていたはずだ。
「そんなことねえよ。とにかく落ち着け……」
学ランの言葉は届かなかった。再びスクールバッグのラインストーンが襲いかかってきた。
じりじりと後退を余儀なくされ、学ランは焦った。明らかにこちらに敵意を向けているものの、二分前までカツアゲの被害者だった少女と闘うのは気が引けた。
とはいえ、太ももとお尻にベンチの肘掛が当たっている今、逃げているだけではこちらがやられてしまう。
学ランは反撃に転じた。
ベンチの肘掛を後ろ手でつかんで体を固定し、右脚を突き出すようにキックを放つ。
だが、学ランの右脚は交わされた。三宅ひとみに左腕で脛の辺りを掴まえられてしまったのだ。
その力は少女のものとは思えないほど強く、まるで万力に挟まれたようで、引き抜こうとしてもびくともしない。
「捕まえた」
三宅ひとみが微笑んだ。お礼の言葉を発したときの、屈託のない笑顔だった。
三宅ひとみはスクールバッグを振り上げて底を見せた。生涯残ってしまうかもしれない傷を与えようとする、そのラインストーンはキラキラと輝き、とても美しかった。
学ランは肘掛をしっかりと掴み、左脚で反撃を試みた。しかし安定を欠いた体では、効果のある蹴りなど打てるわけがない。脚に力は入らず、三宅ひとみのブレザーを汚す程度にしか機能しなかった。
「ちょっと……制服に靴跡つけないでよ」
「放せっ」
「ふふ。かっこいい顔が傷だらけになっちゃうね」
三宅ひとみがバッグを、顔面めがけて振り下ろしてきた。
片手を顔の前に持ってくるのが、時間的に精一杯だった。
次の瞬間、脚を持つ三宅ひとみの力が抜けたのがわかった。学ランはすかさず脚を引き抜くと、その直後に三宅ひとみに向かって蹴りを入れた。重い手応えがあり、三宅ひとみの体が視界から消えた。
学ランは地面に落ち、腰から臀部を強打した。
なにが起きたのかはわからなかったが、とりあえず助かった。
倒れた三宅ひとみは右手首を押さえていた。そこにはなにか、カードらしきものが刺さっていた。
それは百人一首の札だった。
そのとき、背後から女の声がした。
「――忘れじの、行く末まではかたければ、けふを限りの命ともがな……」
振り返るとそこには、マジ女のセーラー服を着た女がいた。胸から腹の位置まであるチェーンのアクセサリー。スリットの入ったロングスカートは捲られ、腿には黒いレースのガーターが付けられていた。そこにはあと3枚ほどの百人一首の札が留められていた。
「チョウコク……」
学ランはチョウコクを知っていた。学内で百人斬りをしているという一匹狼――。
チョウコクは学ランに近づいてくると、手を差し出した。「大丈夫か?」
「ああ……。なんてことねえよ」
チョウコクの手を握り、学ランは立ち上がった。
暖かい手――。
学ランの中で、なにかが動いた。
「間に合ってよかった」
「恩に着るぜ」
三宅ひとみが立ち上がった。チョウコクの投げた札はよほど深く刺さったのか、手首が血まみれになっている。
「ステンレス製だ」チョウコクが解説した。「縁は毎日磨いでいる」
「おまえ、チョウコクって奴か?」三宅ひとみが言った。
「なぜわたしの名を……あんたも亜利江根四巨頭とやらかい?」
「アリエネヨンキョトウ? なんだそりゃ」学ランは訊ねた。
「説明はあとだ。どうやらあいつは、まだやる気らしい」
チョウコクがそう言い終ったとき、三宅ひとみが投げ返してきた札が、学ランの右の二の腕に刺さった。
「うっ……」激痛が走った。
「くそっ、顔に当たらなかったかっ」三宅ひとみはスクールバッグを持って、学ランに迫ってきた。
チョウコクがスカートのスリットを捲り、信じられないくらいのスピードで三枚の札を取り出すと、それらは水平に、まるで見えないテーブルの上を滑るように三宅ひとみに向かっていった。
三枚の百人一首の札は、顔をガードした三宅ひとみのカバンに突き刺さった。
チョウコクはダッシュして、三宅ひとみの間合いに入った。
スクールバッグのラインストーンがチョウコクの顔面を狙ってきた。
チョウコクは左腕で顔を庇い、それを受けた。
学ランがアッと思ったときには、カバンのラインストーンはチョウコクの腕に食い込んでいた。袖を捲っているチョウコクの柔肌を、尖ったラインストーンがえぐった……かのように思えた。
が、チョウコクの左腕には、今まで首から下げていたチェーンが巻かれ、すべてとは言わないまでも大部分のラインストーンを防御していた。チョウコクはチェーンアクセサリーを引きちぎり、即席の鎖帷子にしていたのだった。
必殺の攻撃を防御された驚きからか、三宅ひとみは一歩下がった。「ふんっ、やっぱり噂通り……。チョウコクさんだっけ? あんた、なかなかやるね」
チョウコクは、右手右足を前に出す合気道の基本的な構えの姿勢で微動だにしなかった。いつまた不意打ちを食らうかわからないという警戒心がそうさせるのだろう。
「あんたとは戦っちゃいけないって言われてるから、今日はここまでにしておくよ」三宅ひとみはブレザーの埃を払った。「いい? 私は負けたわけじゃないからね」
「だれに言われているんだ?」チョウコクが訊ねた。
「いま、マジ女を潰そうとしてる、うちらの先輩にね」
「名前は?」
「フォンチー」
「――フェンチー? 外国人なのか?」
「そう。ベトナム人」
「なら、そのフォンチーに伝えてくれ。わたしとちゃんとタイマンを張れる奴を連れてこい、と。二対一の戦いはつまらない」
「伝えておくよ。ただ、その通りにならなくても私のせいじゃないから……」
三宅ひとみはそう言い残し、去った。
チョウコクは構えを解き、リラックスした表情になった。
学ランは恥ずかしかった。「女を守る」どころではなく、逆に救ってもらったのだから。
「チョウコク……」
「なんだ?」
「――腕、大丈夫か?」
「かすり傷だ」チョウコクはそう言ったが、チェーンの巻かれた左腕にはわずかながら血が滲んでいた。
「ならいいけど……」
「お前は大丈夫か? 鼻が少し切れてるぞ」
「唾でもつけときゃ直るさ」そして学ランは言った。「それから……その……。ありがとう……」
「同じ学校なんだから当然だ」チョウコクは少し冷たそうで寂しそうな目を向けた。「最近は矢場久根だけじゃなく、今みたいに亜利絵根の連中もうろついている。気をつけたほうがいい」
「あ、ああ……。わかった……」
チョウコクに見つめられて、学ランは思わず目を逸らした。
心臓の鼓動の高鳴りが尋常ではなかった。
――熱しやすく冷めやすい、か……。
心の中にいた前田敦子は、すでに姿を消していた。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
■追撃-1の1■
フリスクを口の中に三粒放り込んでから、学ランは校門を出た。
天気のいい爽やかな一日だった。こんな日は、「一人パトロール」にも一段と気合が入る。
馬路須加学園はヤンキー女の巣窟であるがゆえに、他校とのいざこざが絶えない。特に矢場久根女子高校の連中は頻繁に馬路須加学園の生徒に「ちょっかい」を出す。理由なきケンカやカツアゲは今でも日常茶飯事だ。しかも連中は男の「兵隊」とつるんでいるのだから、女の風上にも置けない奴らだ。
しかも、最近では矢場久根だけではなく、亜利絵根女子高等学校の連中も跋扈しているという。
――放っておけない。
学ランの心には、その一心しかなかった。
二年に進級してから学ランは、一人で学校周辺の危険な場所を放課後に巡回し、揉め事を解決してきた。理由はただひとつ。「女」を守るのが「男」の義務だからだ。
ケンカなら自信がある。転校生の前田敦子にはちょっとした油断から負けたが、あれ以来矢場久根の連中を相手に経験を積んだ。再戦の機会があれば互角に闘えるはずだ。
――ま、そんな気はないけどな……。
学ランは前田のことを考え、ひとり、顔を赤らめた。
熱しやすく冷めやすい性格だということは自分でもわかっている。鬼塚だるまに惚れた直後に、拳を交わした前田に鞍替えしてしまったことを、学ランは自ら諌めた。気の多い「男」だ、と。
けれども惚れてしまったものは仕方ない。
――そもそも「男」ってのは、そんなものだろう。
前田を抱きたい、とさえ思う。惚れたのだから当然のことだ。前田を守るためなら、四天王全員を相手にしてもいい。たとえ力尽きたとしても、惚れた女に殉ずるのが「男」なのだから後悔はしない。
しかし前田の視界の範囲で闘うのは嫌だった。だるまのように前田に張り付き守る、というのは「男」としては美しくない。女の知らないところで密かに想う……それこそ、「男」の恋だろう。
自分より強い女に惚れる、というのは学ランの考える「男」とは矛盾しているような気もする。
だが、よくよく考えればそうではない。自分が守るべき女は、いわば牙を持たぬ者。学ランがいなければ傷ついてしまうだろう。その者に対する感情は、あくまでも憐憫でしかない。強者の目線で見下しているわけではないが、ケンカの世界では強さ以外に意味はない。弱者は衰退するのみだ。つまり、牙を持たぬ者が強者に駆逐されるのは、厳然とした事実である。それに対して、力を持つ自分が接するとなれば、どうしてもそういう感情にならざるをえない。もちろん学ランはそのことを声高に主張などしない。その気持ちは人に誇れるものではないし、助けた相手もそれを知ればいい気はしないだろう。けれども、世の中はそうなっているのだ。
一方、自分が惚れる女は牙を持っている。学ランがいなくても自分で生きていけるだろう。その人間としての強さに、学ランは惚れてしまう。遡れば、入学当初は先輩の大島優子やサドにも憧れた。
――けれども今は、前田敦子命……だ。
心の中で宣言すると、また前田敦子に焦れる気持ちが強くなった。
学ランが異変に気づいたのは、大通りから分岐した親水公園脇の歩道まで来たときだった。
ベンチが置かれた小さな広場に、矢場久根の制服を着た女が二人、こちらに背を向けて立っていた。スカートが地面を擦るくらい長い。まちがいなくヤンキーだ。二人の間にだれかがいる。また、カツアゲをしているのだろうか。
「さっさと有り金出せって言ってんの」
そんな声が聞こえてきた。
ふと、足元に落ちている手帳に気づいた。何の気なしに開いてみると、それは亜利絵根女子高等学校の生徒手帳で、持ち主は三宅ひとみという名前だった。貼られた写真を見ると、そこには目鼻立ちのはっきりとした美少女がいた。
亜利絵根といえば近頃はいい噂を聞かない。マジ女の生徒ともトラブルがあったらしい。
けれども、今ここにいるのは、カツアゲにあっているらしき少女だ。
――助けないと……。
学ランはカバンを脇に放り投げ、近づいて行った。
「矢場久根のお譲ちゃんたち?」
二人が振り返った。垂れ目の女と、やけに鼻の大きい女だ。
脅されていたらしいのは、生徒手帳の持ち主――三宅ひとみだった。ブレザーを着ている。亜利江根の制服だろう。怯えたような目に、学ランは同情を感じた。
しかし、その目は単に怯えているだけではなかった。別の輝きがあった。
学ランはその正体を考えようとしたが、次の瞬間、垂れ目の声に気を取られた。「はあぁ? なんだ、てめえ」
「カツアゲなら他に行ってやりな。ここはマジ女のシマだぜ」
「学ラン着てるくせにマジ女だって? マジ女はいつから共学になったんだ?」
「チハル」もう一人の、大きい鼻の女が言う。「先にこいつからシメちまおうぜ」
「そうだな、サナエ」チハルが頷いた。
「シメられるのはてめえらのほうだ」学ランは言うが早いか、チハルに向かって廻し蹴りを放った。
チハルは後ろに後退して避けようとした。が、途中でその動きは止められた。三宅ひとみが背後から体を押さえたのだ。
学ランの蹴りは左側面からチハルの顔面を襲った。叫び声を上げる間もなく、チハルは倒れていく途中で気絶したようだった。
「チハル……ッ」サナエが焦ったような声を上げた。
学ランは仲間を心配するサナエに一片の同情も感じず、間合いを詰めると腹筋へ拳を撃ち込む体制に入った。
恐怖の表情を浮かべ逃げようとするサナエの両腕を、さっきと同じように三宅ひとみが掴んでいた。
「離せ、こいつ……ッ」
標的は定まった。学ランは肘の角度を九十度に固定し、肩を廻して右腕を繰り出した。下方から円運動でサナエの腹に拳が命中したとき、ずしっとした手応えがあった。サナエはチハルに重なるようにして、ゆっくりと倒れた。
――一丁上がりだ。
学ランは満足した。とはいっても、あっけなさすぎてイマイチ燃えなかったが。
「ありがとう。助かったよ」学ランは三宅ひとみに言った。「大丈夫だったか?」
「はい。おかげさまで……」三宅ひとみは礼儀正しく頭を下げた。「こちらこそありがとうございます」
どこかのお嬢様らしい、愛らしい微笑みが浮かんでいた。
――助けることができてよかった。
学ランは満足した。こういう笑顔を見られることが、パトロールの喜びだった。
「なにもされなかったか?」
「はい」
「それならよかった。このあたりはこんなチンピラみたいなのが多いから、別の道を通ったほうがいいぜ」
「はい。気を付けます……」
「それじゃあな」
背中越しに右手を上げ、カバンを取りに戻ろうとした学ランを、三宅ひとみが呼び止めた。「あの……」
学ランが振り返った瞬間、COUNTRY FIELDのスクールバッグが水平に向かってきた。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
フリスクを口の中に三粒放り込んでから、学ランは校門を出た。
天気のいい爽やかな一日だった。こんな日は、「一人パトロール」にも一段と気合が入る。
馬路須加学園はヤンキー女の巣窟であるがゆえに、他校とのいざこざが絶えない。特に矢場久根女子高校の連中は頻繁に馬路須加学園の生徒に「ちょっかい」を出す。理由なきケンカやカツアゲは今でも日常茶飯事だ。しかも連中は男の「兵隊」とつるんでいるのだから、女の風上にも置けない奴らだ。
しかも、最近では矢場久根だけではなく、亜利絵根女子高等学校の連中も跋扈しているという。
――放っておけない。
学ランの心には、その一心しかなかった。
二年に進級してから学ランは、一人で学校周辺の危険な場所を放課後に巡回し、揉め事を解決してきた。理由はただひとつ。「女」を守るのが「男」の義務だからだ。
ケンカなら自信がある。転校生の前田敦子にはちょっとした油断から負けたが、あれ以来矢場久根の連中を相手に経験を積んだ。再戦の機会があれば互角に闘えるはずだ。
――ま、そんな気はないけどな……。
学ランは前田のことを考え、ひとり、顔を赤らめた。
熱しやすく冷めやすい性格だということは自分でもわかっている。鬼塚だるまに惚れた直後に、拳を交わした前田に鞍替えしてしまったことを、学ランは自ら諌めた。気の多い「男」だ、と。
けれども惚れてしまったものは仕方ない。
――そもそも「男」ってのは、そんなものだろう。
前田を抱きたい、とさえ思う。惚れたのだから当然のことだ。前田を守るためなら、四天王全員を相手にしてもいい。たとえ力尽きたとしても、惚れた女に殉ずるのが「男」なのだから後悔はしない。
しかし前田の視界の範囲で闘うのは嫌だった。だるまのように前田に張り付き守る、というのは「男」としては美しくない。女の知らないところで密かに想う……それこそ、「男」の恋だろう。
自分より強い女に惚れる、というのは学ランの考える「男」とは矛盾しているような気もする。
だが、よくよく考えればそうではない。自分が守るべき女は、いわば牙を持たぬ者。学ランがいなければ傷ついてしまうだろう。その者に対する感情は、あくまでも憐憫でしかない。強者の目線で見下しているわけではないが、ケンカの世界では強さ以外に意味はない。弱者は衰退するのみだ。つまり、牙を持たぬ者が強者に駆逐されるのは、厳然とした事実である。それに対して、力を持つ自分が接するとなれば、どうしてもそういう感情にならざるをえない。もちろん学ランはそのことを声高に主張などしない。その気持ちは人に誇れるものではないし、助けた相手もそれを知ればいい気はしないだろう。けれども、世の中はそうなっているのだ。
一方、自分が惚れる女は牙を持っている。学ランがいなくても自分で生きていけるだろう。その人間としての強さに、学ランは惚れてしまう。遡れば、入学当初は先輩の大島優子やサドにも憧れた。
――けれども今は、前田敦子命……だ。
心の中で宣言すると、また前田敦子に焦れる気持ちが強くなった。
学ランが異変に気づいたのは、大通りから分岐した親水公園脇の歩道まで来たときだった。
ベンチが置かれた小さな広場に、矢場久根の制服を着た女が二人、こちらに背を向けて立っていた。スカートが地面を擦るくらい長い。まちがいなくヤンキーだ。二人の間にだれかがいる。また、カツアゲをしているのだろうか。
「さっさと有り金出せって言ってんの」
そんな声が聞こえてきた。
ふと、足元に落ちている手帳に気づいた。何の気なしに開いてみると、それは亜利絵根女子高等学校の生徒手帳で、持ち主は三宅ひとみという名前だった。貼られた写真を見ると、そこには目鼻立ちのはっきりとした美少女がいた。
亜利絵根といえば近頃はいい噂を聞かない。マジ女の生徒ともトラブルがあったらしい。
けれども、今ここにいるのは、カツアゲにあっているらしき少女だ。
――助けないと……。
学ランはカバンを脇に放り投げ、近づいて行った。
「矢場久根のお譲ちゃんたち?」
二人が振り返った。垂れ目の女と、やけに鼻の大きい女だ。
脅されていたらしいのは、生徒手帳の持ち主――三宅ひとみだった。ブレザーを着ている。亜利江根の制服だろう。怯えたような目に、学ランは同情を感じた。
しかし、その目は単に怯えているだけではなかった。別の輝きがあった。
学ランはその正体を考えようとしたが、次の瞬間、垂れ目の声に気を取られた。「はあぁ? なんだ、てめえ」
「カツアゲなら他に行ってやりな。ここはマジ女のシマだぜ」
「学ラン着てるくせにマジ女だって? マジ女はいつから共学になったんだ?」
「チハル」もう一人の、大きい鼻の女が言う。「先にこいつからシメちまおうぜ」
「そうだな、サナエ」チハルが頷いた。
「シメられるのはてめえらのほうだ」学ランは言うが早いか、チハルに向かって廻し蹴りを放った。
チハルは後ろに後退して避けようとした。が、途中でその動きは止められた。三宅ひとみが背後から体を押さえたのだ。
学ランの蹴りは左側面からチハルの顔面を襲った。叫び声を上げる間もなく、チハルは倒れていく途中で気絶したようだった。
「チハル……ッ」サナエが焦ったような声を上げた。
学ランは仲間を心配するサナエに一片の同情も感じず、間合いを詰めると腹筋へ拳を撃ち込む体制に入った。
恐怖の表情を浮かべ逃げようとするサナエの両腕を、さっきと同じように三宅ひとみが掴んでいた。
「離せ、こいつ……ッ」
標的は定まった。学ランは肘の角度を九十度に固定し、肩を廻して右腕を繰り出した。下方から円運動でサナエの腹に拳が命中したとき、ずしっとした手応えがあった。サナエはチハルに重なるようにして、ゆっくりと倒れた。
――一丁上がりだ。
学ランは満足した。とはいっても、あっけなさすぎてイマイチ燃えなかったが。
「ありがとう。助かったよ」学ランは三宅ひとみに言った。「大丈夫だったか?」
「はい。おかげさまで……」三宅ひとみは礼儀正しく頭を下げた。「こちらこそありがとうございます」
どこかのお嬢様らしい、愛らしい微笑みが浮かんでいた。
――助けることができてよかった。
学ランは満足した。こういう笑顔を見られることが、パトロールの喜びだった。
「なにもされなかったか?」
「はい」
「それならよかった。このあたりはこんなチンピラみたいなのが多いから、別の道を通ったほうがいいぜ」
「はい。気を付けます……」
「それじゃあな」
背中越しに右手を上げ、カバンを取りに戻ろうとした学ランを、三宅ひとみが呼び止めた。「あの……」
学ランが振り返った瞬間、COUNTRY FIELDのスクールバッグが水平に向かってきた。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
元アイドリング!!!4号の江渡ちゃんがブログで黒タイツを絶賛。
今年はそろそろタイツウォッチングも終わりそうだけど、今日明日はまだ寒いみたいなので楽しみ(キモいよ、お前)。
それにしても、江渡ちゃん、メガネキャラやめたのか……。
あとコメント30人台って少なくね?
あと、元アイドリング!!!5号の滝口ミラは、競馬の仕事するならもっと競馬を勉強するように。
アパパネはもう2歳じゃねぇしw 2歳女王って書きたかったんだろうけど。
でも競馬の仕事ガンバレ~。
今年はそろそろタイツウォッチングも終わりそうだけど、今日明日はまだ寒いみたいなので楽しみ(キモいよ、お前)。
それにしても、江渡ちゃん、メガネキャラやめたのか……。
あとコメント30人台って少なくね?
あと、元アイドリング!!!5号の滝口ミラは、競馬の仕事するならもっと競馬を勉強するように。
アパパネはもう2歳じゃねぇしw 2歳女王って書きたかったんだろうけど。
でも競馬の仕事ガンバレ~。
■『クイックジャパン』に『マジすか学園』のミニ特集があるっていうんで月曜から仕事中にあちこちの本屋探したんだけど、まったく売ってなかった。都内じゃなかったからなのか? それともこれはマイナーな本なので置いてないのか? 仕方ないので夜にわざわざアキバの書泉ブックタワーまで行って買ってきた。
まだちょこっとしか読んでないけど、パロディ小説の参考にしたいと思います。
■先週末は映画を二本。『シャッターアイランド』と『第9地区』。
ネタバレしないように書くけど、『シャッターアイランド』がつまらなかった責任は広告!!! 作品のテイストは、なんか業界用語でいうところの「本格ミステリ」ってぽい感じを受けるけど、まったくちがうじゃん、これ。はっきり言って、何度も見た(読んだ)ネタの「ミステリ」で開始20分もすればオチの予想がつく。どんでん返しっぽいものを期待していくとがっくりすること請け合いです。今年見た映画で『パーフェクト・ゲッタウェイ』っていうしょうもないのがあったけど、物語のがっくり感が似ている。映画の質としては『シャタアイ』のほうがいいけど。
『第9地区』は中学生が考えたみたいな話(褒めてるよ)で、藤子不二雄Fが描きそう。つまりFファンのおれの大好物ってことですよw ツッコミどころもいっぱいあるけど、新しいものを作りたいというスタッフの心意気だけでも買いたい。デートには向いてないので男は注意。基本的にSF者でない限り、こういうのを面白がれる女はいない(また差別発言)。日本の特撮は『ウルトラマン』にしろ戦隊物にしろ大魔神物にしろ(そんなジャンルねぇよ)、昔の遺産だけで作っているから、こういうのが出てくる素地はないかもしれない。唾棄すべきで、寂しいことだけど。この映画を見たあとで友だちと話したんだが、『ウルトラマンメビウス』の『ウルトラマン80』の回を見て感動しているような連中が、日本の特撮をダメにしている張本人なんだよ、とあらためて認識した。
■あ。もう仕事の準備する時間……。
まだちょこっとしか読んでないけど、パロディ小説の参考にしたいと思います。
■先週末は映画を二本。『シャッターアイランド』と『第9地区』。
ネタバレしないように書くけど、『シャッターアイランド』がつまらなかった責任は広告!!! 作品のテイストは、なんか業界用語でいうところの「本格ミステリ」ってぽい感じを受けるけど、まったくちがうじゃん、これ。はっきり言って、何度も見た(読んだ)ネタの「ミステリ」で開始20分もすればオチの予想がつく。どんでん返しっぽいものを期待していくとがっくりすること請け合いです。今年見た映画で『パーフェクト・ゲッタウェイ』っていうしょうもないのがあったけど、物語のがっくり感が似ている。映画の質としては『シャタアイ』のほうがいいけど。
『第9地区』は中学生が考えたみたいな話(褒めてるよ)で、藤子不二雄Fが描きそう。つまりFファンのおれの大好物ってことですよw ツッコミどころもいっぱいあるけど、新しいものを作りたいというスタッフの心意気だけでも買いたい。デートには向いてないので男は注意。基本的にSF者でない限り、こういうのを面白がれる女はいない(また差別発言)。日本の特撮は『ウルトラマン』にしろ戦隊物にしろ大魔神物にしろ(そんなジャンルねぇよ)、昔の遺産だけで作っているから、こういうのが出てくる素地はないかもしれない。唾棄すべきで、寂しいことだけど。この映画を見たあとで友だちと話したんだが、『ウルトラマンメビウス』の『ウルトラマン80』の回を見て感動しているような連中が、日本の特撮をダメにしている張本人なんだよ、とあらためて認識した。
■あ。もう仕事の準備する時間……。
先週、いつも聞いていたラジオ番組が続々終わってしまい、今週から聞く番組がけっこう大幅に変わった。
日曜昼の『爆笑問題の日曜サンデー』、月曜深夜の『伊集院光の深夜の馬鹿力』、木曜深夜の『ナインティナインのオールナイトニッポン』、土曜夜の『ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル』は変わらず。それで『小島慶子キラ☆キラ』は水曜と金曜だけ聞くことにした。
新たに聞きだしたのは、火曜深夜『リッスン? ~Live 4 Life~』のAKB枠で今月は麗しの秋元才加、水曜深夜『山里亮太の不毛な議論』、月―金『Dig』。あと昨日の深夜に始まった『AKB48のオールナイトニッポン』はまだ聞いてないです。今日の深夜に移動になった『エレ片のコント太郎』は水曜のときから聞いていたので引き続き聞きます。
んで新番組の感想。
まず、なんといっても『リッスン? ~Live 4 Life~』の秋元才加!!! ずっと前からラジオで一人しゃべりしてほしかったのですごく期待したんだけど……。正直、番組としてはイチマチだった。いや、才加はいいんですよ、本当に!!! 緊張からか、いつもとはちがう高いトーンの声だったりして、それさえもすごくかわいいし、トークはちゃんとできているし、まったく問題ない。
イチマチだったのは番組の構成。中途半端なオシャレ感出しすぎでしょう。なんであんなに曲が多いのか意味わからない。2時間の番組で11曲、しかもほとんどフルでかけている。単純に考えて、これだけで40分くらいあるわけでしょう? AMなんだからトークをもっと聞かせてくださいよ。この番組に限らないけど、たとえばAKBの番組でAKBの曲を流しても意味ないと思うんだけど……。どうせかけるなら、才加のソロ曲『虫のバラード』流すべき。
あと、K太郎が悪いわけじゃないんだけど、せっかくの一人ラジオなんだから、たとえめちゃくちゃになる危険性があってもずっと一人でやってほしかった。K太郎が出てきたら、『明日もちょ』感丸出しになってしまった。
とにかく、ファンとしては不慣れでもアワワになっても、ラジオ以外では見れない(ここは「聞けない」じゃなくて、「見れない」です)才加が見たいんだよ!!!
来週はまなかながゲストに来るそうだけど、同じ双子キャラなら矢敷姉妹を呼んでくれw
あと、才加の次のメンバーは、できたら指原を希望。あるいは大抜擢で小森とかw
『山里亮太の不毛な議論』は、山里自身も言ってたけど、競馬で言うところの「かかった」状態だった。でも、やっぱりこの人のボキャブラリーの豊富さと、それを引き出す圧倒的なスピードはすばらしい。テレビだとキモいキャラで定着してしまっていて、特に女には嫌われているみたいだけどこれだから女ってのは……(以下、300行に渡る女性蔑視発言につき削除)。山里の真骨頂はトークの切り返しの妙にあるので、TBSラジオで番組が始まったこと自体はとても嬉しい(雨上がり決死隊の『べしゃりぶりん』が終わったのはとても悲しいけど)。
今回は暴走気味だったので、いずれ落ち着けば面白い番組になっていくだろう。コーナーも他の番組とはちがう色だし。「ポニョ、そうすけ、好き~」は大爆笑したよ。
『Dig』は『アクセス』枠で始まった、似たような番組(おいおい)。タイトル曲が、ファミコン時代のRPGゲームみたいでなんかヘンだ。昨日は聞き忘れてしまったけど、まあまあ面白い。テレビのニュース番組はあんまり見ないし、新聞もスポーツ新聞しかとってないから、ラジオで詳しく解説してくれるのは勉強になる。おれは前から、竹内香苗の、語尾がどろっとした感じがすごく好きだったので、ラジオ復帰はとても嬉しい。外山惠理の声もいいな。「エロ本」って連呼していたのはそれだけで抜ける(ウソ)。
ただ、この番組は長すぎ!!! あいだに優香の番組が入るとしても、2時間40分はどうだろう? これを毎日聞いていくのは大変なので、これからは興味のある話題のときだけ聞くかな……。でも今週はどの曜日もそれなりに興味があって、結局まだ一昨日の『ナイナイのANN』聞けてないし。あ。おれ、ラジオは録音して聞く派なんです。
というわけで、皆さんもラジオ聞いてみてください。テレビより絶対面白いし、知らないあいだにいろんなことが吸収できますよ!!!
日曜昼の『爆笑問題の日曜サンデー』、月曜深夜の『伊集院光の深夜の馬鹿力』、木曜深夜の『ナインティナインのオールナイトニッポン』、土曜夜の『ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル』は変わらず。それで『小島慶子キラ☆キラ』は水曜と金曜だけ聞くことにした。
新たに聞きだしたのは、火曜深夜『リッスン? ~Live 4 Life~』のAKB枠で今月は麗しの秋元才加、水曜深夜『山里亮太の不毛な議論』、月―金『Dig』。あと昨日の深夜に始まった『AKB48のオールナイトニッポン』はまだ聞いてないです。今日の深夜に移動になった『エレ片のコント太郎』は水曜のときから聞いていたので引き続き聞きます。
んで新番組の感想。
まず、なんといっても『リッスン? ~Live 4 Life~』の秋元才加!!! ずっと前からラジオで一人しゃべりしてほしかったのですごく期待したんだけど……。正直、番組としてはイチマチだった。いや、才加はいいんですよ、本当に!!! 緊張からか、いつもとはちがう高いトーンの声だったりして、それさえもすごくかわいいし、トークはちゃんとできているし、まったく問題ない。
イチマチだったのは番組の構成。中途半端なオシャレ感出しすぎでしょう。なんであんなに曲が多いのか意味わからない。2時間の番組で11曲、しかもほとんどフルでかけている。単純に考えて、これだけで40分くらいあるわけでしょう? AMなんだからトークをもっと聞かせてくださいよ。この番組に限らないけど、たとえばAKBの番組でAKBの曲を流しても意味ないと思うんだけど……。どうせかけるなら、才加のソロ曲『虫のバラード』流すべき。
あと、K太郎が悪いわけじゃないんだけど、せっかくの一人ラジオなんだから、たとえめちゃくちゃになる危険性があってもずっと一人でやってほしかった。K太郎が出てきたら、『明日もちょ』感丸出しになってしまった。
とにかく、ファンとしては不慣れでもアワワになっても、ラジオ以外では見れない(ここは「聞けない」じゃなくて、「見れない」です)才加が見たいんだよ!!!
来週はまなかながゲストに来るそうだけど、同じ双子キャラなら矢敷姉妹を呼んでくれw
あと、才加の次のメンバーは、できたら指原を希望。あるいは大抜擢で小森とかw
『山里亮太の不毛な議論』は、山里自身も言ってたけど、競馬で言うところの「かかった」状態だった。でも、やっぱりこの人のボキャブラリーの豊富さと、それを引き出す圧倒的なスピードはすばらしい。テレビだとキモいキャラで定着してしまっていて、特に女には嫌われているみたいだけどこれだから女ってのは……(以下、300行に渡る女性蔑視発言につき削除)。山里の真骨頂はトークの切り返しの妙にあるので、TBSラジオで番組が始まったこと自体はとても嬉しい(雨上がり決死隊の『べしゃりぶりん』が終わったのはとても悲しいけど)。
今回は暴走気味だったので、いずれ落ち着けば面白い番組になっていくだろう。コーナーも他の番組とはちがう色だし。「ポニョ、そうすけ、好き~」は大爆笑したよ。
『Dig』は『アクセス』枠で始まった、似たような番組(おいおい)。タイトル曲が、ファミコン時代のRPGゲームみたいでなんかヘンだ。昨日は聞き忘れてしまったけど、まあまあ面白い。テレビのニュース番組はあんまり見ないし、新聞もスポーツ新聞しかとってないから、ラジオで詳しく解説してくれるのは勉強になる。おれは前から、竹内香苗の、語尾がどろっとした感じがすごく好きだったので、ラジオ復帰はとても嬉しい。外山惠理の声もいいな。「エロ本」って連呼していたのはそれだけで抜ける(ウソ)。
ただ、この番組は長すぎ!!! あいだに優香の番組が入るとしても、2時間40分はどうだろう? これを毎日聞いていくのは大変なので、これからは興味のある話題のときだけ聞くかな……。でも今週はどの曜日もそれなりに興味があって、結局まだ一昨日の『ナイナイのANN』聞けてないし。あ。おれ、ラジオは録音して聞く派なんです。
というわけで、皆さんもラジオ聞いてみてください。テレビより絶対面白いし、知らないあいだにいろんなことが吸収できますよ!!!
■反撃―3■
山椒姉妹の三人と、ダンス――矢神久美の四人を引き連れたシブヤが、亜利絵根女子高等学校近くの市営公園に到着したのは放課後の一時間前だった。
高速道路の高架下――公園とは名ばかりの、古い滑り台と壊れそうなブランコがあるだけのその場所には、金網で囲まれたスペースがあった。現在は扉に針金が巻かれており、「使用禁止」と書かれた板が針金で止められている。地面にはペットボトルやコンビニ袋が散乱しており、少なくともここ一ヶ月は管理されていないことを物語っていた。
ダンスが持ってきたペンチで針金を切断すると、五人は中に入った。山椒姉妹の三人が金網の、地面から160センチほどの高さに手錠を五つ繋げる。地面から20センチ程度の高さには、足首を留められるようにロープを張った。
「シブヤさん、準備終わりました」ダンスは、腕を組んで作業を眺めていたシブヤに報告した。
「ご苦労さん」
「あとは獲物が来るのを待つだけ」山椒姉妹のリーダー格みゃお――宮崎美穂がダーツの矢を、まだ囚われた者のいない手錠に向かって投げる振りをした。
「命中~」まなまな――奥真奈美がふざけた口調で言った。「デコに当たったから20点」
「本気でやっちゃっていいですか?」らぶたん――多田愛佳もダーツの矢を、スローイングのように投げる真似をしてみせる。
「もちろん」シブヤは言った。「ただし、前田とやったときみたいに、決して仲間割れを起こすな。私は仲間同士で争うのは嫌いだ」
前田戦のときに山椒姉妹が仲間割れをして勝利を逃したことは、ネズミから聞かされていた。前田を拘束して、絶対に負けるはずのない状況だったはずなのに、三人は負けた。勝ったのはタッグを組んだ前田とだるまの二人だ。一人では不利でも、二人ならそれを覆すこともある。こいつらはそんなこともわからなかった……まだガキだから仕方がないが、報せを聞いたときにシブヤは辟易した。
亜利絵根の生徒はこの公園から少し離れた商店街を通学路として利用している。そこで亜利絵根十傑集とやらのメンバーを探し、見つけ次第ここに連れ込む、というのがシブヤの作戦だった。商店街にはシブヤ配下のギャルサー二十人を放ってある。亜利絵根十傑集のメンバーは名前しかわかっていないが、人探しは彼女たちのもっとも得意とするところだ。
シブヤは一人では戦わない。相手を囲い退路をなくし、心理的に圧迫する状況下に置く。タイマンでも負けない自信はあるが、念には念を入れるのがシブヤのやり方だった。
ましてや今回の戦いは、サドからの勅命だ。サドの許可なく勝手に前田と戦い、そして惨敗してしまったシブヤは、絶対に失敗するわけにはいかなかった。
亜利絵根十傑集を磔にし、それをサドへの手土産にする。そうすれば再び、サドの寵愛を受けられる……想像しただけで下腹部が疼いた。
そんなことを考えていると、携帯が鳴った。
配下のギャルサーのメンバーからのメールには、「二名、確保。名前は長野せりな、橋本楓」と書かれていた。
「二人来るぞ」シブヤはダンスと山椒姉妹に言った。「戦闘準備だ」
五分後――アクセサリーで派手にアレンジされた制服を着た女子高生たちが、ブレザーとチェックのブリーツスカートという亜利絵根女子高等学校制服の少女二人を引き連れ、公園にやってきた。
二人とも身長は150センチ程度と小柄で、高校生には見えないほどの童顔だった。一人はツインテール、一人は髪をアップしているが、どことなくイメージがダブっていて、姉妹と言われれば納得してしまう程度に似ている。学校指定らしい学生鞄を持った二人は、ヤンキーには見えなかった。
見かけの幼さとはちがい、二人に怯えた様子はない。これが亜利絵根十傑集の余裕なのか……。
ギャルサーのメンバーたちは二人を金網の中に入るように促した。
シブヤはいつものように、ピンクのレザーグローブを装着した。これを着けると気が引き締まり、精神が高揚する。
山椒姉妹の三人は長野と橋本にガンを飛ばしながら、二人の背後に回った。
ダンスはシブヤの右に位置した。
ひとつしかない出入口はギャルサーたちの人の壁で塞がれた。
ここから二人が出たいのなら、全員を倒すしかない。
「てめえらか、亜利絵根十傑集の長野と橋本ってのは?」シブヤは二人に正対した。
「橋本なら私ですけど……」右側のツインテールが答えた。「なんか用ですかぁ?」
「亜利絵根十傑集なら、あたしがだれだか知ってるだろう?」
「さぁ……」二人はまったく同じタイミングで首をかしげた。
「とぼけてんじゃねぇ」
「あ」思い出したように、橋本が言った。「もしかして、このあいだ奈央がボコった奴の敵討ち?」
「ああ、そうかもね」
「敵討ちじゃねえが、てめえらを潰さなきゃいけない理由があってな」
「やったの私たちじゃないんで……奈央、呼びましょうか?」
「ざけんのもそこまでにしとけよ……」シブヤは二人に歩み寄り、長野のツインテールの右側の髪を引っ張……ろうとした。
髪を掴まれそうになった瞬間、長野はそれまでのしゃべり方とはうって変わって素早い動きでシブヤの右手を交わした。ボタンのかけられていないブレザーと、ミニのプリーツスカートが広がった。
それに合わせて、橋本も左側へ飛び込むように動いた。
まなまなとらぶたんが長野を、みゃおが橋本を追う。
「刺さったら痛いよぉ……」まなまなは持っていたフリル付きの日傘を、長野に向かってフェンシングのフルーレの要領で突いた。日傘の先端は研がれており、まなまなは格闘戦のときには武器として使用していた。
長野は体を流してそれを避けると、日傘に向かってパンチを放った。
――バカが、傘に素手で殴りかかるとは……。
シブヤは嘲ったが、次の瞬間、長野の右手に輝くものを見て愕然とした。
長野はいつの間にか、右手にスパイクの付いたメリケンサックを装備していた。
スパイクが傘布を裂き、フリルが宙に舞う。
「てめえっ、あたしのお気に入りをっ……」まなまなが声を荒げた。
「だったらケンカに使わないほうがいいですよぉ」
軽口を叩く長野に向かって、らぶたんがダーツの矢を投げようとしていた。
「せりな、後ろっ」
橋本の声に長野は振り返ったのと、らぶたんが矢を放ったのはほとんど同時に見えた。
長野は恐るべき反射神経で鞄を顔の前に掲げた。ピンクの矢が突き刺さる。
みゃおは橋本相手にパンチやキックで攻撃しているが、一向に当たらない。
「てめぇ、避けんじゃねえっ……」
「だって遅いじゃないですか。小学生でも避けられますよ」
橋本の挑発に、みゃおはますます力を入れてパンチを打つ。力めば力むほど余計な力が入り、スピードは落ちる。リーチの長いキックも、橋本はおどけた仕草で交わしていく。彼女の右手にも、長野と同じスパイク付きのメリケンサックが装着されていた。
一方、まなまなとらぶたんも、長野に一発のパンチさえ入れられない状況が続いていた。長野は橋本同様に、軽やかな動きで二人の攻撃を交わしている。金網で囲まれた、逃げ場の無いスペースであるはずなのに、長野と橋本は一向に捕まらなかった。金網近くまで追いつめると体の小ささを利用して、わずかなスペースからするりと抜け出し、山椒姉妹の背後に回ってしまう。それでいて攻撃するわけでもなく、ただ延々と逃げ回っているだけなのだ。
ただ単純に逃げるのなら簡単だ。追いかけなければいい。しかし、二人は逃げるというより「かわす」のだ。パンチやキックが当たりそうで当たらない。あと少しという感覚が考える力を奪い、やがて闇雲な攻撃をしているだけになってしまう。
ギャルサー軍団はシブヤから「一切の手出し無用」と厳命されているので、たとえ二人が近くに来ても捕まえようとはしなかった。決して、正々堂々とした勝負を挑むシブヤではなかったが、数に任せてケンカに勝とうとまでは思っていない。ヤンキーとしての最低限の誇りは持っているつもりだった。
――が、それにしても、これじゃあ埒が開かねぇ……。
シブヤは苛ついた。
妙なのは長野も橋本も、自分たちからは攻撃しようとしないことだった。凶悪な武器を持っているのに、使ったのは日傘を破壊したときくらい……。
シブヤはそこで、長野と橋本の意図に気づいた。
――そうか。こいつら……。
二人はあいかわらず、山椒姉妹の攻撃から逃げるだけで、決して自分からは攻撃しようとしなかった。
最初から全力で戦っている山椒姉妹の三人は、そろそろ疲れてきているようだった。何十枚もの布で構成されたロリィタ服はただでさえ動きづらく、そして暑いだろう。長野と橋本を追うその脚も、そろそろ歩みが怪しくなってきた。
「どうしたんですか、みなさん……?」長野がパンチの勢いと回数を減らしてきた山椒姉妹を見回した。「あ。もしかして……」
「え?」橋本がおおげさに、耳に手を当てた。「デブだから、もう体力が持たないって?」
「ちょっとやだぁ。そんなこと言ってないじゃん」
「ちがうの?」
「まあ……ちがうってわけじゃないけど……」
「てめぇら……舐めてん……のかよ……」みゃおは強がるものの、すでに息は絶え絶えだった。
まなまなとらぶたんも、走るどころか歩いてもいなかった。
――なんなんだ、この無様な戦いは……。
手錠で拘束して捕らえるどころか、体に触れることすらできていないという現実に、シブヤは激しく憤った。
もはや、勝つためにかたちにこだわるべきではない。
「おい、てめえらっ」シブヤは長野と橋本がいる金網際に歩いていく。「よく考えたな。相手を疲れさせて勝つなんてヤンキー、見たことねえよ」
長野と橋本はメリケンサックをシブヤに向かって突き出し、戦闘体制をとった。
距離は5メートル。
「だけど、もうおしまいだぜ、お二人さん。ここにいるギャルサーはあたしが号令をかけたら、お前たちを捕まえる。いくら逃げるのがうまいったって、二十人を相手にするのはキツいだろう? そして捕まったあとはここにいる山椒姉妹三人が容赦ないお仕置きをする。遊んでくれた分だけ、執拗にな……」
シブヤは精神的に二人を追いつめたつもりだったが、長野と橋本はまだにやにやと笑っている。それがまた、シブヤを苛立たせた。
「でも、あたしもマジすか四天王と呼ばれた女だ。そんなことで勝っても嬉しくない。おまえたちの活躍に免じて、タイマン勝負をしてやるよ。どうだい?」
長野と橋本は顔を見合わせた。
「どうする? 二十人しかいないって」と長野。
「やっちゃおか?」と橋本。
二人は、金網に沿って並んでいるギャルサーたちの、一番端の少女に襲いかかった。
電光石火とはこのことだった。
異常なほどの俊敏さで二人に襲いかかられた最初の犠牲者は、五秒で地面に倒れた。長野のメリケンサックのスパイクが二の腕を裂くと、すかさず橋本が腹にパンチとキックを打ち込んだのだ。少女の叫び声が、ギャルサーたちの恐怖心を煽った。
二人は息の合ったダンスのような連携プレーで、次から次へと少女たちを倒していった。長野のメリケンサックが一振りされるとだれかの血けむりが舞い、橋本のキックが心地よい打撃音を上げるとだれかが倒れた。
シブヤは脅しに使ったものの、ここにいる二十人のギャルサーたちはケンカが強いわけではない。そもそも亜利絵根十傑集探しと、心理的圧迫を与えるために連れてきただけだ。
三十秒もかからないうちに、半分近くのギャルサーたちがゴミと砂にまみれ、身をよじっていた。
シブヤはなにかのマンガで読んだ、「地獄絵図」という言葉を思い出した。
まだ無傷の者は一斉に出入口の扉に殺到した。彼女たちにとってラッキーだったのは、長野と橋本を逃がさないようにあらかじめ扉の近くにいたため、たどり着きやすかったこと。アンラッキーだったのはその扉が内側に向かって開くタイプだったことだ。
みんなが狭いスペースに密集したため、扉は鍵もかかっていないのに引くことができなかった。冷静に、一人が二歩ずつでも下がれば扉は開き、少なくとも三人くらいは逃げられたかもしれない。だが、残念なことに彼女たちは完全にパニック状態で、そんな判断はできなかった。
長野せりなと橋本楓は、彼女たちの背後から襲いかかった。戦意を喪失し、背中を見せている者を倒すのはケンカでも戦闘でもなく、単なる「作業」だった。
次々と上がる叫び声に、シブヤは戦慄した。しかし、そのパニックの有様や、人間はこうも簡単に倒されるのかと思うと、なんだか少しおかしい気もする。恐怖の末の笑いなのか、情けない人間の姿を見たからなのか――どちらかは自分で判断できなかったが、とにかく不思議とおかしさがこみ上げてきた。
全員が地面でのた打ち回るまで、一分もかからなかった。扉の前には血まみれの人の山ができていた。外に出るためには、この山を崩さなくてはならず、それはとても時間のかかる仕事のように思われた。
つまり――いまや、閉じ込められたのはシブヤと山椒姉妹とダンスの五人だった。
シブヤは自分の脚が震えていることに気づいた。
「ダンス――行くぞ……」
もう意味のないこととは知っていても、シブヤはそう命じざるをえなかった。自分以外に闘えるのはダンスしかいない。
「はい」ダンスは大きな瞳を見開いて頷いた。「自分が先に行きます」
「お前は長野を押さえろ。そのあいだにあたしが橋本をやる」
シブヤは言いながら、もうサドに抱かれることはないだろうな、と寂しくなった。
ダンスが走り出し、そして叫んだ。「この、クソガキどもがぁぁぁぁぁぁ……」
吹奏楽部の部室には夕日が差し込み、一日の終わりを告げようとしていた。
サドは大島優子のことを考えていた。
昭和、ジャンボ、ライス、アニメの四人はもう帰らせた。優子のことを想うときは一人でいたかった。
――優子さんはいつまで生きられるのか……。
病院で聞いた衝撃の言葉は、いつもサドの心に沈んでいる。なにをしていても、ふとそれが思い出される。
自分が短い人生で、初めて本当に愛した人が、来年の今頃にはもういなくなっているかもしれない。
考えただけで胸がいたい。
もちろん希望は捨てていない。もう一度、大島優子と一緒に闘う日がきっと来る――そう信じている。
そのためには今は病院で養生し、病気を治すことに専念していてほしい。
病床で一人闘っている大島優子には、亜利絵根との闘いを知らせてなかった。大島優子のことだ、それを知れば担当医の反対など無視して学校に来るだろう。彼女は彼女なりに、この腐った学校を愛しているからだ。
――私が私だけで解決しなくてはいけない。
そのとき、携帯電話のメール着信音が鳴った。
サドはポケットから携帯電話を取り出し、それを開いた。
メールの差出人はシブヤ。そろそろ亜利絵根の十傑集とやらの闘いも終わっただろうという時刻だった。
だが、そのメールには件名も本文もなく、写真が添付されているだけだった。
写真には、こちらに向かってピースサインをする、見たことのないツインテールの少女が写っていた。自分で自分を撮ったらしい構図で、後ろではシブヤとダンスが金網に手錠で吊るされていた。
サドは思わず携帯電話を閉じた。
わかっているのに、吹奏楽部の部室にだれもいないことを確認した。
サドはもう一度その写真を見ようと携帯電話を開いたとき、二通目のメールが届いた。
今度の写真は横長の構図で、山椒姉妹が三人とも、シブヤと同じ目に合っていた。一枚目とは違う少女がにこにこと微笑んでいた。まるで観光地のオブジェの前で、修学旅行生が撮った記念写真のようなテンションが、その笑顔から伝わってきた。
メールはそれだけしか来なかった。
シブヤが負けた事実は受け入れがたかった。こんなことを大島優子に知られたら、留守を預かる身として申し訳が立たない。
サドは怒りと衝撃で、なにから考えるべきなのかわからなくなった。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
山椒姉妹の三人と、ダンス――矢神久美の四人を引き連れたシブヤが、亜利絵根女子高等学校近くの市営公園に到着したのは放課後の一時間前だった。
高速道路の高架下――公園とは名ばかりの、古い滑り台と壊れそうなブランコがあるだけのその場所には、金網で囲まれたスペースがあった。現在は扉に針金が巻かれており、「使用禁止」と書かれた板が針金で止められている。地面にはペットボトルやコンビニ袋が散乱しており、少なくともここ一ヶ月は管理されていないことを物語っていた。
ダンスが持ってきたペンチで針金を切断すると、五人は中に入った。山椒姉妹の三人が金網の、地面から160センチほどの高さに手錠を五つ繋げる。地面から20センチ程度の高さには、足首を留められるようにロープを張った。
「シブヤさん、準備終わりました」ダンスは、腕を組んで作業を眺めていたシブヤに報告した。
「ご苦労さん」
「あとは獲物が来るのを待つだけ」山椒姉妹のリーダー格みゃお――宮崎美穂がダーツの矢を、まだ囚われた者のいない手錠に向かって投げる振りをした。
「命中~」まなまな――奥真奈美がふざけた口調で言った。「デコに当たったから20点」
「本気でやっちゃっていいですか?」らぶたん――多田愛佳もダーツの矢を、スローイングのように投げる真似をしてみせる。
「もちろん」シブヤは言った。「ただし、前田とやったときみたいに、決して仲間割れを起こすな。私は仲間同士で争うのは嫌いだ」
前田戦のときに山椒姉妹が仲間割れをして勝利を逃したことは、ネズミから聞かされていた。前田を拘束して、絶対に負けるはずのない状況だったはずなのに、三人は負けた。勝ったのはタッグを組んだ前田とだるまの二人だ。一人では不利でも、二人ならそれを覆すこともある。こいつらはそんなこともわからなかった……まだガキだから仕方がないが、報せを聞いたときにシブヤは辟易した。
亜利絵根の生徒はこの公園から少し離れた商店街を通学路として利用している。そこで亜利絵根十傑集とやらのメンバーを探し、見つけ次第ここに連れ込む、というのがシブヤの作戦だった。商店街にはシブヤ配下のギャルサー二十人を放ってある。亜利絵根十傑集のメンバーは名前しかわかっていないが、人探しは彼女たちのもっとも得意とするところだ。
シブヤは一人では戦わない。相手を囲い退路をなくし、心理的に圧迫する状況下に置く。タイマンでも負けない自信はあるが、念には念を入れるのがシブヤのやり方だった。
ましてや今回の戦いは、サドからの勅命だ。サドの許可なく勝手に前田と戦い、そして惨敗してしまったシブヤは、絶対に失敗するわけにはいかなかった。
亜利絵根十傑集を磔にし、それをサドへの手土産にする。そうすれば再び、サドの寵愛を受けられる……想像しただけで下腹部が疼いた。
そんなことを考えていると、携帯が鳴った。
配下のギャルサーのメンバーからのメールには、「二名、確保。名前は長野せりな、橋本楓」と書かれていた。
「二人来るぞ」シブヤはダンスと山椒姉妹に言った。「戦闘準備だ」
五分後――アクセサリーで派手にアレンジされた制服を着た女子高生たちが、ブレザーとチェックのブリーツスカートという亜利絵根女子高等学校制服の少女二人を引き連れ、公園にやってきた。
二人とも身長は150センチ程度と小柄で、高校生には見えないほどの童顔だった。一人はツインテール、一人は髪をアップしているが、どことなくイメージがダブっていて、姉妹と言われれば納得してしまう程度に似ている。学校指定らしい学生鞄を持った二人は、ヤンキーには見えなかった。
見かけの幼さとはちがい、二人に怯えた様子はない。これが亜利絵根十傑集の余裕なのか……。
ギャルサーのメンバーたちは二人を金網の中に入るように促した。
シブヤはいつものように、ピンクのレザーグローブを装着した。これを着けると気が引き締まり、精神が高揚する。
山椒姉妹の三人は長野と橋本にガンを飛ばしながら、二人の背後に回った。
ダンスはシブヤの右に位置した。
ひとつしかない出入口はギャルサーたちの人の壁で塞がれた。
ここから二人が出たいのなら、全員を倒すしかない。
「てめえらか、亜利絵根十傑集の長野と橋本ってのは?」シブヤは二人に正対した。
「橋本なら私ですけど……」右側のツインテールが答えた。「なんか用ですかぁ?」
「亜利絵根十傑集なら、あたしがだれだか知ってるだろう?」
「さぁ……」二人はまったく同じタイミングで首をかしげた。
「とぼけてんじゃねぇ」
「あ」思い出したように、橋本が言った。「もしかして、このあいだ奈央がボコった奴の敵討ち?」
「ああ、そうかもね」
「敵討ちじゃねえが、てめえらを潰さなきゃいけない理由があってな」
「やったの私たちじゃないんで……奈央、呼びましょうか?」
「ざけんのもそこまでにしとけよ……」シブヤは二人に歩み寄り、長野のツインテールの右側の髪を引っ張……ろうとした。
髪を掴まれそうになった瞬間、長野はそれまでのしゃべり方とはうって変わって素早い動きでシブヤの右手を交わした。ボタンのかけられていないブレザーと、ミニのプリーツスカートが広がった。
それに合わせて、橋本も左側へ飛び込むように動いた。
まなまなとらぶたんが長野を、みゃおが橋本を追う。
「刺さったら痛いよぉ……」まなまなは持っていたフリル付きの日傘を、長野に向かってフェンシングのフルーレの要領で突いた。日傘の先端は研がれており、まなまなは格闘戦のときには武器として使用していた。
長野は体を流してそれを避けると、日傘に向かってパンチを放った。
――バカが、傘に素手で殴りかかるとは……。
シブヤは嘲ったが、次の瞬間、長野の右手に輝くものを見て愕然とした。
長野はいつの間にか、右手にスパイクの付いたメリケンサックを装備していた。
スパイクが傘布を裂き、フリルが宙に舞う。
「てめえっ、あたしのお気に入りをっ……」まなまなが声を荒げた。
「だったらケンカに使わないほうがいいですよぉ」
軽口を叩く長野に向かって、らぶたんがダーツの矢を投げようとしていた。
「せりな、後ろっ」
橋本の声に長野は振り返ったのと、らぶたんが矢を放ったのはほとんど同時に見えた。
長野は恐るべき反射神経で鞄を顔の前に掲げた。ピンクの矢が突き刺さる。
みゃおは橋本相手にパンチやキックで攻撃しているが、一向に当たらない。
「てめぇ、避けんじゃねえっ……」
「だって遅いじゃないですか。小学生でも避けられますよ」
橋本の挑発に、みゃおはますます力を入れてパンチを打つ。力めば力むほど余計な力が入り、スピードは落ちる。リーチの長いキックも、橋本はおどけた仕草で交わしていく。彼女の右手にも、長野と同じスパイク付きのメリケンサックが装着されていた。
一方、まなまなとらぶたんも、長野に一発のパンチさえ入れられない状況が続いていた。長野は橋本同様に、軽やかな動きで二人の攻撃を交わしている。金網で囲まれた、逃げ場の無いスペースであるはずなのに、長野と橋本は一向に捕まらなかった。金網近くまで追いつめると体の小ささを利用して、わずかなスペースからするりと抜け出し、山椒姉妹の背後に回ってしまう。それでいて攻撃するわけでもなく、ただ延々と逃げ回っているだけなのだ。
ただ単純に逃げるのなら簡単だ。追いかけなければいい。しかし、二人は逃げるというより「かわす」のだ。パンチやキックが当たりそうで当たらない。あと少しという感覚が考える力を奪い、やがて闇雲な攻撃をしているだけになってしまう。
ギャルサー軍団はシブヤから「一切の手出し無用」と厳命されているので、たとえ二人が近くに来ても捕まえようとはしなかった。決して、正々堂々とした勝負を挑むシブヤではなかったが、数に任せてケンカに勝とうとまでは思っていない。ヤンキーとしての最低限の誇りは持っているつもりだった。
――が、それにしても、これじゃあ埒が開かねぇ……。
シブヤは苛ついた。
妙なのは長野も橋本も、自分たちからは攻撃しようとしないことだった。凶悪な武器を持っているのに、使ったのは日傘を破壊したときくらい……。
シブヤはそこで、長野と橋本の意図に気づいた。
――そうか。こいつら……。
二人はあいかわらず、山椒姉妹の攻撃から逃げるだけで、決して自分からは攻撃しようとしなかった。
最初から全力で戦っている山椒姉妹の三人は、そろそろ疲れてきているようだった。何十枚もの布で構成されたロリィタ服はただでさえ動きづらく、そして暑いだろう。長野と橋本を追うその脚も、そろそろ歩みが怪しくなってきた。
「どうしたんですか、みなさん……?」長野がパンチの勢いと回数を減らしてきた山椒姉妹を見回した。「あ。もしかして……」
「え?」橋本がおおげさに、耳に手を当てた。「デブだから、もう体力が持たないって?」
「ちょっとやだぁ。そんなこと言ってないじゃん」
「ちがうの?」
「まあ……ちがうってわけじゃないけど……」
「てめぇら……舐めてん……のかよ……」みゃおは強がるものの、すでに息は絶え絶えだった。
まなまなとらぶたんも、走るどころか歩いてもいなかった。
――なんなんだ、この無様な戦いは……。
手錠で拘束して捕らえるどころか、体に触れることすらできていないという現実に、シブヤは激しく憤った。
もはや、勝つためにかたちにこだわるべきではない。
「おい、てめえらっ」シブヤは長野と橋本がいる金網際に歩いていく。「よく考えたな。相手を疲れさせて勝つなんてヤンキー、見たことねえよ」
長野と橋本はメリケンサックをシブヤに向かって突き出し、戦闘体制をとった。
距離は5メートル。
「だけど、もうおしまいだぜ、お二人さん。ここにいるギャルサーはあたしが号令をかけたら、お前たちを捕まえる。いくら逃げるのがうまいったって、二十人を相手にするのはキツいだろう? そして捕まったあとはここにいる山椒姉妹三人が容赦ないお仕置きをする。遊んでくれた分だけ、執拗にな……」
シブヤは精神的に二人を追いつめたつもりだったが、長野と橋本はまだにやにやと笑っている。それがまた、シブヤを苛立たせた。
「でも、あたしもマジすか四天王と呼ばれた女だ。そんなことで勝っても嬉しくない。おまえたちの活躍に免じて、タイマン勝負をしてやるよ。どうだい?」
長野と橋本は顔を見合わせた。
「どうする? 二十人しかいないって」と長野。
「やっちゃおか?」と橋本。
二人は、金網に沿って並んでいるギャルサーたちの、一番端の少女に襲いかかった。
電光石火とはこのことだった。
異常なほどの俊敏さで二人に襲いかかられた最初の犠牲者は、五秒で地面に倒れた。長野のメリケンサックのスパイクが二の腕を裂くと、すかさず橋本が腹にパンチとキックを打ち込んだのだ。少女の叫び声が、ギャルサーたちの恐怖心を煽った。
二人は息の合ったダンスのような連携プレーで、次から次へと少女たちを倒していった。長野のメリケンサックが一振りされるとだれかの血けむりが舞い、橋本のキックが心地よい打撃音を上げるとだれかが倒れた。
シブヤは脅しに使ったものの、ここにいる二十人のギャルサーたちはケンカが強いわけではない。そもそも亜利絵根十傑集探しと、心理的圧迫を与えるために連れてきただけだ。
三十秒もかからないうちに、半分近くのギャルサーたちがゴミと砂にまみれ、身をよじっていた。
シブヤはなにかのマンガで読んだ、「地獄絵図」という言葉を思い出した。
まだ無傷の者は一斉に出入口の扉に殺到した。彼女たちにとってラッキーだったのは、長野と橋本を逃がさないようにあらかじめ扉の近くにいたため、たどり着きやすかったこと。アンラッキーだったのはその扉が内側に向かって開くタイプだったことだ。
みんなが狭いスペースに密集したため、扉は鍵もかかっていないのに引くことができなかった。冷静に、一人が二歩ずつでも下がれば扉は開き、少なくとも三人くらいは逃げられたかもしれない。だが、残念なことに彼女たちは完全にパニック状態で、そんな判断はできなかった。
長野せりなと橋本楓は、彼女たちの背後から襲いかかった。戦意を喪失し、背中を見せている者を倒すのはケンカでも戦闘でもなく、単なる「作業」だった。
次々と上がる叫び声に、シブヤは戦慄した。しかし、そのパニックの有様や、人間はこうも簡単に倒されるのかと思うと、なんだか少しおかしい気もする。恐怖の末の笑いなのか、情けない人間の姿を見たからなのか――どちらかは自分で判断できなかったが、とにかく不思議とおかしさがこみ上げてきた。
全員が地面でのた打ち回るまで、一分もかからなかった。扉の前には血まみれの人の山ができていた。外に出るためには、この山を崩さなくてはならず、それはとても時間のかかる仕事のように思われた。
つまり――いまや、閉じ込められたのはシブヤと山椒姉妹とダンスの五人だった。
シブヤは自分の脚が震えていることに気づいた。
「ダンス――行くぞ……」
もう意味のないこととは知っていても、シブヤはそう命じざるをえなかった。自分以外に闘えるのはダンスしかいない。
「はい」ダンスは大きな瞳を見開いて頷いた。「自分が先に行きます」
「お前は長野を押さえろ。そのあいだにあたしが橋本をやる」
シブヤは言いながら、もうサドに抱かれることはないだろうな、と寂しくなった。
ダンスが走り出し、そして叫んだ。「この、クソガキどもがぁぁぁぁぁぁ……」
吹奏楽部の部室には夕日が差し込み、一日の終わりを告げようとしていた。
サドは大島優子のことを考えていた。
昭和、ジャンボ、ライス、アニメの四人はもう帰らせた。優子のことを想うときは一人でいたかった。
――優子さんはいつまで生きられるのか……。
病院で聞いた衝撃の言葉は、いつもサドの心に沈んでいる。なにをしていても、ふとそれが思い出される。
自分が短い人生で、初めて本当に愛した人が、来年の今頃にはもういなくなっているかもしれない。
考えただけで胸がいたい。
もちろん希望は捨てていない。もう一度、大島優子と一緒に闘う日がきっと来る――そう信じている。
そのためには今は病院で養生し、病気を治すことに専念していてほしい。
病床で一人闘っている大島優子には、亜利絵根との闘いを知らせてなかった。大島優子のことだ、それを知れば担当医の反対など無視して学校に来るだろう。彼女は彼女なりに、この腐った学校を愛しているからだ。
――私が私だけで解決しなくてはいけない。
そのとき、携帯電話のメール着信音が鳴った。
サドはポケットから携帯電話を取り出し、それを開いた。
メールの差出人はシブヤ。そろそろ亜利絵根の十傑集とやらの闘いも終わっただろうという時刻だった。
だが、そのメールには件名も本文もなく、写真が添付されているだけだった。
写真には、こちらに向かってピースサインをする、見たことのないツインテールの少女が写っていた。自分で自分を撮ったらしい構図で、後ろではシブヤとダンスが金網に手錠で吊るされていた。
サドは思わず携帯電話を閉じた。
わかっているのに、吹奏楽部の部室にだれもいないことを確認した。
サドはもう一度その写真を見ようと携帯電話を開いたとき、二通目のメールが届いた。
今度の写真は横長の構図で、山椒姉妹が三人とも、シブヤと同じ目に合っていた。一枚目とは違う少女がにこにこと微笑んでいた。まるで観光地のオブジェの前で、修学旅行生が撮った記念写真のようなテンションが、その笑顔から伝わってきた。
メールはそれだけしか来なかった。
シブヤが負けた事実は受け入れがたかった。こんなことを大島優子に知られたら、留守を預かる身として申し訳が立たない。
サドは怒りと衝撃で、なにから考えるべきなのかわからなくなった。
【つづく】
・某テレビドラマのパロディ小説です。パロ嫌いな人は読まないでね。
・あとから矛盾とか出てきたらこっそり書き直します。
・著者の上戸に格闘技経験はないので、おかしな箇所があったらこっそり教えてください。こっそり書き直します。
■映画『シャーロックホームズ』見た。
ホームズ物ってあんまり好きじゃなかったんだけど、これは楽しめた。今までにないホームズのイメージだが、実は原点からはそんなに逸脱していない。これまでスポットがあまり当たっていなかった部分を誇張しているだけだ。アクション主体だけどロジカルな部分もちゃんと考えてあって、まあミステリ映画というほどではないけど、不可能興味もいくらかは満足させてくれる。
それから、この映画は基本的に「やおい」要素がかなり強いので腐女子の方にオススメ!!! やあい気質のないおれが見ても、「この二人できてるじゃん」と思ったくらいだし。
あと、思い出したのは島田荘司の傑作『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』。このホームズも好きだなあ。映画を見て、異端のホームズ物が気に入った人はぜひ読んでみて。
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■映画『息もできない』も見た。
これはかなりの傑作で、今年のベスト候補だ。韓国映画って、少なくともおれが見た限りではまずハズレがない。ほとんどに共通するのが「後味の苦さ」で、これは今の邦画に完全にない要素だ。
見ていると居た堪れない感情が沸き起こってくるんだけど、最終的に「映画的な解決」では解決されなくて、なにかが心に残っている。なぜそれができるかというと、人間の良さと悪さをきちんと描くからだろう。きれいな部分しか見せない『食堂かたつむり』みたいな作品に感じる腹立たしさがそれだ。たとえばキム・コッピのキャラクター、日本で作ったらもっと純粋なだけの女の子に設定すると思う。
映画は邦画、洋画を問わず、最近やたらに規制されているけど、この作品もR15の指定を受けている。暴力描写がその理由だと思うけど、こういう作品こそ子供に見せるべき。思春期の、暴力でしか自分を主張できない子とか。暴力をふるい続ける無意味さを教えたほうがいい。
というわけでとにかくオススメなんだけど、東京では渋谷のシネマライズでしか上映してないんですよ、これ。てゆーか、全国でも3館だけ……。『ライアーゲーム』やめて、これかけろ!!!
あと、シネマライズで見るときは2階席の一番前はやめたほうがいいよ。背の高さにもよるけど、柵がスクリーンにかぶって字幕が見にくいです。
ホームズ物ってあんまり好きじゃなかったんだけど、これは楽しめた。今までにないホームズのイメージだが、実は原点からはそんなに逸脱していない。これまでスポットがあまり当たっていなかった部分を誇張しているだけだ。アクション主体だけどロジカルな部分もちゃんと考えてあって、まあミステリ映画というほどではないけど、不可能興味もいくらかは満足させてくれる。
それから、この映画は基本的に「やおい」要素がかなり強いので腐女子の方にオススメ!!! やあい気質のないおれが見ても、「この二人できてるじゃん」と思ったくらいだし。
あと、思い出したのは島田荘司の傑作『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』。このホームズも好きだなあ。映画を見て、異端のホームズ物が気に入った人はぜひ読んでみて。
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■映画『息もできない』も見た。
これはかなりの傑作で、今年のベスト候補だ。韓国映画って、少なくともおれが見た限りではまずハズレがない。ほとんどに共通するのが「後味の苦さ」で、これは今の邦画に完全にない要素だ。
見ていると居た堪れない感情が沸き起こってくるんだけど、最終的に「映画的な解決」では解決されなくて、なにかが心に残っている。なぜそれができるかというと、人間の良さと悪さをきちんと描くからだろう。きれいな部分しか見せない『食堂かたつむり』みたいな作品に感じる腹立たしさがそれだ。たとえばキム・コッピのキャラクター、日本で作ったらもっと純粋なだけの女の子に設定すると思う。
映画は邦画、洋画を問わず、最近やたらに規制されているけど、この作品もR15の指定を受けている。暴力描写がその理由だと思うけど、こういう作品こそ子供に見せるべき。思春期の、暴力でしか自分を主張できない子とか。暴力をふるい続ける無意味さを教えたほうがいい。
というわけでとにかくオススメなんだけど、東京では渋谷のシネマライズでしか上映してないんですよ、これ。てゆーか、全国でも3館だけ……。『ライアーゲーム』やめて、これかけろ!!!
あと、シネマライズで見るときは2階席の一番前はやめたほうがいいよ。背の高さにもよるけど、柵がスクリーンにかぶって字幕が見にくいです。
■映画(新作)■
『すべて彼女のために』
『渇き』
『パレード』
『ニューヨーク、アイラブユー』
『時をかける少女』
『プリンセスと魔法のキス』
『ブルーノ』
『ハート・ロッカー』
『マイレージ・マイライフ』
■映画(旧作)■
『ボラット』
■新作順位■
1『(500)日のサマー』
2『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
3『ブルーノ』
4『ハート・ロッカー』
5『ラブリーボーン』
6『インビクタス』
7『渇き』
8『プリンセスと魔法のキス』
9『涼宮ハルヒの消失』
10『コララインと魔法のボタン』
11『すべて彼女のために』
12『マイレージ・マイライフ』
13『時をかける少女』
14『パレード』
15『シャネル&ストラヴィンスキー』
16『サロゲート』
17『ニューヨーク、アイラブユー』
18『パーフェクト・ゲッタウェイ』
19『かいじゅうたちのいるところ』
20『食堂かたつむり』
いやぁ、先月はたくさん見たなあ。多分、自己記録だと思うよ、一と月に劇場で見た映画の数の。これまでほとんど見てこなかったからねw
『すべて彼女のために』は尾久セントラルくんに誘われ、どんな内容かも知らずに見たんだけど当たりだった。普通のサスペンスのストーリーとはちがうアプローチの仕方が良かった。外国の司法制度がよくわからなかったりもするけど、おっさんが周りの意思など関係なく、がむしゃらに突き進むといった意味では去年見た『96時間』テイストも入っているので、おっさん好きの人にはオススメ。
『渇き』は完全に日本映画よりレベルの高い韓国映画。ジャンルで分けるとするとホラーになるのかもしれないけど、そういうものを超えたなにかがある。とはいえ、なによりもキム・オクビンのかわいらしさと美しさとbitchっぷりがいい!!! それを見るだけでもいい映画。それにしても、韓国映画って見終わった後に釈然としない感じが残って、それがとてもいいね。
『パレード』は宇多丸のシネマハスラー課題映画なので見てみた。30分もするとオチはわかってしまうものの、それなりの吸引力はある。宇多丸の言う通り、最後のあのシーンの演出は完全にまちがっていると思うけど。
『ニューヨーク、アイラブユー』は見た後はつまんなかったなー、と思ったけど、最初のスリのエピソードや、車椅子の女とセックスする話と、マギー・Qの出てくるシーンはけっこう好きかもw オススメってほどじゃないが。
『時をかける少女』については前に書いたので略。
『プリンセスと魔法のキス』は大人の鑑賞に堪えうるアニメで、なにからなにまで「ちゃんとしてる」。ストーリー運びや物語のまとめ方とかだけ考えると、この映画が今年見た中でもっとも優れていると思う。ディズニーのお姫様モノだと思って見ていると、喪男代表みたいなやつが出てきて、最後には思わず男泣きさせられるので、40代男子も見たほうがいいよw ただ、おれはディズニーのフルアニメ主義があんまり好きじゃなくて、あと暴力描写のルールが未だにわからない。本で叩かれたカエルは平らになるだけなのに、どうしてあのキャラクターは……(以下ネタバレにつき自粛)。昔から、アメリカのアニメってそういう点が馴染めなくて、明らかなギャグでも全然笑えなかった。
『ブルーノ』はオチンチンギャグの宝庫で下ネタ好きな人は爆笑できることまちがいなし。多くの人が賛同してくれると思うけど、オススメのシーンはやっぱり霊媒師のアレだよね。たしかに黒人の子供のエピソードとか笑っていいやら……といった点もあって、引いてしまう箇所もなくはない(もちろんフィクションの部分とわかった上で言ってますよ)。それでも非デートムービー好きとしては推さずにいられない一本。
『ハート・ロッカー』は宇多丸vs町山智宏のポットキャストでの論争を聞くためだけにでも見る価値のある映画。作品の解釈を巡る二人の議論は聞いていてどきどきした。もしかしたらどちらが怒ったりしないかな、と怖い思いさえする。それって、まさに『ハートロッカー』の爆弾みたいじゃないかw ちなみにおれは、ラストの解釈は町山派。ネタバレしないように書くと、あそこでは触れられていなかったけど、子供というのが大きな意味を持っていると思う。もちろん、子供だけを助けたいわけじゃないんだろうけどね。二人の論争を聞いて、おれが今できることってなんだろう、と考えた。やっぱりフェチ写真や動画を撮ったり競馬の本とAKB48の妄想小説を書いたりすることかなw
『マイレージ・マイライフ』はかなり人が入っているみたいで、おれが見た回は満席だった。シャンテじゃなくて日劇でかければいいのに。ま、そう簡単にはいかないんだろうが。感想は前にちょっと書いたので略。
今月は『第9地区』とか『シャッターアイランド』とか『アリス』とか、期待できそうなのがたくさんやるので楽しみです!!!
『すべて彼女のために』
『渇き』
『パレード』
『ニューヨーク、アイラブユー』
『時をかける少女』
『プリンセスと魔法のキス』
『ブルーノ』
『ハート・ロッカー』
『マイレージ・マイライフ』
■映画(旧作)■
『ボラット』
■新作順位■
1『(500)日のサマー』
2『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
3『ブルーノ』
4『ハート・ロッカー』
5『ラブリーボーン』
6『インビクタス』
7『渇き』
8『プリンセスと魔法のキス』
9『涼宮ハルヒの消失』
10『コララインと魔法のボタン』
11『すべて彼女のために』
12『マイレージ・マイライフ』
13『時をかける少女』
14『パレード』
15『シャネル&ストラヴィンスキー』
16『サロゲート』
17『ニューヨーク、アイラブユー』
18『パーフェクト・ゲッタウェイ』
19『かいじゅうたちのいるところ』
20『食堂かたつむり』
いやぁ、先月はたくさん見たなあ。多分、自己記録だと思うよ、一と月に劇場で見た映画の数の。これまでほとんど見てこなかったからねw
『すべて彼女のために』は尾久セントラルくんに誘われ、どんな内容かも知らずに見たんだけど当たりだった。普通のサスペンスのストーリーとはちがうアプローチの仕方が良かった。外国の司法制度がよくわからなかったりもするけど、おっさんが周りの意思など関係なく、がむしゃらに突き進むといった意味では去年見た『96時間』テイストも入っているので、おっさん好きの人にはオススメ。
『渇き』は完全に日本映画よりレベルの高い韓国映画。ジャンルで分けるとするとホラーになるのかもしれないけど、そういうものを超えたなにかがある。とはいえ、なによりもキム・オクビンのかわいらしさと美しさとbitchっぷりがいい!!! それを見るだけでもいい映画。それにしても、韓国映画って見終わった後に釈然としない感じが残って、それがとてもいいね。
『パレード』は宇多丸のシネマハスラー課題映画なので見てみた。30分もするとオチはわかってしまうものの、それなりの吸引力はある。宇多丸の言う通り、最後のあのシーンの演出は完全にまちがっていると思うけど。
『ニューヨーク、アイラブユー』は見た後はつまんなかったなー、と思ったけど、最初のスリのエピソードや、車椅子の女とセックスする話と、マギー・Qの出てくるシーンはけっこう好きかもw オススメってほどじゃないが。
『時をかける少女』については前に書いたので略。
『プリンセスと魔法のキス』は大人の鑑賞に堪えうるアニメで、なにからなにまで「ちゃんとしてる」。ストーリー運びや物語のまとめ方とかだけ考えると、この映画が今年見た中でもっとも優れていると思う。ディズニーのお姫様モノだと思って見ていると、喪男代表みたいなやつが出てきて、最後には思わず男泣きさせられるので、40代男子も見たほうがいいよw ただ、おれはディズニーのフルアニメ主義があんまり好きじゃなくて、あと暴力描写のルールが未だにわからない。本で叩かれたカエルは平らになるだけなのに、どうしてあのキャラクターは……(以下ネタバレにつき自粛)。昔から、アメリカのアニメってそういう点が馴染めなくて、明らかなギャグでも全然笑えなかった。
『ブルーノ』はオチンチンギャグの宝庫で下ネタ好きな人は爆笑できることまちがいなし。多くの人が賛同してくれると思うけど、オススメのシーンはやっぱり霊媒師のアレだよね。たしかに黒人の子供のエピソードとか笑っていいやら……といった点もあって、引いてしまう箇所もなくはない(もちろんフィクションの部分とわかった上で言ってますよ)。それでも非デートムービー好きとしては推さずにいられない一本。
『ハート・ロッカー』は宇多丸vs町山智宏のポットキャストでの論争を聞くためだけにでも見る価値のある映画。作品の解釈を巡る二人の議論は聞いていてどきどきした。もしかしたらどちらが怒ったりしないかな、と怖い思いさえする。それって、まさに『ハートロッカー』の爆弾みたいじゃないかw ちなみにおれは、ラストの解釈は町山派。ネタバレしないように書くと、あそこでは触れられていなかったけど、子供というのが大きな意味を持っていると思う。もちろん、子供だけを助けたいわけじゃないんだろうけどね。二人の論争を聞いて、おれが今できることってなんだろう、と考えた。やっぱりフェチ写真や動画を撮ったり競馬の本とAKB48の妄想小説を書いたりすることかなw
『マイレージ・マイライフ』はかなり人が入っているみたいで、おれが見た回は満席だった。シャンテじゃなくて日劇でかければいいのに。ま、そう簡単にはいかないんだろうが。感想は前にちょっと書いたので略。
今月は『第9地区』とか『シャッターアイランド』とか『アリス』とか、期待できそうなのがたくさんやるので楽しみです!!!