矢口真里主演の『銭湯の娘!?』が始まりました。
『濡れ娘。』の情報掲示板に書き込みがあり、wetシーンが期待できそう、とのこと。まあ、そうでなくても矢口が出てるなら、ちょっと見てみようと思っていたのですが。
で、昨日はその第一回。録画しておいたものを、妻が作ってくれたカレーライスを食べながらみたのですが、残念ながらwetシーンはなし。けど、舞台設定が銭湯ですから、いつかはドボンと行ってくれるでしょう。
それでも、矢口が煙突に昇るシーンでパンストを穿いていることがわかったので、パンスト・フェチである、ぼく的にはかなり満足でした。スカートの中が見えそうで見えなかったあたりもよかったです。『キング・コング』のナオミ・ワッツを思い出しましたよ。
そして、wetや脚フェチとは関係ないのですが、ドラマを見て思ったことがあります。それは、なんて親切なドラマなんだ、ということです。
なにしろ、矢口は心の中で思っていることをすべて台詞として話してくれるのです。そんな心境だってことはいちいち言わなくてもわかるだろう、というようなシーンでも、ちゃんと言葉にしてくれます。言い方を変えれば、下手糞な脚本だ、ということです(身も蓋もないこと言うな)。でも、しばらく見ていくうちに、これはこれで良いのだと気づきましたよ。
この時間帯のドラマは、家事の合間や、昼ごはんを食べたりしながら見るものでしょうから、わかりやすいことが第一で、面白すぎてはいけないのだ、と。
ちょっとでも目を離すとわからなくなるほど込み入ったストーリーでは、視聴者は気楽に見られません。ぼんやり見てみてもわかるように、キャラクタは考えていることを独り言で言います。多分、だれが書いてもリテイクを出され、同じような出来になってしまうでしょう。
そういえば、『笑う世間は鬼ばかり』もすべてを台詞で説明していたなぁ……。これは偏見で言うのだが、昼ドラを見る人と『笑う』を見る人は基本的に同じような気がします。
とりあえず、『銭湯の娘!?』は毎日、2倍速で見ることにします(笑)。
『濡れ娘。』の情報掲示板に書き込みがあり、wetシーンが期待できそう、とのこと。まあ、そうでなくても矢口が出てるなら、ちょっと見てみようと思っていたのですが。
で、昨日はその第一回。録画しておいたものを、妻が作ってくれたカレーライスを食べながらみたのですが、残念ながらwetシーンはなし。けど、舞台設定が銭湯ですから、いつかはドボンと行ってくれるでしょう。
それでも、矢口が煙突に昇るシーンでパンストを穿いていることがわかったので、パンスト・フェチである、ぼく的にはかなり満足でした。スカートの中が見えそうで見えなかったあたりもよかったです。『キング・コング』のナオミ・ワッツを思い出しましたよ。
そして、wetや脚フェチとは関係ないのですが、ドラマを見て思ったことがあります。それは、なんて親切なドラマなんだ、ということです。
なにしろ、矢口は心の中で思っていることをすべて台詞として話してくれるのです。そんな心境だってことはいちいち言わなくてもわかるだろう、というようなシーンでも、ちゃんと言葉にしてくれます。言い方を変えれば、下手糞な脚本だ、ということです(身も蓋もないこと言うな)。でも、しばらく見ていくうちに、これはこれで良いのだと気づきましたよ。
この時間帯のドラマは、家事の合間や、昼ごはんを食べたりしながら見るものでしょうから、わかりやすいことが第一で、面白すぎてはいけないのだ、と。
ちょっとでも目を離すとわからなくなるほど込み入ったストーリーでは、視聴者は気楽に見られません。ぼんやり見てみてもわかるように、キャラクタは考えていることを独り言で言います。多分、だれが書いてもリテイクを出され、同じような出来になってしまうでしょう。
そういえば、『笑う世間は鬼ばかり』もすべてを台詞で説明していたなぁ……。これは偏見で言うのだが、昼ドラを見る人と『笑う』を見る人は基本的に同じような気がします。
とりあえず、『銭湯の娘!?』は毎日、2倍速で見ることにします(笑)。
あるマンガが映画化されることになり、ネットの某所ではその原作ファンから早くも不安の声が上がっていました。
原作のファンはキャスティングやら監督やらがだれになるのか、などと憶測しあっています。これらの声の裏には、「原作のイメージを壊さないでほしい」という気持ちがあるのでしょう。
こういう反応はファンとしては当然のことなのでしょうが、しかし、原作と映画は別のものです。原作はあくまでも原作であって、映画は映画なのです。
そもそも原作のファンは、どういうふうに作ったところで100%の満足はしないでしょう。原作者や漫画家がキャストを選び、脚本を書き、監督をしたとしても。
二次元のマンガを三次元の映像にするわけですから、これはどうやったってちがうモノになるに決まっています。そう思って見るほうが、精神衛生上もよろしい。てゆーか、ぐだぐだ文句言うなら見なければいいだけの話でしょう。
『実写版美少女戦士セーラームーン』も、一部の原作ファンからはボロクソに言われていました。ぼくは原作のマンガもアニメも見ていないからわかりませんが、ぼくにとって『実写版美少女戦士セーラームーン』が大傑作であることは変わりなく、それがどの程度「原作」と近いのかはどうでもよいことでした(だからアニメもマンガも見ていない)。
そんなに原作がいじられるのが嫌なら、見なければいいんです。原作付の映画やアニメに客が入らなければ、映画会社はそういうものには手をつけなくなります。
ただ、それだけのことだと思うのですが……。
『実写版 美少女戦士セーラームーン』のDVDを見てみる。
原作のファンはキャスティングやら監督やらがだれになるのか、などと憶測しあっています。これらの声の裏には、「原作のイメージを壊さないでほしい」という気持ちがあるのでしょう。
こういう反応はファンとしては当然のことなのでしょうが、しかし、原作と映画は別のものです。原作はあくまでも原作であって、映画は映画なのです。
そもそも原作のファンは、どういうふうに作ったところで100%の満足はしないでしょう。原作者や漫画家がキャストを選び、脚本を書き、監督をしたとしても。
二次元のマンガを三次元の映像にするわけですから、これはどうやったってちがうモノになるに決まっています。そう思って見るほうが、精神衛生上もよろしい。てゆーか、ぐだぐだ文句言うなら見なければいいだけの話でしょう。
『実写版美少女戦士セーラームーン』も、一部の原作ファンからはボロクソに言われていました。ぼくは原作のマンガもアニメも見ていないからわかりませんが、ぼくにとって『実写版美少女戦士セーラームーン』が大傑作であることは変わりなく、それがどの程度「原作」と近いのかはどうでもよいことでした(だからアニメもマンガも見ていない)。
そんなに原作がいじられるのが嫌なら、見なければいいんです。原作付の映画やアニメに客が入らなければ、映画会社はそういうものには手をつけなくなります。
ただ、それだけのことだと思うのですが……。
『実写版 美少女戦士セーラームーン』のDVDを見てみる。
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小樽運河をあとにしたおれたちは、帰りの電車の時刻まで余裕があったため、アーケード商店街の喫茶店に入ることにした。クラシカルな装飾品でいっぱいの店内には、あちこちに撮影禁止と書かれていた。まあ、これだけのものが並んでいるのだから撮りたくはなる。けれども撮影OKにすると際限ないのだろう。
正直言えば、おれは喫茶店でダベるよりも、寒さの中であろうと小樽の町をうろつきたかった。喫茶店でダベるなんて、東京でもできるではないか。てゆーか、ここにいるのは毎週うちに来て、ダベっているメンバーなのである。なにが悲しゅうて、喫茶店に入らなくてはならないのだ……と思ったものの、おれたちみんなはすっかり疲れて、おしゃべりするどころではなく、静かに飲み物を飲み、40分ほど時間をつぶした。
途中、A姉さんから電話がかかってきた。いまは旦那さんと一緒に札幌の「まんだらけ」に来ているという。ひさしぶりに夫婦そろって札幌に出たので、あちこち歩いているのだとか。お二人を札幌に誘った甲斐があるというものだ……。
小樽駅では、記念に馬券を写した。
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どうやってもブレてしまうので、フラッシュ炊いたけど、背景が暗くなってしまうし……。ホントは見せたくない写真だが、記念なので公開。
前もって指定席券を買っていたので、帰りはラクチンだった。自由席は満席で、立っている人もいたから、300円の指定席券は安い。小樽から新千歳空港まで行く人は、前もって買っておくことをお勧めする。
空港に着くと、まだまだ時間が余っているのでお土産を買うことにした。といっても、親しい友達や頼まれた人にのみ。会社の連中にはなんにも買わない。そもそも、北海道に旅行したことは内緒なのだ。言えば土産を買わなくてはならず、うちの会社は人数が多いので、全員に回るようにするにはけっこうなお金がかかってしまう。そんなカネがあるなら、親しい人への土産を豪華にしたほうがよいではないか。
A姉さんからANAの土産物屋で使える割引チケットをもらっていたが、案の定、「白い恋人」などの売れ筋商品には使えず。こういう商売の仕方、なんとかならんのかね。「白い恋人」をたくさん買おうとしていた客が、レジで初めて聞いたらしく驚いていた。そりゃそうだよな。たしかにチケットには一部商品を除く、とは書いてあるけど……。
土産物を買ったあとは、腹が減ったのでなにか食べようと思ったが、いいお店がなかったため、一階のローソンでおにぎりを買った。ロビーに座ってぱくつく。北海道最後の食事がコンビニのおにぎりとは、なんともさびしい。
そして、ようやくフライトの時間が来た。おれたちは飛行機に乗り込んだが、おれとみんなは別々にチケットを発券したため、席が別々であった。一人はさびしかったが仕方ない。とぼとぼと自分の席に着いた。
しばらくすると、斜め前の席に座っている、見るからに体育会系の体格の男が携帯電話をかけだした。機内での携帯電話の使用はもちろん禁止されている。すかさずスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、注意をした。男は無愛想に応答し、話をやめた。
だが、それから五分もたたないうちに、その男はメールを打ち出したのだ。携帯電話の電源を切るように、とスチュワーデス(って言わないのか、いまは)に言われただろう! こういうバカは本当に頭にくる。そんなに重要な用事があるなら、飛行機を降りろ。
再びスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、かなり強い口調で「先ほどお願いしましたが、聞いていただけないのでしたら、航空法により降りていただくことになります」というようなことを言った。周りの空気が緊張に支配された。体育会系の男はさすがに顔色を変え、今度は携帯電話の電源を切ったようだった。
おれは自分自身が文化系の人間だからなのかはわからないが、こういう横柄な態度の体育会系の人間には反射的に嫌悪感を感じてしまう(偏見以外のなにものでもない)。こいつはスチュワーデス(って言わないのか、いまは)を舐めていたのだろう。ムカつくなぁ。見つからなかったらそれでいい、という感じがぷんぷん漂っていた。
もっとも、このバカを注意したスチュワーデス(って言わないのか、いまは)のお姉さんはおれ好みの美人で、おれも厳しく叱られたいなぁ、と思ってみたりみなかったり。
ともかく。飛行機はなんのトラブルもなく離陸し、そして無事羽田に着いた。
夜間飛行だったので、ぼくと妻が自宅に着いたのは深夜になろうとする時間だった。
体は疲れているのに、布団に入っても、興奮で眠れなかった。なにかのイベントの後はいつもこうだ。でも、目を閉じてあれこれ回想するその時間も、また旅行のひとつの楽しみなのだ……。
【おしまい】
正直言えば、おれは喫茶店でダベるよりも、寒さの中であろうと小樽の町をうろつきたかった。喫茶店でダベるなんて、東京でもできるではないか。てゆーか、ここにいるのは毎週うちに来て、ダベっているメンバーなのである。なにが悲しゅうて、喫茶店に入らなくてはならないのだ……と思ったものの、おれたちみんなはすっかり疲れて、おしゃべりするどころではなく、静かに飲み物を飲み、40分ほど時間をつぶした。
途中、A姉さんから電話がかかってきた。いまは旦那さんと一緒に札幌の「まんだらけ」に来ているという。ひさしぶりに夫婦そろって札幌に出たので、あちこち歩いているのだとか。お二人を札幌に誘った甲斐があるというものだ……。
小樽駅では、記念に馬券を写した。
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どうやってもブレてしまうので、フラッシュ炊いたけど、背景が暗くなってしまうし……。ホントは見せたくない写真だが、記念なので公開。
前もって指定席券を買っていたので、帰りはラクチンだった。自由席は満席で、立っている人もいたから、300円の指定席券は安い。小樽から新千歳空港まで行く人は、前もって買っておくことをお勧めする。
空港に着くと、まだまだ時間が余っているのでお土産を買うことにした。といっても、親しい友達や頼まれた人にのみ。会社の連中にはなんにも買わない。そもそも、北海道に旅行したことは内緒なのだ。言えば土産を買わなくてはならず、うちの会社は人数が多いので、全員に回るようにするにはけっこうなお金がかかってしまう。そんなカネがあるなら、親しい人への土産を豪華にしたほうがよいではないか。
A姉さんからANAの土産物屋で使える割引チケットをもらっていたが、案の定、「白い恋人」などの売れ筋商品には使えず。こういう商売の仕方、なんとかならんのかね。「白い恋人」をたくさん買おうとしていた客が、レジで初めて聞いたらしく驚いていた。そりゃそうだよな。たしかにチケットには一部商品を除く、とは書いてあるけど……。
土産物を買ったあとは、腹が減ったのでなにか食べようと思ったが、いいお店がなかったため、一階のローソンでおにぎりを買った。ロビーに座ってぱくつく。北海道最後の食事がコンビニのおにぎりとは、なんともさびしい。
そして、ようやくフライトの時間が来た。おれたちは飛行機に乗り込んだが、おれとみんなは別々にチケットを発券したため、席が別々であった。一人はさびしかったが仕方ない。とぼとぼと自分の席に着いた。
しばらくすると、斜め前の席に座っている、見るからに体育会系の体格の男が携帯電話をかけだした。機内での携帯電話の使用はもちろん禁止されている。すかさずスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、注意をした。男は無愛想に応答し、話をやめた。
だが、それから五分もたたないうちに、その男はメールを打ち出したのだ。携帯電話の電源を切るように、とスチュワーデス(って言わないのか、いまは)に言われただろう! こういうバカは本当に頭にくる。そんなに重要な用事があるなら、飛行機を降りろ。
再びスチュワーデス(って言わないのか、いまは)がやってきて、かなり強い口調で「先ほどお願いしましたが、聞いていただけないのでしたら、航空法により降りていただくことになります」というようなことを言った。周りの空気が緊張に支配された。体育会系の男はさすがに顔色を変え、今度は携帯電話の電源を切ったようだった。
おれは自分自身が文化系の人間だからなのかはわからないが、こういう横柄な態度の体育会系の人間には反射的に嫌悪感を感じてしまう(偏見以外のなにものでもない)。こいつはスチュワーデス(って言わないのか、いまは)を舐めていたのだろう。ムカつくなぁ。見つからなかったらそれでいい、という感じがぷんぷん漂っていた。
もっとも、このバカを注意したスチュワーデス(って言わないのか、いまは)のお姉さんはおれ好みの美人で、おれも厳しく叱られたいなぁ、と思ってみたりみなかったり。
ともかく。飛行機はなんのトラブルもなく離陸し、そして無事羽田に着いた。
夜間飛行だったので、ぼくと妻が自宅に着いたのは深夜になろうとする時間だった。
体は疲れているのに、布団に入っても、興奮で眠れなかった。なにかのイベントの後はいつもこうだ。でも、目を閉じてあれこれ回想するその時間も、また旅行のひとつの楽しみなのだ……。
【おしまい】
旅先での、ひと時のロマンスに別れを告げ、おれは小樽運河を目指して国道沿いを歩いた。
時間はそろそろ三時半を過ぎていた。そろそろエリザベス女王杯の出走時間だ。この旅行記の7にも書いたが、おれは競馬はできるだけリアルタイムで見たいのだ。なにしろ『濡れ娘。』の撮影中でも、出走時刻になるとカメラを一旦止めるくらいだ(自慢できることじゃねぇだろ)。そのくらいリアルタイムにはこだわっているのである。
しかし今日は旅行中。ウインズ小樽はない。「グリーンチャンネル放送中」と看板を出している喫茶店もない。テレビを見られる場所はないのだ。さすがのおれも、今年のエリザベス女王杯は家に帰ってから、タイマー予約しておいた録画で見るしかない、とあきらめていた。
だから、
レースの結果は家につくまで絶対に知りたくなかった。
おれは携帯電話の時計表示を見ながら、「ああ、いまごろはファンフアーレが鳴っているころだろうなぁ……」と、感慨に耽った。みんなは「寒い」を連発していたが、おれの心は遠く離れた京都淀の競馬場に飛んでいたので寒くなかった。
おれの心の中では◎スイープトウショウが最後の直線で、最後方から大外を回って突っ込んできていた。「差せーっ」と、心の中で声をあげた……しかし、所詮は妄想でしかない。
せっかく港町の風情いっぱいの小樽に来たのだ、競馬のことなど忘れ、この風景を心に焼き付けておこう……と、気分転換をした、その瞬間、
スイープトウショウの勝負服を着た池添騎手が、馬の背でガッツポーズをしているテレビ画面が、おれの視界に映し出されたのだ!
「ああ!」
おれは大声を上げてしまった。みんなが、どうした、と振り返った。
テレビは土産物屋の中に設置されていて、それがこともあろうに外に画面を向けているのである。まるで、おれに見ろ、と言わんばかりに。
池添がガッツポーズをしているということは、スイープトウショウが勝ったということか……。そ、そうか、そうなら嬉しい。しかし……。
おれは事態を把握しつつ、みんなにあれを見てくれ、と伝えた。馬券を買ったHもNも、リアルタイムで中継を見る、ということにはさほどこだわっていない。さっきも、別のレースの結果を携帯電話で調べていたくらいだ。だからエリザベス女王杯のレースを見る前に結果を知ってしまったことをがっくりしているのは、おれだけなのだ。
もう、こうなったら見てしまえ、配当も出るだろう、と、おれはみんなと一緒に土産物屋に入った。テレビの中ではレースのリプレイが流れていた。スイープトウショウはおれの予想通り、大外を強襲し、信じられない鬼脚で勝った。ああ、本当にリアルタイムで見たかった。きっと、ハラハラドキドキできただろう。その結果、自分の◎が勝ったのならば、こんなに嬉しいことはない。
せめて、あと3分、この土産物屋の前を早く通っていれば……。それならきっと、店内で最初からレースを見られたのに……。おれはテレビを探すべきだったのだ。別室送りになっても最後の最後まであきらめなかったカイジのように。
自分の本命馬が勝ったというのに、嬉しいんだか嬉しくないんだか、複雑な気持ちになった。馬券を的中させて、素直に喜べなかったのは、これがはじめてである。
結局、スイープトウショウの単勝配当は280円。ワイドはハズれたが、おいしい馬券だった。
儲かったのに失意のまま、おれは出抜小路をぶらついた。火の見やぐらでカップルに記念写真を頼まれ撮ってあげたり(彼氏に渡されたデジカメは、その場で撮るには露出が少なかったしホワイトバランスも狂っていたので、ちゃんと合わせた。えらいな、おれ)、コロッケを食べたりした。
それから、運河の入り口に行き、写真を撮った。

いま見ると、気の抜けた写真だ。なんの工夫もしていない。やはり、写真には撮影者の心が写るのである。
これが世に言う「エリザベス女王杯の悲劇」のすべてである。
■教訓:あきらめるな。競馬中継はどこかで見られる。
【つづく・次回は感動の最終話】
時間はそろそろ三時半を過ぎていた。そろそろエリザベス女王杯の出走時間だ。この旅行記の7にも書いたが、おれは競馬はできるだけリアルタイムで見たいのだ。なにしろ『濡れ娘。』の撮影中でも、出走時刻になるとカメラを一旦止めるくらいだ(自慢できることじゃねぇだろ)。そのくらいリアルタイムにはこだわっているのである。
しかし今日は旅行中。ウインズ小樽はない。「グリーンチャンネル放送中」と看板を出している喫茶店もない。テレビを見られる場所はないのだ。さすがのおれも、今年のエリザベス女王杯は家に帰ってから、タイマー予約しておいた録画で見るしかない、とあきらめていた。
だから、
レースの結果は家につくまで絶対に知りたくなかった。
おれは携帯電話の時計表示を見ながら、「ああ、いまごろはファンフアーレが鳴っているころだろうなぁ……」と、感慨に耽った。みんなは「寒い」を連発していたが、おれの心は遠く離れた京都淀の競馬場に飛んでいたので寒くなかった。
おれの心の中では◎スイープトウショウが最後の直線で、最後方から大外を回って突っ込んできていた。「差せーっ」と、心の中で声をあげた……しかし、所詮は妄想でしかない。
せっかく港町の風情いっぱいの小樽に来たのだ、競馬のことなど忘れ、この風景を心に焼き付けておこう……と、気分転換をした、その瞬間、
スイープトウショウの勝負服を着た池添騎手が、馬の背でガッツポーズをしているテレビ画面が、おれの視界に映し出されたのだ!
「ああ!」
おれは大声を上げてしまった。みんなが、どうした、と振り返った。
テレビは土産物屋の中に設置されていて、それがこともあろうに外に画面を向けているのである。まるで、おれに見ろ、と言わんばかりに。
池添がガッツポーズをしているということは、スイープトウショウが勝ったということか……。そ、そうか、そうなら嬉しい。しかし……。
おれは事態を把握しつつ、みんなにあれを見てくれ、と伝えた。馬券を買ったHもNも、リアルタイムで中継を見る、ということにはさほどこだわっていない。さっきも、別のレースの結果を携帯電話で調べていたくらいだ。だからエリザベス女王杯のレースを見る前に結果を知ってしまったことをがっくりしているのは、おれだけなのだ。
もう、こうなったら見てしまえ、配当も出るだろう、と、おれはみんなと一緒に土産物屋に入った。テレビの中ではレースのリプレイが流れていた。スイープトウショウはおれの予想通り、大外を強襲し、信じられない鬼脚で勝った。ああ、本当にリアルタイムで見たかった。きっと、ハラハラドキドキできただろう。その結果、自分の◎が勝ったのならば、こんなに嬉しいことはない。
せめて、あと3分、この土産物屋の前を早く通っていれば……。それならきっと、店内で最初からレースを見られたのに……。おれはテレビを探すべきだったのだ。別室送りになっても最後の最後まであきらめなかったカイジのように。
自分の本命馬が勝ったというのに、嬉しいんだか嬉しくないんだか、複雑な気持ちになった。馬券を的中させて、素直に喜べなかったのは、これがはじめてである。
結局、スイープトウショウの単勝配当は280円。ワイドはハズれたが、おいしい馬券だった。
儲かったのに失意のまま、おれは出抜小路をぶらついた。火の見やぐらでカップルに記念写真を頼まれ撮ってあげたり(彼氏に渡されたデジカメは、その場で撮るには露出が少なかったしホワイトバランスも狂っていたので、ちゃんと合わせた。えらいな、おれ)、コロッケを食べたりした。
それから、運河の入り口に行き、写真を撮った。
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いま見ると、気の抜けた写真だ。なんの工夫もしていない。やはり、写真には撮影者の心が写るのである。
これが世に言う「エリザベス女王杯の悲劇」のすべてである。
■教訓:あきらめるな。競馬中継はどこかで見られる。
【つづく・次回は感動の最終話】
小樽のメインストリートを歩き出すころには、ふわりふわりと雪が漂っていた。
みやげ物屋ばかりが並んでいるのを見ると、これだけ競合店がたくさんあって、経営はうまくやっていけているのだろうか、と心配になってしまう。おれの感覚では、2000円以上のみやげ物って、買うのに相当動機付けが必要になるのだが、それ以上の価格のものがいっぱい並んでいるのだから、買う人がいるのだろう。しゃれたアクセサリー屋にも入ったが、しょせんはブサイク軍軍曹のおれ、その場の雰囲気に耐え切れなくなってすぐに外に出た。これ以上、店内に駐留していたら、おしゃれ毒素にやられてしまう。
途中、とうもろこしやホタテを焼いて売っている店があったので、そこで小休止。みんなでもろこしやらホタテを食べた。もろこしはあまり甘くなく、一ヶ月ほど前に上野・松坂屋でやっていた北海道展のもろこしのほうがおいしかったくらいだ。ホタテは良かったが。
それにしても寒い。食べる場所は店内なのだが、そこは通路にテーブルとイスを並べただけだから吹きっさらしも同然。
食べ終わるとすぐに出て、斜め向かいのアイスクリーム屋に入った。ここは密閉されたお店なので、店内には暖房が効いている。ソフトクリームを注文し、テーブルでみんなと食べた。寒いところでは暖かいものを、暖かいところでは冷たいものを食べているのだから、よく考えたらなにがなにやらわからぬ話である。
また通りに戻って歩いていると、洋菓子店を発見。入ってみると、試食のバームクーヘンがあった。もちろん口に投下。うまい。そういえば、いつもうちのパソコンを見てくれているTくんが、大のバームクーヘン好きだった。もともとTくんも、この旅行にくる予定だったが仕事でこられなかったのだ。いつもお世話になっているから、たまにはお礼をしないと、ということで購入。
(ところが。後日談になるが、このTくんは仕事が忙しく、土日も休めない有様で、なかなかバームクーヘンを渡せなかった。結局、賞味期限が切れてしまうため、Tくんにはバームクーヘンを渡せず。最終的には、おれがいただいた。Tくん、さんきゅーです)
続いて入ったのは、地酒屋さん。妻とNは大の酒好きなので、ぜひ見たいと言い出したのだ。すると、その店内に、めっちゃくちゃかわいい店員さんがいた! これは、おれのマニアツクな趣味とは別物で、本当にかわいい女性だった。年は二十代半ばで、タレントのだれかに似ているのだが、いまだに思い出せない。強いていえば高島彩か。でも、下手したら高島よりかわいい。名札を胸につけていたので名前もわかった。名前がわかると、いろんなリアリティが出てくるんだよなぁ(なんだよ、リアリティって)。この人となら、もしかしたらやり直せるかもしれない……と、しばらく、その女性とおれの今後10年間を妄想しつつ、店を出た。
小樽運河を見ようと、おれたちは海岸沿いの道に出た。海風が寒い。
そして、この通りで「エリザベス女王杯の悲劇」がおきたのである……。
【つづく】
みやげ物屋ばかりが並んでいるのを見ると、これだけ競合店がたくさんあって、経営はうまくやっていけているのだろうか、と心配になってしまう。おれの感覚では、2000円以上のみやげ物って、買うのに相当動機付けが必要になるのだが、それ以上の価格のものがいっぱい並んでいるのだから、買う人がいるのだろう。しゃれたアクセサリー屋にも入ったが、しょせんはブサイク軍軍曹のおれ、その場の雰囲気に耐え切れなくなってすぐに外に出た。これ以上、店内に駐留していたら、おしゃれ毒素にやられてしまう。
途中、とうもろこしやホタテを焼いて売っている店があったので、そこで小休止。みんなでもろこしやらホタテを食べた。もろこしはあまり甘くなく、一ヶ月ほど前に上野・松坂屋でやっていた北海道展のもろこしのほうがおいしかったくらいだ。ホタテは良かったが。
それにしても寒い。食べる場所は店内なのだが、そこは通路にテーブルとイスを並べただけだから吹きっさらしも同然。
食べ終わるとすぐに出て、斜め向かいのアイスクリーム屋に入った。ここは密閉されたお店なので、店内には暖房が効いている。ソフトクリームを注文し、テーブルでみんなと食べた。寒いところでは暖かいものを、暖かいところでは冷たいものを食べているのだから、よく考えたらなにがなにやらわからぬ話である。
また通りに戻って歩いていると、洋菓子店を発見。入ってみると、試食のバームクーヘンがあった。もちろん口に投下。うまい。そういえば、いつもうちのパソコンを見てくれているTくんが、大のバームクーヘン好きだった。もともとTくんも、この旅行にくる予定だったが仕事でこられなかったのだ。いつもお世話になっているから、たまにはお礼をしないと、ということで購入。
(ところが。後日談になるが、このTくんは仕事が忙しく、土日も休めない有様で、なかなかバームクーヘンを渡せなかった。結局、賞味期限が切れてしまうため、Tくんにはバームクーヘンを渡せず。最終的には、おれがいただいた。Tくん、さんきゅーです)
続いて入ったのは、地酒屋さん。妻とNは大の酒好きなので、ぜひ見たいと言い出したのだ。すると、その店内に、めっちゃくちゃかわいい店員さんがいた! これは、おれのマニアツクな趣味とは別物で、本当にかわいい女性だった。年は二十代半ばで、タレントのだれかに似ているのだが、いまだに思い出せない。強いていえば高島彩か。でも、下手したら高島よりかわいい。名札を胸につけていたので名前もわかった。名前がわかると、いろんなリアリティが出てくるんだよなぁ(なんだよ、リアリティって)。この人となら、もしかしたらやり直せるかもしれない……と、しばらく、その女性とおれの今後10年間を妄想しつつ、店を出た。
小樽運河を見ようと、おれたちは海岸沿いの道に出た。海風が寒い。
そして、この通りで「エリザベス女王杯の悲劇」がおきたのである……。
【つづく】
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列車は海岸線を走る。鉛色の空の下、寒々とした海にサーファーたちが浮かんでいるのには驚いた。着ているのはドライスーツだろうが、見るからに寒そうだ。よほど好きなんだろうなあ。
札幌-小樽間は約30分。みんな、意外と早いね、と言っていた。
駅のコインロッカーに荷物を入れ、おれは愛機のデジカメ、ペンタックス*istDだけを持ち、外に出た。おれたち五人は、まずは小樽駅前市場、通称三角市場へと向かった。ここは昨日の二条市場とはちがって、建物の中にお店が並んでいる。狭くて長い、下り坂になっている通路が真ん中にあり、その両脇に小さな商店がある。海産物を売っているお店がほとんどだが、食堂みたいな食べ物屋もあった。なにか食べようかと思ったが、みんなに聞くとまだお腹が空いていないと抜かしている。スープカレー程度でおなかいっぱいになっているとは情けない。しかし、かくいうおれも、実はそんなにお腹は空いていなかった。スープカレーがまだ腹に残っているのだ(笑)。でも、せっかくこういう場所に来たのだから、ちょっと無理してでも食べたいではないか。だが、メニューにあるのは、どれも本格的に食事をするようなボリュームのものばかりで、ちょっと食してみたいなどという舐めた態度で入ったら最後、トンデモないことになりそうだった。
結局、うろうろしているうちに時間もなくなり、おれはなにも食べずに市場の外に出た。Hは、とある店のオヤジの、カニについての薀蓄を聞かされて、自宅へのお土産としてタラバカニをクール宅配便で送るとのこと。このオヤジは、たしかにいい味を出していて、まるで地方競馬の予想屋みたいだった。
市場を出たぼくらは、ぶらぶらと歩き、アーケード商店街に入った。無駄に通路が広い。中野サンモールの何倍あるだろうか。十年以上前に行った尾道のアーケード商店街も、こんなふうに広かった。地方のアーケード商店街というのは道幅が広いものなのだろうか。
天気が悪いからか、商店街にはあまり人気がなく、どこかのお店の子供だろう、通路でボール遊びをしている。静かな商店街に、その子供の歓声が響いて、物悲しかった。
そんな光景の中、ふと、とあるお店が目に付いた。「ぱんじゅう」と書かれた、汚い暖簾(失礼っ)があり、ガラスの向こうでは、ちょび髭をたくわえたおじさんが、なにかを作っている。食い物だ。直感した。
「ちと、あの店行ってみる。だれか行く?」と、おれはみんなに訊ねたが、だれも行かないと言う。仕方なく、おれは一人で店に入った。
ぱんじゅう、とは、東京で言うところの大判焼(もしくは今川焼)を小さく、そして皮を薄くしたもので、中にはあんこがたっぷり入っている。形状はたこ焼きみたいだ。黒ぶち+丸メガネ+ちょび髭のおじさんが「いままでに食べたことのない味だと思います」と、渋い声で言い、ぱんじゅうを紙袋に入れてくれた。おれが旅行客だとわかったのだろう。
だが、味は思っていたほど衝撃的なものではなかった。いや、おいしいことはおいしいのだが、おじさんの一言がおれのハードルを二段ほど上げてしまったのだ。けれども、ぜひともみんなに試してほしい味である。おれのほかの四人は食べようともしなかった。もったいない。
商店街から出ると、おれたちは港のほうにある、小樽のメインストリートを目指した。
その途中、ホテルがあったのだが、ここにいた女性ホテルマンがめちゃくちゃ、おれのタイプだった。後藤真希を、うんと美人にした感じだ。後藤もかなりかわいいが、それ以上である。
たまにこういうことがある。町を歩いていて、すれちがった女性のあまりの美しさにぽーっとなってしまい、声をかけたくなることが。それはナンパとか、お友達になりたいとか、そういうことではなく、そのときその人と出会えたことを、記録に残しておきたいという純粋な気持ちなのだ。
このときも、ただ純粋に写真を撮らせてほしいと思ったが、断られたら恥ずかしいのでやめた。みんなもいるし。そもそも、おれみたいなブサイク軍軍曹に声をかけられるだけでも、その人にしてみれば迷惑な話だろう。
軽く失恋ぽい気持ちになりながら(なんでだ)、おれはみんなとともに、先へと進んだ。
【つづく】
三日目。
今日は、Aさんご夫妻と、おれの東京の友達との食事会がある。朝食をいただいたおれは、Aさん夫妻とバスと地下鉄を乗り継ぎ、すすきのまで向かった。待ち合わせ場所は、札幌ウインズの3階(笑)。スケジュールを調整すると、どうしても朝のうちに馬券を買っておかなければならない。だからいっそのこと、ここで待ち合わせをしたほうがどちらにも都合がいいのだ。
ここでおれは、東京のみんなにAさん夫妻を紹介する際、旦那さんの名前をド忘れするというハプニングに襲われた。知っているはずなのに、本当に頭の中に浮かばないのだ。言い訳をさせてもらうと、これはこのときだけではなく、普段の会話の中でさえもよくある。「ほら、『パトレイバー』の監督で……」と、押井守という名前さえ出てこないことさえある。自分でも信じられないが、年を増すごとにこういうことが増えている。
旦那さんにトンデモない失礼をしたあと、おれは頭を「馬券モード」に切り替え(宮台真司の「世直しモード」みたいなものか。いや、そんなに高尚なものじゃない)、オッズを見ながらマークシートを塗りつぶした。本命はスイープトウショウで問題ないのだが、複勝オッズが安すぎるため、単勝一点に絞って買うことにした。スイープなら1着か着外のどちらかで2,3着という線はないだろう。
馬券購入後、ぼくらはAさん夫妻と相談し、ウインズ近くのスープカレー屋に行くことにした。スープカレーが札幌で熱い、ということで、これを食べることには決めていたのだが、店をどこにするかは未定のままだった。そこでAさんが持ってきてくれた、クーポンつきの無料ガイドブックに載っていたお店に行くことにしたのだ。
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正直に言うと、ぼくはスープカレーに疑問を持っていた。ぼくはカレーのルウはどろっとしたものが好きなので、水っぽいルウのスープカレーはぼくの口に合うかどうか不安だったのである。
しかし、この『波之屋』のスープカレーはおいしかった。おれが頼んだのは餃子の入ったものだったが、ピリ辛のスープに実に合う。苦手な野菜も癖がなく、ばくばく食べられた。札幌に行った際には、また寄りたいお店だ。みんなもおいしいと言っていたので、この店を選んだのは正解だった。それにしても、10人ほどのメンバー全員が違うメニューを頼んだのだから、厨房は面倒くさかっただろうなあ(笑)。
いろんなお話をしつつ、食事会は予定通り一時間で終了。会計のときにクーポンが人数分ないのに、店員さんがちゃんと全員割引をしてくれた。こういう細かなことで、お店の評価って断然上がるのだと思うが、どうだろう。おれがセコいだけか。
お店を出ると、ここでA夫妻とはお別れだ。ぼくらは小樽に寄ることになっている。おれはA夫妻に三日間お世話になった礼を言い、東京か北海道での再会を約束し、そして別れた。こういう瞬間は、かなり寂しいもので、いつも泣きそうになる。来る前はあんなに楽しみにしていた旅行なのに、終わるときはいつも切ないのだ。
そしておれたち5人は、札幌駅からJR線・快速エアポート号で小樽へ向かった。車中で、おれたちは小樽ではなにを食べようか、どこを見て回ろうかなどと、楽しい旅行のシミュレーションをしていた。小樽で待ち受ける、「エリザベス女王杯の悲劇」が、おれの精神をズタズタにするとも知らず……。
【つづく】
今日は、Aさんご夫妻と、おれの東京の友達との食事会がある。朝食をいただいたおれは、Aさん夫妻とバスと地下鉄を乗り継ぎ、すすきのまで向かった。待ち合わせ場所は、札幌ウインズの3階(笑)。スケジュールを調整すると、どうしても朝のうちに馬券を買っておかなければならない。だからいっそのこと、ここで待ち合わせをしたほうがどちらにも都合がいいのだ。
ここでおれは、東京のみんなにAさん夫妻を紹介する際、旦那さんの名前をド忘れするというハプニングに襲われた。知っているはずなのに、本当に頭の中に浮かばないのだ。言い訳をさせてもらうと、これはこのときだけではなく、普段の会話の中でさえもよくある。「ほら、『パトレイバー』の監督で……」と、押井守という名前さえ出てこないことさえある。自分でも信じられないが、年を増すごとにこういうことが増えている。
旦那さんにトンデモない失礼をしたあと、おれは頭を「馬券モード」に切り替え(宮台真司の「世直しモード」みたいなものか。いや、そんなに高尚なものじゃない)、オッズを見ながらマークシートを塗りつぶした。本命はスイープトウショウで問題ないのだが、複勝オッズが安すぎるため、単勝一点に絞って買うことにした。スイープなら1着か着外のどちらかで2,3着という線はないだろう。
馬券購入後、ぼくらはAさん夫妻と相談し、ウインズ近くのスープカレー屋に行くことにした。スープカレーが札幌で熱い、ということで、これを食べることには決めていたのだが、店をどこにするかは未定のままだった。そこでAさんが持ってきてくれた、クーポンつきの無料ガイドブックに載っていたお店に行くことにしたのだ。
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正直に言うと、ぼくはスープカレーに疑問を持っていた。ぼくはカレーのルウはどろっとしたものが好きなので、水っぽいルウのスープカレーはぼくの口に合うかどうか不安だったのである。
しかし、この『波之屋』のスープカレーはおいしかった。おれが頼んだのは餃子の入ったものだったが、ピリ辛のスープに実に合う。苦手な野菜も癖がなく、ばくばく食べられた。札幌に行った際には、また寄りたいお店だ。みんなもおいしいと言っていたので、この店を選んだのは正解だった。それにしても、10人ほどのメンバー全員が違うメニューを頼んだのだから、厨房は面倒くさかっただろうなあ(笑)。
いろんなお話をしつつ、食事会は予定通り一時間で終了。会計のときにクーポンが人数分ないのに、店員さんがちゃんと全員割引をしてくれた。こういう細かなことで、お店の評価って断然上がるのだと思うが、どうだろう。おれがセコいだけか。
お店を出ると、ここでA夫妻とはお別れだ。ぼくらは小樽に寄ることになっている。おれはA夫妻に三日間お世話になった礼を言い、東京か北海道での再会を約束し、そして別れた。こういう瞬間は、かなり寂しいもので、いつも泣きそうになる。来る前はあんなに楽しみにしていた旅行なのに、終わるときはいつも切ないのだ。
そしておれたち5人は、札幌駅からJR線・快速エアポート号で小樽へ向かった。車中で、おれたちは小樽ではなにを食べようか、どこを見て回ろうかなどと、楽しい旅行のシミュレーションをしていた。小樽で待ち受ける、「エリザベス女王杯の悲劇」が、おれの精神をズタズタにするとも知らず……。
【つづく】
みんなと別れ、地下鉄の駅に向かう途中、おれの脳裏に今朝のAさんの言葉がフラッシュバックした。まるで映画『sow』で、ジグソウの正体が明かされる瞬間のように。
……八時を過ぎると、大谷地からうちのまでのバスは一時間に一本しかないから、うまく時間を計算してきてね……。
そうだったぁ!
いまは実に中途半端な時間で、これから地下鉄に乗って大谷地駅に着いても、40分は待たされる計算になる。
仕方ない、どこかの喫茶店ででも競馬の予想をしながら(明日はエリザベス女王杯だ)、時間潰しでもするか……いや、そんな悠長なことは言っていられない。ぼくはそのエリザベス女王杯の予想を、Aさんの家のパソコンから、自分のブログに書き込まなくてはならないのだ。それに予想を始めたら最後、このバカは夢中になって時間経過を忘れることだってあるだろう。そうしたら終バスに乗り遅れてしまいかねない。ここは東京ではなく、北の台地、北海道なのだ。バスに乗り遅れたら、待つのは「凍死」のみである。
そこでおれは、最後の手段に出た。携帯電話を取り出し、とある番号を呼び出したのだ。
「もしもし、Aさんですか。申し訳ないですが、大谷地駅まで旦那さんの車で迎えに来てくれませんか……」
30分後、おれはAさんの旦那さまの運転する車中にいた。
もちろんAさんからはお叱りのお言葉。平謝りのおれ(このとき、どこかで聞いた「平山あや平謝り」という言葉が浮かんだことは内緒だ)。
Aさんご夫妻、本当にご迷惑をおかけしました!
Aさん宅に戻ってからは、さっそくエリザベス女王杯の予想をし、パソコンでブログに予想を書き込んだ。終わったのは日付の変わる寸前の時間。すすきので時間つぶしをしていたら、日付がかわっていたにちがいない。
このあとは、Aさんの旦那さんと、何年ぶりかにセガサターンの『ヴァンパイアセイヴァー』という格闘ゲームで対戦。パッドだったのでやりにくかったけど、このゲームはけっこう好きだったし、懐かしさもあって楽しかった。
こうして、最後までバタバタの、二日目の夜は更けていった。
【つづく】
……八時を過ぎると、大谷地からうちのまでのバスは一時間に一本しかないから、うまく時間を計算してきてね……。
そうだったぁ!
いまは実に中途半端な時間で、これから地下鉄に乗って大谷地駅に着いても、40分は待たされる計算になる。
仕方ない、どこかの喫茶店ででも競馬の予想をしながら(明日はエリザベス女王杯だ)、時間潰しでもするか……いや、そんな悠長なことは言っていられない。ぼくはそのエリザベス女王杯の予想を、Aさんの家のパソコンから、自分のブログに書き込まなくてはならないのだ。それに予想を始めたら最後、このバカは夢中になって時間経過を忘れることだってあるだろう。そうしたら終バスに乗り遅れてしまいかねない。ここは東京ではなく、北の台地、北海道なのだ。バスに乗り遅れたら、待つのは「凍死」のみである。
そこでおれは、最後の手段に出た。携帯電話を取り出し、とある番号を呼び出したのだ。
「もしもし、Aさんですか。申し訳ないですが、大谷地駅まで旦那さんの車で迎えに来てくれませんか……」
30分後、おれはAさんの旦那さまの運転する車中にいた。
もちろんAさんからはお叱りのお言葉。平謝りのおれ(このとき、どこかで聞いた「平山あや平謝り」という言葉が浮かんだことは内緒だ)。
Aさんご夫妻、本当にご迷惑をおかけしました!
Aさん宅に戻ってからは、さっそくエリザベス女王杯の予想をし、パソコンでブログに予想を書き込んだ。終わったのは日付の変わる寸前の時間。すすきので時間つぶしをしていたら、日付がかわっていたにちがいない。
このあとは、Aさんの旦那さんと、何年ぶりかにセガサターンの『ヴァンパイアセイヴァー』という格闘ゲームで対戦。パッドだったのでやりにくかったけど、このゲームはけっこう好きだったし、懐かしさもあって楽しかった。
こうして、最後までバタバタの、二日目の夜は更けていった。
【つづく】
そんなこんなで、ぼくらは駅前から、宿泊先のホテルへ向かった。ホテルの部屋で競馬中継を見るためだ。しかし気がつくと、すでに時刻は3時を回っている。ホテルはすすきのの先のほうにあるので、歩いていくと間に合わないかもしれない。馬券を買っている、ぼくとHとNは自然と早歩きになるが、ぼくの女房とMはゆっくり歩いている。まあ、そりゃそうだ。札幌駅からすすきの駅まで早足で歩いたら、疲れるに決まっている。しかし、ぼくは競馬中継はなんとしてもリアルタイムで見たい派なのである。家に帰るならビデオに撮っておけるが、旅行先ではそんなわけにはいかない。新聞に書かれた文字を読んで結果を知る、というのでは競馬の醍醐味を味わえないではないか。ゴール前の直線を見てハラハラドキドキしたいのだ。
ぼくらがホテルに着いたのはレースの始まる3分ほど前のことだった。ロビーのカウンタにはホテル特有のキリッとした制服を来た女性がいて、ぼくはあらぬ妄想を0.5秒間のうちにして、大急ぎで宿泊カードに自分の名前やら住所を書き込んだ。そしてぼくらはホテルマンに導かれ、部屋へと案内された。部屋に通されると、ホテルマンから諸注意やらなにやらの説明が始まったが、ぼくはテレビの電源を入れたくて仕方ない。注意事項などどうでもいいから競馬中継を見たいのだ。しかし、いくらぼくが競馬××××でも、自分の仕事をきちんと全うしようとしているホテルマンの行為を無にするのは忍びない。
ホテルマンの話が終わった瞬間、ぼくはテレビの電源を入れた。どのチャンネルで中継がやっているかわからないので、リモコンのボタンを手当たり次第に押した。何度目かの切り替えで、テレビ東京製作の『ウイニング競馬』司会の立花優美タンの顔が映った。今日もかわいい! 優美タンはグリーンチャンネルの競馬番組に出ていたころから知っている。彼女がメイド服姿で出た回は、いまだに東芝製ハードディスク付DVDレコーダの中に残してあるくらいなのである。しかし、優美タンのかわいらしさを味わうよりも、いまはレースに集中だ。
……が。
京王杯2歳Sで、ぼくが買った馬はまったく見せ場なく終わり、馬券は紙切れとなった。HもNも馬券ははずした。ちなみに、優美タンは◎デンシャミチで馬券を当てていた。おめでとう、優美タン。負けたよ、優美タン……(優美タンはおまえと勝負してるつもりはねえよ)。
失意のまま、ぼくらは「疲れたから寝てる」というMをホテルに残して、サッポロファクトリーに出かけた。Mは昨日の朝までテレビ番組の『虎ノ門』を見ていて3時間も寝ていないそうだ。
タクシーに乗ると、10分足らずでサッポロファクトリーに着いた。中はショッピングセンターとお土産屋がたくさんあって、適当にうろつくだけでも楽しい。中庭の電飾を施されたクリスマスツリーはきれいだったなぁ。ブサイク軍軍曹であることを誇りに思っているぼくだが、実はこういうイルミネーションは大好きなのだ。柄にもなく、ロマンチックな気分になってしまうのである。ああ恥ずかしい。
「オアシス」という喫茶店でソフトクリームを食べてから、ぼくらはすでに日が落ちて暗くなった札幌に繰り出した。中心街に向かう途中、大通り公園のテレビ塔前を通ると、ここもイルミネーションで彩られ、たくさんのカップルが記念撮影をしている。やっぱり、こういうところはむさ苦しい男と一緒に来る場所ではないなぁ。
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ホテルに残ったMとススキノビル前で合流し(ガメラにぶっ壊されたススキノビルは、いまでは完全に修復も終わり、その傷跡は微塵も感じられない)、ぼくらは夕食を摂るため、予約しておいた某海鮮料理店へ。ここではカニはもちろん、エビだのホタテだの刺身だの、と贅沢三昧。プチ・ダイエット中のぼくだが、こういうときは中止してもよかろう。冷凍されていないカニはホントに美味かった。
店を出ると、ぼくは今夜もAさんの家で泊まるために、みんなとは別行動になる。これから地下鉄で大谷地まで向かい、そこからバスに乗るのだ。ところがススキノビル前で、みんなと「バイバイ」したあと、ぼくはとんでもないことに気づいたのだった……。
【つづく】
ぼくらがホテルに着いたのはレースの始まる3分ほど前のことだった。ロビーのカウンタにはホテル特有のキリッとした制服を来た女性がいて、ぼくはあらぬ妄想を0.5秒間のうちにして、大急ぎで宿泊カードに自分の名前やら住所を書き込んだ。そしてぼくらはホテルマンに導かれ、部屋へと案内された。部屋に通されると、ホテルマンから諸注意やらなにやらの説明が始まったが、ぼくはテレビの電源を入れたくて仕方ない。注意事項などどうでもいいから競馬中継を見たいのだ。しかし、いくらぼくが競馬××××でも、自分の仕事をきちんと全うしようとしているホテルマンの行為を無にするのは忍びない。
ホテルマンの話が終わった瞬間、ぼくはテレビの電源を入れた。どのチャンネルで中継がやっているかわからないので、リモコンのボタンを手当たり次第に押した。何度目かの切り替えで、テレビ東京製作の『ウイニング競馬』司会の立花優美タンの顔が映った。今日もかわいい! 優美タンはグリーンチャンネルの競馬番組に出ていたころから知っている。彼女がメイド服姿で出た回は、いまだに東芝製ハードディスク付DVDレコーダの中に残してあるくらいなのである。しかし、優美タンのかわいらしさを味わうよりも、いまはレースに集中だ。
……が。
京王杯2歳Sで、ぼくが買った馬はまったく見せ場なく終わり、馬券は紙切れとなった。HもNも馬券ははずした。ちなみに、優美タンは◎デンシャミチで馬券を当てていた。おめでとう、優美タン。負けたよ、優美タン……(優美タンはおまえと勝負してるつもりはねえよ)。
失意のまま、ぼくらは「疲れたから寝てる」というMをホテルに残して、サッポロファクトリーに出かけた。Mは昨日の朝までテレビ番組の『虎ノ門』を見ていて3時間も寝ていないそうだ。
タクシーに乗ると、10分足らずでサッポロファクトリーに着いた。中はショッピングセンターとお土産屋がたくさんあって、適当にうろつくだけでも楽しい。中庭の電飾を施されたクリスマスツリーはきれいだったなぁ。ブサイク軍軍曹であることを誇りに思っているぼくだが、実はこういうイルミネーションは大好きなのだ。柄にもなく、ロマンチックな気分になってしまうのである。ああ恥ずかしい。
「オアシス」という喫茶店でソフトクリームを食べてから、ぼくらはすでに日が落ちて暗くなった札幌に繰り出した。中心街に向かう途中、大通り公園のテレビ塔前を通ると、ここもイルミネーションで彩られ、たくさんのカップルが記念撮影をしている。やっぱり、こういうところはむさ苦しい男と一緒に来る場所ではないなぁ。
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ホテルに残ったMとススキノビル前で合流し(ガメラにぶっ壊されたススキノビルは、いまでは完全に修復も終わり、その傷跡は微塵も感じられない)、ぼくらは夕食を摂るため、予約しておいた某海鮮料理店へ。ここではカニはもちろん、エビだのホタテだの刺身だの、と贅沢三昧。プチ・ダイエット中のぼくだが、こういうときは中止してもよかろう。冷凍されていないカニはホントに美味かった。
店を出ると、ぼくは今夜もAさんの家で泊まるために、みんなとは別行動になる。これから地下鉄で大谷地まで向かい、そこからバスに乗るのだ。ところがススキノビル前で、みんなと「バイバイ」したあと、ぼくはとんでもないことに気づいたのだった……。
【つづく】
みんなは勝手なのだ。やれラーメンがいいだの、飯物がいいだのとそれぞれが別の食べ物を食べたいと言う。それでいろいろなお店があるたびに「あそこはどうだ」と誰かが提案するが、別の誰かが「いまはカレーって気分じゃない」などと言い出す始末。
で、コスモビルという『まんだらけ』の入っている建物の地下にある、おにぎり屋を見てみようということになった。もともと『まんだらけ』には行きたかったので、ちょうどよかったのだ。そしてぞろぞろと地下に降りていき、カウンターしかない狭い店内に入った。ぼくはたらこと山わさびのおにぎりを注文した。山わさびは「わさび」と入っているから、わさび好きのぼくに合うだろうと思っていたのだが、「山わさび」と「わさび」はけっこうちがうもので、ぼくの口には合わなかった。全部食べたけど。これはお店が悪いのではなく、「山わさび」の基礎知識を持っていなかった、ぼくの責任である。
食事が終わると、ぼくらはエレベータで『まんだらけ』へ。東京の『まんだらけ』とはなんとなく雰囲気がちがう。雑然とした感じがなく、『ブックオフ』みたいだ。商品の種類は東京の店と変わりない。『灼眼のシャナ』のエロ同人誌があったのには笑った。だれもなにも買わず。
次は狸小路にあるウインズへ。今日は京王杯2歳Sがある。馬券を買うのはぼくとNとHだ。他の二人は退屈そうに椅子に座っている。申し訳ないが仕方がない。予想家たるもの、身銭を切って馬券を買ってこそ、その予想に真剣さが出てくるのだ。そうでなければいけない。
ウインズのあとは『東急ハンズ』に向かった。ここに『水曜どうでしょう』グッズが売っているということは、昨日HTBで調査済みである。みんなも『どうでしょう』は好きなので、ここに来れば楽しめると思ったのだ。ところが、種類が思っていた以上に少ないからか、あまり買いたい感じのグッズがないからか、だれひとり購入はせず。ひとりくらい買えよ。まあ、そう言っている自分が買えばいいだけの話だが。
そのあとは市内をぶらつき、札幌駅前まで戻ってきた。そろそろお腹も空きだしたので、Aさんお勧めの、駅ビルにある「らーめん共和国」で昼食を摂ることにした。この建物には『ビックカメラ』が入っていて、店内の音楽を聞いていると池袋店にいるような錯覚に陥る。
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この「共和国」にはラーメンの名店がいくつも出展しているので、かなり迷ってしまった。でも最終的には、Aさんがおいしいと言っていた『あじさい』へ行くことにした。ぼくはまださっき食べたおにぎりのおかげで、あまりお腹が空いていなかった。なのでハーフサイズを注文。味はとてもおいしかったです。
ラーメン後、ぼくは下のフロアにあるゲームセンターでなぜか『アイドルマスター』を衝動的にやってしまった。みんなもゲームセンターでうろうろし出したので、ちょっとだけのつもりだったのだ、ところがこのゲームはオープニングが以上に長く、3ゲーム分を終えるのに40分ほどかかってしまった。しかも、芸名は自分でつけなければならない、なんて知らなかったので、あわてて「YUKIHO」(もともとのキャラクターの名前をローマ字にしただけ)とつけてしまった。恥ずかしい……。そして、あまりに長い時間やっていたので、みんなにブーブー言われてしまった。ごめん……。
【つづく】
で、コスモビルという『まんだらけ』の入っている建物の地下にある、おにぎり屋を見てみようということになった。もともと『まんだらけ』には行きたかったので、ちょうどよかったのだ。そしてぞろぞろと地下に降りていき、カウンターしかない狭い店内に入った。ぼくはたらこと山わさびのおにぎりを注文した。山わさびは「わさび」と入っているから、わさび好きのぼくに合うだろうと思っていたのだが、「山わさび」と「わさび」はけっこうちがうもので、ぼくの口には合わなかった。全部食べたけど。これはお店が悪いのではなく、「山わさび」の基礎知識を持っていなかった、ぼくの責任である。
食事が終わると、ぼくらはエレベータで『まんだらけ』へ。東京の『まんだらけ』とはなんとなく雰囲気がちがう。雑然とした感じがなく、『ブックオフ』みたいだ。商品の種類は東京の店と変わりない。『灼眼のシャナ』のエロ同人誌があったのには笑った。だれもなにも買わず。
次は狸小路にあるウインズへ。今日は京王杯2歳Sがある。馬券を買うのはぼくとNとHだ。他の二人は退屈そうに椅子に座っている。申し訳ないが仕方がない。予想家たるもの、身銭を切って馬券を買ってこそ、その予想に真剣さが出てくるのだ。そうでなければいけない。
ウインズのあとは『東急ハンズ』に向かった。ここに『水曜どうでしょう』グッズが売っているということは、昨日HTBで調査済みである。みんなも『どうでしょう』は好きなので、ここに来れば楽しめると思ったのだ。ところが、種類が思っていた以上に少ないからか、あまり買いたい感じのグッズがないからか、だれひとり購入はせず。ひとりくらい買えよ。まあ、そう言っている自分が買えばいいだけの話だが。
そのあとは市内をぶらつき、札幌駅前まで戻ってきた。そろそろお腹も空きだしたので、Aさんお勧めの、駅ビルにある「らーめん共和国」で昼食を摂ることにした。この建物には『ビックカメラ』が入っていて、店内の音楽を聞いていると池袋店にいるような錯覚に陥る。
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この「共和国」にはラーメンの名店がいくつも出展しているので、かなり迷ってしまった。でも最終的には、Aさんがおいしいと言っていた『あじさい』へ行くことにした。ぼくはまださっき食べたおにぎりのおかげで、あまりお腹が空いていなかった。なのでハーフサイズを注文。味はとてもおいしかったです。
ラーメン後、ぼくは下のフロアにあるゲームセンターでなぜか『アイドルマスター』を衝動的にやってしまった。みんなもゲームセンターでうろうろし出したので、ちょっとだけのつもりだったのだ、ところがこのゲームはオープニングが以上に長く、3ゲーム分を終えるのに40分ほどかかってしまった。しかも、芸名は自分でつけなければならない、なんて知らなかったので、あわてて「YUKIHO」(もともとのキャラクターの名前をローマ字にしただけ)とつけてしまった。恥ずかしい……。そして、あまりに長い時間やっていたので、みんなにブーブー言われてしまった。ごめん……。
【つづく】