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フェチ写真、人気ランキング。

 30, 2011 09:36
 たまにはフェチ関係の記事を(笑)。

 自分で撮ったフェチ写真をダウンロードサイトで販売しているのですが、ただいま現在、その数は29作品。当然、人気にはバラつきがあります。どんな傾向なのか、ちょっとまとめてみました。各サムネイルは、販売サイトにリンクしています。

 ■ダウンロード販売数・第1位/サ●ニャ・V・リトヴャクが白濁ローション塗れ!!!

  

 やはりサーニャ人気はすごいですね。即売会でも、やはりこの作品はよく出ます。白濁ローションをぶっかけ風にしていますが、もちろん「本物」じゃないですよ(笑)。いや、即売会で聞かれたことがあったんです。

 ■ダウンロード販売数・第2位/セーラー・ニーソ・ローション

  

 これは意外な人気でした。なんのキャラというわけでもないんですが、セーラー服とニーソックスって、ありそうでない組み合わせですよね。そのあたりが人気の理由なんでしょうか。

 ■ダウンロード販売数・第3位/ローゼン・●イデン 水銀燈

  

 こちらも、ぼく的には「意外に人気あるなあ」と思っています。豪華な衣装を濡らしているところが良いのかも知れません。もう一度、あらためて、今度はプールなどで撮りたい衣装です。

 ■ダウンロード販売数・第4位/ずぶ濡れ聖ル●ア女学園制服!!!

  

 これは『メイちゃんの執事』というドラマで使われていた制服で、中のブラウスまで、ちゃんと本物のメーカーCECIL McBEE製のものです。こちらももう一度撮りたいと思っているんですが、控えている衣装がいろいろあって、実現していません。ちなみに撮影場所は、某温泉宿の個室露天風呂です。

 ■ダウンロード販売数・第5位/『I's』湾●高校制服で着衣入浴

  

 桂正和のマンガに登場する制服です。本当はニーソックスなんですが、用意し忘れてしまったため、黒いパンストで代用しました。でも、この濡れたパンストのテカリはなんとも言えず、個人的にはニーソックスよりこちらのほうが好きです。

 と、ベスト5まで紹介しましたが、最近販売を開始したものはまだ時期が短いので、公平なランキングとはいえません。でも、こうして並べてみると、人気作品の傾向が見えてきます。
 第一に、モデルの紫苑さんのすばらしさ。ベスト5中、4作品が紫苑さんです。
 第二に、モデルさんの顔が見えていることは、必ずしも必須ではない、ということ。ベスト5すべての作品が、顔出し不可のモデルさんです。wet写真を買っていただいている皆さんの嗜好は、やはり衣装重視ということでしょうか。でも、このダウンロードサイトで顔出しOKのモデルさんの作品が並びだしたのは最近なので、あと一年くらいするとちがった傾向になるかもしれません。

 昔に比べると撮影頻度は落ちましたが、これからもできる限り、濡れた女性を撮り続けるつもりです。
 ・今回は性的描写を含みます。嫌いな方は読まないでください。



 ■図書室の少女―2■



 ネズミは絶句したまま、松井珠里奈の顔を見た。真剣な視線はネズミを射るようだった。
 冗談ではないらしい。
 ネズミは三次元の人間に性的な興味はない。そうした欲望は、二次元のキャラクターに向けられている。自慰の「ネタ」もそうだ。三次元の存在を「ネタ」にしたことはなかった。
 三次元に対して、ネズミは嫌悪感さえいだいている。男にしろ女にしろ、生殖器は不気味でしかなく(自分にもあんなものが付いているなんて認めたくない)、あれが快感を生むような仕組みにした神――もし、存在するのならば――をネズミは軽蔑していた。
 だが、それよれもなによりも、三次元は意のままにならない。生まれてからたったの十六年で、ネスミはたくさんの愛や信頼が壊れたのを見てきた。どんなに愛を語ろうが、どんなに友を信頼しようが、そんなものは簡単に破壊される。自分が真実の誓いを立てても、相手の心の中は見えない。だからネズミは自分を守るために、三次元に期待するのをやめた。
 それは逃避ではない。
 マンガやアニメにハマったネズミに、母親は現実から目を背けるなと言う。背けているのではない。立ち入らないようにしているのだ。二次元と三次元は別々に位置しているのではなく、地続きの場所にある。だから自分は、危険な場所には近づかないだけだ。そこで遊びたい人は遊べばいい。自分のことは放っておいてほしい。
 本来であれば、ネズミはこの時点で珠里奈の申し出を断るべきだった。しかし、珠里奈の堂々とした態度と、魅惑的な視線がネズミの心を揺らした。
 それは、珠里奈がまごうことなき美少女であり、同時に美少年でもあるからだった。
 美しいということは、それだけで凶器である。ネズミは半ば、それに打ち砕かれそうになっていた。
 三次元に対する希望など、なにも持っていないつもりだった。しかし、自分の心は、いま揺れている。
 自分を変えてくれる相手と、どこかで巡りあえるかもかもしれないという希望は残っていたのだ。ネズミは自分に驚いた。自分は変わるのだろうか。変えられるのだろうか。
 問題は感情だけではなかった。ここで珠里奈を仲間に引き入れることができなければ、当面、ネズミを守る武力はなく、またしてもスタンガンに頼らなくてはいけなくなる。だが、あれをフォンチーに取り上げられたときのような恐怖は二度と経験したくない。ネズミは自分で自分を守れないのだ。
 いまのネズミには、やはり珠里奈が必要だった。
 珠里奈の言葉を聞き、黙っていたのはわずかに三秒程度のことだった。
 ネズミはうなずいた。「いいっすよ」
 「ホント?」珠里奈は破顔して、立ち上がった。「ホントにホント?」
 ネズミはもう一度、うなずいた。
 「やったぁ……」珠里奈はキリスト教徒のように胸の前で手を合わせた。「やった……」
 無邪気に喜ぶ珠里奈を見て、ネズミはほっこりとした気持ちになった。
 ――あれ……?
 こんな気持ちになったのは何年ぶりだろう。フランシスお兄ちゃんと初めて出会ったとき以来のことかもしれない。
 先ほど珠里奈が言った、「大人じゃないけど、子供でもない付き合い」の意味は気になるが、まあ、そんなものはやんわりと拒否し続ければ……
 そう考えていたとき、珠里奈がネズミの両方の頬に手を当ててきた。
 ハッとしたネズミの顔の二十センチほど前には、すでに珠里奈の顔があった。いつの間にか、珠里奈は机の上に乗り、四つんばいになってネズミに接近していたのだ。この場面がアニメで描かれるとすれば、カメラは珠里奈の背後に回り、濃紺のプリーツスカートに包まれた尻の描く官能的な曲線と、下着が見える寸前まで露わになった白い太ももを映し出すだろう。そしてそれは「職人」によって「キャプ」られ、「けしからん」画像として、ネットの画像掲示板をにぎわすだろう。他に誰もいないからいいようなものの、それを恥ずかしげもなくやってしまう珠里奈の幼さが、ネズミにはとても愛しく、そして怖かった。
 「ずっと気になってたんだ、まゆゆのこと……。あ。まゆゆって呼んでいいよね? ぼくたち、もう付き合うんだし」
 珠里奈の息は甘かった。甘美なその匂いは息だけではなく、髪の毛のものかもしれない。なんにせよ、それはネズミの鼻腔を心地よく刺激した。
 「も、もちろんスよ……」
 ネズミはこの先の展開を想像しつつ、そう答えた。
 その言葉を受けて、珠里奈がネズミが被っているパーカーのフードをそっと脱がした。「――ああ。この頬にふれることのできる日が来るなんて……」
 珠里奈の指先がネズミの頬骨のあたりを蠢く。
 ぞくっとした。
 他人に頬を触られるのは初めてだった。
 不快ではない。
 快感だ。
 「初めて見た日から、きみのことが気になってずっと想像していた。こうして、きみの肌に触れることを……」
 ネズミは頬を這う指が生み出す快感に酔いそうになりつつ、必死に耐えた。触れるか触れないかの微妙なタッチが産毛を刺激する。それはくすぐったくもあったが、快感のほうがはるかに勝っていた。
 「震えてるね……かわいい」珠里奈は笑った。「約束するよ。きみは、ぼくが守る。だれにも傷つけさせやしない」
 そして珠里奈はネズミにキスをした。頬を拘束したまま。
 ネズミは硬直した。目は開けたままで、珠里奈の顔をこれ以上ない近距離で見つめることになった。初めてのキスの相手が女とは思わなかった。
 優しく重ねられた唇はやわらかく、温かかった。想像していたよりも湿り気はなく、むしろさらっとしていた。
 時間にすればたった十数秒程度のキスだが、それでもネズミの動悸を激しくするには充分だった。
 唇を離した珠里奈は、ネズミと目が合うと天使のように微笑んだ。
 ネズミは自分の顔が赤くなっていくがわかった。
 「キスは初めて――?」
 珠里奈の問いを、ネズミは否定しようとしたが思いとどまった。
 ここでウソをつけば、珠里奈との約束を早くも破ったことになってしまう。こんな程度のことであっても、ネズミは約束を守りたかった。ことの大小を問わず、約束を反故にしてしまっては、これから先、どれだけウソをつけばいいのかわからない。常日頃から謀略を巡らすネズミだが、それでも自分なりには誠実にふるまっているつもりだった。なにもかもがウソであれば、謀略を信じるものはいない。九十九パーセントの事実と、一パーセントのウソが人の心に隙を作るのだ。ウソは少なければ少ないほどいいに決まっている。
 ましてや、この珠里奈が相手なら。
 「初めてっすよ……」
 「え。じゃあ、まゆゆのファーストキスはぼくが……」
 ネズミはうなずいた。
 「うれしいっ……」
 珠里奈は再びキスをしてきた。
 やや強く押し付けられたせいなのか、今度の唇は湿っていた。鼻息の荒い珠里奈の唇が動くたび、二人の粘膜が絡み合った。
 他人の唾液が口の中に入ってくるなんて気持ち悪い――ネズミはこの瞬間までそう思っていた。だから男女問わず、三次元の人間とキスをしようとは考えなかった。唾液には殺菌能力があるから、汚いものではないのだろう。それでも生理的な嫌悪感はある。これは理屈ではないからどうしようもない。
 だが、いまこうして初めて――正確には二度目――のキスをしていると、脳が痺れていくような快感がその嫌悪感を消し去ろうとしていた。これも理屈ではなかった。フロイトの理論は好きではないし、まちがっている部分もあると思うが、人間は快感原則に基づき行動するという点は同意してもよかった。
 体の一部と一部を合わせるということだけをとれば、これは握手となんら変わりない行為だ。ちがうのは、そこに粘液があるだけ。でも、この粘液がもっとも重要なのだ。
 ネズミは目を閉じた。
 今度のキスは激しかった。珠里奈の粘液とネズミの粘液が交じり合った。珠里奈のそれは、フリスクのライムミントの味がした。ネズミが噛んでいたミントガムと合わさったその味は、不思議と調和した。
 ネズミは自分の体が疼きだすのを感じた。
 今度のキスは長かった。一分以上はあっただろう。
 珠里奈は顔を離すと、ネズミを見つめた。「図書室は飲食禁止だよ」
 「あっしはなにも食べて……」
 「ガムもダメ。没収するよ」珠里奈は長い舌を出した。
 ネズミはその意図を察し、舌を使って口の中のガムを唇の先端に移動した。そして珠里奈の顔に近づいた。
 「だーめ……」珠里奈は顔を後ろに引いた。「舌に乗せて」
 普段のネズミなら、こんな意味のない、汚らしい行為には乗らなかった。しかし、いまのネズミは自分の意思の何パーセントかを珠里奈に操られていた。残ったネズミの部分はそれを冷静に判断し、警告を発している。肉体的な快楽に惑わされるな。理性こそ、自分の武器じゃなかったのか、と。
 しかしネズミは快楽に抗えなかった。
 ネズミは舌の上に噛んでいたガムを乗せ、口の外に出した。
 珠里奈の唇が近づき、それを包み込む。舌が軽く引っ張られる感覚は、なんだか面白かった。ガムはすぐに珠里奈に吸われたが、舌を愛撫する唇の動きはやまなかった。その動きはBL系の同人誌で見た、男同士が性器を口で刺激する行為そのものだった。ネズミはそのことを連想すると、いま自分がとてつもなく淫らな行為をされているのだと知り、気分が高まった。
 ネズミは両手を珠里奈の後頭部にまわした。さらさらした髪の毛の感触を確かめるように、ネズミは珠里奈を撫でた。
 それをOKサインだと受取ったのか、珠里奈の舌がネズミの口の中に侵入してきた。それはねっとりとした動きだが力強く、ネズミの舌や歯や唇を舐めまわした。特に舌への攻撃はすさまじい。逃げようとしているわけではないのだが、その激しさに自然と引き気味になるネズミの舌に、珠里奈の舌は執拗に絡んでくる。やがてネズミも、その動きに呼応するかのごとく、何度も何度も舌を巻き付けた。
 唇と唇を重ね合わせ、舌を入れ合うだけなのに、どうしてこんなに頭が痺れていくのか……。ネズミは生まれて初めての快感で、自分の思考能力をあらわすメーターの針がどんどんとゼロに近づいていくのを感じていた。理性と論理を行動の基調とするネズミにとって、これは由々しき事態だった。こんなことがあってはならない。ネズミはいつでもネズミでなければいけない。フォンチーにスタンガンを当てられたときに感じた恐怖とは、また別の恐怖に、ネズミは襲われていた。自分が自分でなくなる気がした。
 毎日している自慰の気持ちよさと、珠里奈のキスの気持ちよさはまるでちがう。達するまでではないものの、キスには母の無償の愛に似た包容力を感じる。
 ネズミはとうとう、自分から珠里奈の口の中に舌を入れた。珠里奈はそれを受け入れてくれた。待っていたかのようだった。珠里奈の中は柔らかくて、温かかった。珠里奈が自分の中に舌を入れていたときも、同じように感じたのだろうか。
 「――んん……ぅんぅ……」
 珠里奈の息遣いが、さらに荒くなった。
 ネズミの舌が、ガムを発見した。ネズミはそれをすくうようにして、再び自分の口の中に戻した。すると珠里奈の舌が、それを奪い返しにきた。
 頬に当てられていた珠里奈の手はいつの間にか放されていた。それに気づいたネズミは、珠里奈の後頭部から手を下ろした。
 いまの二人は唇と舌だけでつながっていた。ガムを使ったラリーに飽きると、今度はおたがいの唇を責めあった。ネズミは珠里奈の薄い唇を舐めたり、ついばんだりした。もちろん珠里奈もそうしてくれた。
 二次元を愛する気持ちは変わらないが、この快楽は三次元でなければ味わえない。
 ――悪くないっすね、これも……。
 まだ少しだけ残っている冷めた理性が、ネズミにそう思わせた。
 図書室の外――廊下や窓の向こう――からは、怒号となにかが破壊される音が漏れてきた。一歩外に出れば、そこは暴力が支配する空間だったが、いまのここはちがった。
 昼休みのチャイムが鳴らなければ、二人はいつまでもそうしていただろう。
 そのけたたましい音に、珠里奈の唇の動きが止まった。
 「行くよ……」唇を重ねたまま、珠里奈が言った。
 「サボっちゃえばいいじゃないすか、授業なんて……」ネズミもそのままでささやいた。
 「ううん。出る」珠里奈がゆっくりと唇を剥がすと、ねっとりした唾液が糸を引き、だらしなく机の上に垂れた。「このままだと、ぼく、どうにかなっちゃうから……」
 それはネズミも同じだった。すでに、「どうにか」なっていた。三次元を相手にした行為でこんなことになる自分にネズミは驚いた。
 珠里奈は机の上から降りた。プリーツスカートの裾が机に引っかかり、腿がちらりと見えた。そのまぶしい白い肌に、ネズミは女ながらドキッとした。
 珠里奈がネズミの肩を軽く抱いた。「さっきも言ったとおり、ぼくはきみを守る。授業以外の時間は一緒にいよう。ぼくの横にいれば、だれも君に触れさせない」
 ネズミはこの学園に入学してから、初めての言葉を発した。「――ありがとう……」
 珠里奈の目を見つめると、ネズミは自分のやろうとしている行為を見透かされるような気がした。
 ネズミは思う。自分たちは、卑劣な陰謀や嘘や暴力に満ちた、「すばらしい世界」に生きている。そんな世界の救いは二次元だけだった。二次元だけがネズミを守る安息の地だった――。
 だが、それはもしかしたら、まちがいなのかもしれない。
 ネズミは恐怖した。
 三次元に失望したからこそ、自分は二次元で生きることを選択したのに、今さら元には戻りたくない。
 ――三次元なんかが、すばらしい世界であるわけがない……。
 「じゃあ、また放課後に」
 珠里奈は椅子に座ったままのネズミの頬に、小鳥のようなキスをした。
 小走りで図書室を出て行く珠里奈の後姿を、ネズミはぼんやりと見送った。気がつくと、珠里奈がキスをした頬を触っていた。そんな自分に気づいたネズミは、わけのわからない衝動的な怒りを感じて立ち上がった。そして自分が座っていた椅子を足の裏で思いっきり蹴った。椅子は大きな音を立てて転がり、文学全集が並んだ棚にぶつかった。
 珠里奈を「ネズミ軍団」の陣営に取り入れる計画は成功したというのに、ネズミの気分は晴れなかった。



 【つづく】
 NHKで放送された『ドキュメンタリー オブ AKB48~1ミリ先の未来~』(以下、テレビ版)は、先日見た『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』(以下、劇場版)と同じスタッフが制作している、もうひとつのAKB48ドキュメントだ。
 テレビ版はメンバーのインタビューが劇場版に比べ圧倒的に少なく、実録映像を主体とした構成になっている。時間も45分と短めのため、劇場版のように退屈はしないで見ることができた。

 でも、やっぱりこれもダメなのだ。

 先日の記事でも書いたとおり、この映像には作り手の意思が感じられない。AKB48に密着して延々とカメラを回し、その中からインパクトのあるシーンを繋いだだけである。
 たしかにスキャンダルが発覚した秋元・オッサンが泊まりに来た子・才加が『オールナイトニッポン』でキャプテンを辞任すると言い出したときの映像が見られたのは驚きだったし(すっぴんのメンバーたちもいい!!!)、劇場版にはなかったじゃんけん大会の舞台裏も見られたのは良かった。具合の悪いたかみながフラフラになりながらみんなに檄を送るシーンは心を揺さぶられた。
 しかし、それを作り手たちがどう解釈しているのかがまったく伝わってこない。映像を提供しているだけ。そういうのは、前にも書いたがDVDの特典映像レベルのものでしかないのだ。

 さらにおかしいのはテレビ版にも劇場版にも同じシーンがあること。劇場版でやらなかったエピソードをテレビ版で扱っているのに、ダブったらダメだろう。
 しかも編集が微妙にちがっているので、ますます意味がわからない。優子が「たかみな具合悪いんだからふざけんなよ」とメンバーたち(?)を叱るシーンは、劇場版ではそのあとたかみなのツッコミ(?)が入るのだが、テレビ版ではそれがないから、二人の関係性とたかみなの様子がまったくちがって見える(「?」を二つもつけたのは、状況がわかるような編集をしていないから。こういうところも不親切)。こういうことになるなら、どちらかだけにするべきだ。

 ナレーションもあまり意味があるとは思えない(たかみなはがんばっているけど)。この作品の視点が定まっていないから、たかみなは単なる状況説明をしているだけだし、ナレーターをしているのならたかみな自身のインタビューがあるのは不自然に感じた。
 たぶん、監督はまともなドキュメンタリー作品を見たことがないのだろう。密着映像をつなげて、それ風のナレーションをつけて、ときどきインタビューを入れればドキュメンタリーになると思っている。きっと、ドキュメンタリーは真実を映し出していると考えているにちがいない。森達也やマイケル・ムーアが実践しているように、映像なんていくらでも主観的にウソをつけるのだ。

 とはいえ。
 前述したように、残っているとは思わなかった映像が見られたことと、劇場版に比べればインタビューがないところは、この作品のいいところだと思う。だから劇場版同様、AKB48ヲタならそれなりには楽しめるのでは?
 ちなみに、ぼくが一番印象に残っているのは、小林香菜のすっぴん顔だった(笑)。
 公開二日目、錦糸町で見てきた。日曜の1250からの回で、客の入りは100人程度。シネコンにしては大きな劇場でかけていた。セットリストのチケットが売れまくったから、たくさんの人を見込んだのだろうが、やはりライブ生中継と映画はちがうということだろうか。

 さて。『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』だが、はっきり言って映画としては失敗していると思う。なぜなら、ここにはファンが期待している映像がほとんど残っていないし、作り手の意思が感じられないからだ。

 ドキュメンタリーは客観的事実の積み重ねを編集したものと思われがちで、事実そういう側面はかなり大きいものの、本質的には普通の劇映画と変わりはない。ドキュメンタリーにも演出はあるし、意図的な編集によって観客の意思を操作することができる。
 というようなことを森達也が言っていたが、ぼくもそのとおりだと思う。ぼく自身もドキュメンタリーというほど大げさなものではないが、いくつかのフェチビデオ作品においてそれを意識した(ハッ。だからあんまり売れないのか?)。
 ドキュメンタリーは被写体を、劇映画よりもさらに劇的に赤裸々にできる。むきだしになった人間の、良心も闇もあからさまにするのだ。そして、野次馬的な視線を持たざるを得ない観客という存在は、とくにこの「闇」を見たいと思っている(これは劇映画の場合、より顕著だ)。『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』には、「闇」がほとんどない。なぜなら、この映画はメンバーたちによって「AKB48という物語」が語られるからだ。

 映画は最初は時系列によって進行する。だが、メンバーの「語り」が入った途端にそれは狂う。だれか一人の目から見たAKB48を描いているのならそれでもいいが、たくさんのメンバーの「語り」が入るために「物語」は混乱してくる。ぼくのようなヲタたちは「物語」の顛末をある程度知っているからいいけれど、AKB48初心者には難解な「物語」に思えるのではないだろうか。しかもメンバーによっては「語り」ではなく、わざわざ故郷に帰っていたりする。この統一性のなさはなんなのだろう。
 そして時系列による構成は、やはりというか当然というか、終盤ではぼろぼろに崩壊し、ラスト間際にあわてて字幕で説明せざるをえなくなってしまう。こんな雑な構成にするのなら、最初から時系列は無視すればよかったのだ。たとえば『(500)日のサマー』みたいな方法もあると思う。

 なぜこうなったかといと、メンバーに語らせることそのものがいけないのではなく、そこに作り手の意思が入っていないからだ。インタビューのシーンを見る限り、凝っているのは(たぶん)単焦点レンズで撮ったほんわかとした雰囲気重視の映像美だけで、肝心の中身については統一性が見られない。監督はなにを彼女たちに聞きたかったのだろうか。単なる思い出話なら、もうたくさんだ。そういうものは普段からテレビやラジオで聞いているし、そちらのほうが断然面白い。
 ドキュメンタリーとタイトルに打ち、木戸銭取って客に見せるなら、もっと彼女たちに肉薄しないといけない。そのためには、監督が彼女たちに嫌われるような存在にならなければダメだろう。この作品に対するいらだちはそこにある。仲良し同士で撮ったプライベートビデオなんなて見たくないのだ。彼女たちがした好き勝手な話を積み重ねればなにかが見えてくる、とでも思っているのだろうか。そんな被写体任せな手法でいい作品など撮れるわけがない。

 インタビューの人選にも問題がある。出てくるのは選抜メンバーばかり。興行的なことを考えて人気メンバーを出すのはいい。でも、そうじゃないメンバーにも、こういうときくらい光を当てたらどうか。自分の推しだから言うわけではないが、じゃんけん選抜で優勝した内田眞由美のインタビューは絶対に必要だったはずだ(この映画は2010年のAKB48を描こうとしているのだから)。彼女がどれだけ飲んだかわからない苦汁について迫ってくれたら、それだけでもこの映画の評価は変わると思う。さらに言えば、じゃんけん選抜そのものにも、この映画は触れていない。2010年のAKB48を描いているはずなのに! この年、卒業した小野恵令奈もほとんど出てこない。
 そしてインタビューをするなら、メンバーだけではなく、彼女たちを支えるスタッフにもするべきではなかろうか。秋元康や戸賀崎氏ではなく、日のあたらない場所で黙々と仕事をしているスタッフの声を聞く、いい機会だっただろう(たとえば高橋みなみが衣装倉庫に行くシーンがあるが、そこを管理している人と彼女に話をさせるとか)。

 インタビュー以外のシーンも問題がある。冒頭、旧チームKの千秋楽シーンで泣きじゃくる秋元才加には心を打たれたが、こういうシーンをじっくり見せてくれたのはそこだけで、あとは「スタイリッシュな編集」を意図したのかなんなのか、いいシーンがあってもすぐにカットされてしまう。だれかが怒ったり泣いたりしているシーンがあっても、それに対するリアクションが映っていないから、これがどんな状況なのかさっぱりわからない。断片的に「いいシーン」を繋げただけ。そこに作り手の「ここを見てほしいんだよ!」という意思が感じられない。一年以上もカメラを回して、1000本もテープを消費して、いったいなにを撮っていたのか。

 この映画は、彼女たちを知らない人には新鮮かもしれないし、「あっちゃんが出てればいい」というヲタには楽しめるものかもしれない。
 だが、AKB48は映っていても、今までぼくが見聞きしてきたもの以上の「なにか」はここにはない。ドキュメンタリーと打つのであれば、せめてそのかけらくらいは見せてほしかった。
 オープニングに象徴されるように、この監督は彼女たちをかわいく撮ろうという意思があるだけで、内面に迫ろうなんて考えてやしないのだ。だからこの映画は、なにかのDVDの特典映像クラスのものでしかない。

 あと、これはとても大切な問題だと思うので書いておく。
 この映画はTOHOシネマズのフリーパスは使えないし、ポイント鑑賞もできない。特別上映だからだそうだ。だれの意思かわからないが、ライブ生中継と同じ扱いということなのだろうか。なんにしても、ふざけている。

 とまあ、あれこれ書いたけど、AKB48ヲタならそれなりには楽しめるものだとは思う(あくまでも、見たことのない映像があるから、という程度だけど)。
 ちなみに、ぼくが一番印象に残っているのは、松原夏海のすっぴん顔だった(笑)。
 来年もこの手の映画を作るつもりであれば、今度はぜひ森達也にカメラを持たせてほしい。いや、マジで。

 ■映画公式サイト→ DOCUMENTARY OF AKB48 TO BE CONTINUED

2010年映画ランキング。

 17, 2011 07:12
 今さらですが、ちよっと諸事情で……。

 去年見た新作映画は80本。その全部を順位にしてみましたが、正直なところ、中盤はもうどれが何位でもいいって感じです(笑)。あとで見返したら変わるかも。

 1・ぼくのエリ 200歳の少女
 2・息もできない
 3・キック・アス
 4・第9地区
 5・十三人の刺客
 6・ヒーローショー
 7・マチェーテ
 8・さんかく
 9・(500)日のサマー
 10・ボーイズ・オン・ザ・ラン
 11・ブルーノ
 12・ハート・ロッカー
 13・アイアンマン2
 14・クロッシング
 15・ヒックとドラゴン
 16・川の底からこんにちは
 17・悪人
 18・ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
 19・アウトレイジ
 20・デイブレイカー
 21・ラブリーボーン
 22・インビクタス
 23・渇き
 24・プリンセスと魔法のキス
 25・トイ・ストーリー3
 26・シャーロックホームズ
 27・プレシャス
 28・インセプション
 29・ペルシャ猫を誰も知らない
 30・仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ
 31・ヤギと男と男と壁と
 32・シングルマン
 33・私の優しくない先輩
 34・ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う
 35・月に囚われた男
 36・カラフル
 37・ベストキッド
 38・アリス・イン・ワンダーランド
 39・涼宮ハルヒの消失
 40・コララインと魔法のボタン
 41・すべて彼女のために
 42・マイレージ・マイライフ
 43・必死剣鳥刺し
 44・ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲
 45・キャタピラー
 46・戦闘少女 血の鉄仮面伝説
 47・白いリボン
 48・エクスペンタブルズ
 49・さらば愛しの大統領
 50・TSUNAMI
 51・時をかける少女
 52・THE LAST MESSAGE 海猿
 53・パレード
 54・ソルト
 55・シャネル&ストラヴィンスキー
 56・サロゲート
 57・ウルフマン
 58・SPACE BATTELESHIPヤマト
 59・武士道シックスティーン
 60・マリア様が見てる
 61・書道ガールズ!
 62・シャッターアイランド
 63・ノルウェイの森
 64・シュアリー・サムデイ
 65・ニューヨーク、アイラブユー
 66・ゴースト もう一度抱きしめたい
 67・パーフェクト・ゲッタウェイ
 68・かいじゅうたちのいるところ
 69・BECK
 70・ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
 71・トイレット
 72・天装戦隊ゴセイジャー エピックON THEムービー
 73・ACASIA
 74・運命のボタン
 75・インシテミル
 76・仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE
 77・食堂かたつむり
 78・踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!
 79・矢島美容室THE MOVIE 夢をつかまえネバダ
 80・告白

 『告白』は『キネマ旬報』の邦画部門の第2位だそうです。これを高く評価するってどうよ?
 ■図書室の少女―1■




 ネズミは馬路須加女学園校舎三階の図書室に向かっていた。
 名目だけは図書委員が存在するものの、いつも受付は無人だ。それゆえ、タイマン部屋として使われることもあり、ここはほとんどの生徒が近づかない場所だった。この学園内で常日頃から勉学に励むものなど両手で数えても余るほどであり、図書室は過疎化している。
 昼休みの図書室は、明るい陽光が窓から差し込み、とても暖かかった。
 たいした数の蔵書ではないが、一通りの文学全集や辞典が並んでいる棚のあいだを通り、ネズミは図書室の中央スペースに出た。そこには読書や調べものをするための机が並べられている。試験の前には落第を免れるためだけの、最低限の勉強をする生徒たちで席が埋まることもなくはないが、何事もない日にはだれも座ることのない椅子がさびしそうに佇んでいるだけだった。
 だが今は、一人の少女がいた。
 背筋を伸ばし、姿勢良く椅子に座ったその少女は、机の上に置いた文庫本に視線を落としていた。ネズミが入ってきたことに気づいているのかいないのか、微動だにしない。少女が昼休みにはいつもこの席で本を読んでいることは、すでに調査済みだった。
 喧騒に満ちた学園内で、静寂に包まれている唯一のこの場所にいるのは、ネズミと少女の二人だけ。
 パーカーをかぶったまま、ネズミは少女の前の椅子に座った。
 しかし少女は顔を上げず、本に視線を這わせたままでいる。
 ネズミがガムを噛む、くちゃくちゃという音だけが響いた。
 ネズミは少女を「観察」した。セミロングの美しい髪は、陽光に照らされ輝いている。まっすぐな眉毛は意思の強さを示している。小さめの瞳は魅惑的で、文字を追っている動きさえ力強い。唇の両端はわずかに上がっていてかわいらしく、少女が体全体から醸し出す大人っぽさとは反しているが、そのアンバランスさがぞくぞくするような魅力を持っている。
 ネズミは待った。彼女が没頭している世界から、現実に戻ってくるのを。
 やがて、少女がこちらに気づいたのか、ふと思い出したように顔を上げた。
 目が合った。
 その眼は、少女というよりも、美少年の持つ魔性に近い輝きを放ち、どんな者をも一瞬で魅了する力を持っていた。
 見つめ合っていたのは数秒のこと。
 口を開いたのは、少女のほうだった。
 「ぼくに、なにか用?」
 少女――松井珠里奈はハスキーな声でそう言った。
 「松井珠里奈さん――スよね? なに読んでるんスか?」
 ネズミの問いに、珠里奈は文庫本を持ち上げてカバーを見せた。
 ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』下巻。
 「傑作っスよね、それ。車の衝突シーン、最高に笑えたっスよ」
 珠里奈が微笑むと、両頬にエクボができた。「似てるかもね、ぼくたち――」
 「それはよかった」ネズミは笑顔を作った。
 松井珠里奈はネズミと同じく一年だが、クラスはちがう。そもそも彼女は四月に入学したのではない。秋になって名古屋の栄から転校してきたのだ。それまで普通の女子高に通っていた珠里奈は暴力事件を起こし、この馬路須加女学園にやってきたらしい。いくらネズミでも、名古屋にまで情報網はなかったため詳細は不明だが、こんな学園に転向してくるくらいだ、なにがあったのかは大体想像がつく。
 珠里奈と面と向かって話すのは、これが初めてのことだった。自分の存在を珠里奈が知っているかはわからない。ほんの少しの明かりで、見ず知らずのダンジョンを進むような話し合いになるだろう。ネズミは緊張した。珠里奈を「ネズミ帝国」に引き入れることに失敗すれば、野望達成への道のりは一層険しくなる。
 「あっしはこういうもんで……」ネズミは笑顔のまま、パーカーの内ポケットから、生徒手帳を取り出した。そして名前と顔写真が入っているページを開き、珠里奈に向けた。
 「わたなべ、まゆう……?」
 「わたなべまゆ……っス」
 「じゃあ、まゆゆだね」
 「え?」
 「インスピレーションさ。ネズミさんでしょ、いつもの名前は? でも、そんなの似合ってない。きみにはまゆゆってほうがいい。絶対」
 「どうしてネズミってあだ名を?」
 「聞いたんだよ、クラスメイトに。転校初日に校庭できみを見た、そのときにね」珠里奈はそこで言葉を区切って、「とてもかわいい子だと思った」
 ネズミはゾクッとした。
 呑まれるな。会話の主導権が珠里奈のものになりつつある。ネズミは警戒した。
 「けど、別のクラスだったから、遠くで見つめているだけだった。それに、きみの悪いウワサもいろいろ聞いたし」
 ネズミは苦笑した。「どんなウワサっスか?」
 「まあ……。いろいろだよ」珠里奈は言葉を濁した。「でも、さっきわかった。きみはぼくと似てる。この学校でジョン・アーヴィングを知ってる生徒がいるなんて思わなかったし、衝突の場面で笑える感性はぼくと同じだ。だから、きみに関する悪いウワサはきっと、だれかの悪意によるものだよね。この本の、ガープみたいに」
 どこまで本気なのだろうか。ネズミは珠里奈を見つめながら、自分の疑念が目に浮かんでいないかと気になった。珠里奈がどんな「悪いウワサ」を聞いたのかはわからないが、ネズミが学園の影で暗躍し、だれかとだれかに手を結ばせたり引き裂いたり、衝突させたり仲介したり――それらはすべてネズミの意思であり、決意であり、ネズミ自身の人間性でもあった――したことを、珠里奈はいくらかは知っていると考えたほうがよさそうだ。。
 「たしかにいろんなウワサが流されてるんスよ。珠里奈さんが聞いたウワサのほとんどはホントのことかもしれないっス」
 珠里奈ははっとした表情を浮かべた。
 「あっしは――二年後、三年生になったときに、この学園のテッペンを獲りたいんスよ」
 「テッペンを……?」
 ネズミは深くうなずいた。「ラッパッパがやっているようなケンカじゃなく、それよりもちょっとばかりここを使ったやり方でね」ネズミは自分のこめかみを人差し指でつついた。「ケンカの強い連中相手に頭だけで闘うのは、これまたちょっとばかり面倒なんスよ。だから裏でいろいろと動かなくちゃいけなくて……。悪いウワサってのは、そういったことと関係あるんじゃないスかねえ」
 ネズミはまるで、他人事のように言い放った。
 珠里奈は唇で笑った。エクボの窪みが、より深くなった。「――面白いね、それ」
 「そう言ってくれたところで、珠里奈さんにあらためて話があるんスよ」
 「ぼくに――どんな話?」
 「あっしを守ってほしいんス。あっし、知ってるんスよ。珠里奈さんがめちゃくちゃ強いこと――」
 珠里奈は目を細めた。奥に光る眼光が、輝いたように見えた。
 「二ヶ月半前、珠里奈さんが隣町でヤクザをボコったとこ、偶然見かけましてね……」
 偶然というのは嘘だった。そのときネズミは珠里奈について調べるため、一週間、尾行をしていた。事件が起きたのは最後の日だった。
 珠里奈は週二回、学校帰りにダンスのレッスンに通っていた。レッスンは午後九時までおこなわれる。その教室のある街の駅前には、飲み屋や風俗店が密集した繁華街があり、女子高生が夜に歩くには適さない場所だった。
 珠里奈にからんだのはスーツを着たヤクザ三人だった。全員の身長は珠里奈より二十センチ以上高い。なにが原因かはわからなかったが、ネズミが気づいたときには、珠里奈は三人に囲まれていた。しかし珠里奈はあわてた様子もなく、三人を路地へと導き、消えた。
 ネズミと珠里奈は十メートル以上離れていたし、往来は嬌声や車の走行音や呼び込みの声でけたたましかった。死角へ入ってしまった珠里奈を追うべきかどうか、ネズミは一瞬迷った。しかし、自分が行ったところでどうにかなるわけでもなく、巻き添えを食らうのだけはごめんだった。ネズミは少し経ったら、路地裏に転がる珠里奈を見に行こうと思った。
 だが、珠里奈はものの三十秒もしないうちに、路地から出てきた。学校帰りに立ち寄ったクレープ屋が臨時休業していたときに見せる、ちよっとがっかりしたような、つまらなさそうな表情を浮かべていた。
 スカートをひるがえし、駅に向かって歩いていく珠里奈の背中を意識しながら、ネズミは先ほどの路地へと入った。
 そこには三人のヤクザが倒れていた。一人は泡を吹き、股間を押さえたまま気絶していた。一人は肩が外れたのか右腕が背中のほうにおかしな角度で曲げられていた。残る一人は顔面中血まみれで、どこがどう切れているのかわからないほどだった。
 ネズミは空恐ろしさを感じながらも、うれしくなった。
 ネズミは珠里奈への調査を強化した。学校での動向には注意をし、各教室にいるタレコミ屋から情報を集められるだけ集めた。しかし馬路須加女学園では珠里奈はおとなしく、だれともつるんでいなかったし、その気配すらなかった。あのケンカの腕前なら、ラッパッパに入っても四天王になれるというのに、珠里奈はそんなものには一切興味がないようだった。
 「なにがあったかは知らないし、どうでもいいっス。ただ、ヤクザ三人を相手に一歩も引かなかった珠里奈さんを見て、あっしは超アガりましたよ。これは本物だって……」
 珠里奈はなにも言わなかった。
 「だけど珠里奈さん、学校ではおとなしいっスね。転校生ってこともあるのか、だれともしゃべらず、昼休みにはこうして毎日図書室通い……。暴力が横行しているこの学校で、強いのにひたすら我慢しているってつらくないスか? あっしを守ってくれれば、なにかあるたびに、その腕を使えますよ。毎日緊張の連続で、今よりは楽しい日々になるにちがいないっス。まあ、本を読むのも楽しいってことは認めまスがね……」
 ネズミは待った。珠里奈が話し始めるのを。
 図書室が静寂に包まれた。
 廊下の向こうでだれかがロッカーでも蹴り倒したのか、ずんと重い衝撃が床から伝わってきた。続いて怒号。どこかのバカ同士が、またケンカを始めたのだ。
 とはいえ、いまこの図書室でおこなわれている会話も一種のケンカだった。もし珠里奈がネズミの要請を断れば、ネズミは自分を守る新たな手段を考えなくてはいけない。珠里奈にとって、ネズミの側に就くということは、敵を増やすことに他ならない。
 珠里奈は考えていた。唇の端を上げ、アイドル顔負けの笑顔を見せながら。
 そして珠里奈は長考のあと、そっと口を開いた。「ぼくが昔読んだ本に、こんなことが書いてあった。『無力だから群れるのではない。群れるから無力なのだ。』って……。ぼくもそう思う。自分の力は小さい。でも、仲間を増やせば言うべきことが言えなくなり、自分の力はより小さくなる。だからぼくは一人でいた。でも、一人じゃ背中を守れない」
 ネズミはうなずいた。「そうっスよ」
 「――ふたつ、条件がある」
 「なんスか?」
 「組むからには、ぼくに隠し事をしないでほしい。ウソも絶対ダメだ」
 「そりゃあ、もちろんスよ」
 だが、ネズミはそれは無理だろうな、と思った。テッペンを獲るということは、権力を手中にするということだ。権力は魔物である。正直者がそれを手にして成功した例は、歴史上ただのひとつもない。
 「ふたつめは――ぼくと付き合うこと」
 「え――」
 あまりにも意外な条件に、ネズミは絶句した。
 「付き合うといっても、手を繋いで遊園地で遊ぶことじゃないよ。ぼくらはまだ大人じゃないけど、子供でもない。そういう付き合いさ。この意味、わかるよね、まゆゆ?」

 
 

 【つづく】

祝・『マジすか学園』再放送!!!

 12, 2011 04:56
 関東地方は本日深夜から、テレビ東京で『マジすか学園』の再放送が始まります!!!

 公式サイト→ http://www.tv-tokyo.co.jp/majisuka/

 もう見た方も、まだ見ていない方も、ぜひ見てみてください。
 ぼくもDVD持ってますが、たぶん録画して、また見ます。CSで『ボトムズ』始まったんだから、そっちを優先しろよ、という自分の心の声も聞こえますが、ファンフィクションノベル書いている身としては、何度でも原点にあたることは基本だと思うので……。
 今回の再放送で『マジすか学園』の世界に触れる人が増えてくれればいいなあ、と思っています。
 ■純情堕天使―4■




 
 元チームホルモンの三人だけではなく、サキコ、ナツミ、トモミ、ハルカまでがうめ子に倒されたという事実が、マユミの闘志に火を点けた。いや、火はいつでも点いている。燃料が注がれたというほうが正しいかもしれない。
 なんにしても、マユミは燃えた。
 マユミの格闘スタイルは極真空手を基本とした打撃技だ。体が小さいため組み技は苦手だった。適度な間合いをとり、懐に入られなければ勝機は必ずある。
 やっかいなのはうめ子のバットだった。あれに当たらない距離を保っていては、こちらの攻撃もまた当たらない。まずは、あれをうめ子から奪い取らなくてはいけない。だが、そんなに簡単にいかないのはこれまでの七人が証明してくれている。
 では、どうするか。
 これまでの闘い方を見ている限り、うめ子はスピードを重視してはいないようだった。バットも体の動きも緩慢でけっして早くはない。それならば、矢継ぎ早に技を繰り出し、こちらのペースに持ち込んだところでバットを奪うという戦法はどうだろうか。
 ぐずぐずしている時間はなかった。マユミは決断すると、うめ子に向かった。
 まずは当たらなくてもいい、先制の左上段突きをうめ子の顔面めがけて放つ。
 うめ子もそれが牽制だとわかったのか、本気でよける気配はなかった。バットを片手で槍のように突き出して、マユミの接近を阻止しようとしてくる。
 マユミはかまわず、次に右上段突きを繰り出した。これも当てる気はない。
 そのとき、バットが右わき腹に命中した。
 硬質な衝撃による痛みは重かったが、マユミは歯を食いしばって耐えた。こんな程度なら、道場でいくらでも受けている。師の蹴りの強さに比べればなんでもない。
 攻撃を食らったマユミが引かないどころか、一歩前に踏み出したことに驚いたのか、うめ子はじりっと後退した。
 ――いまだっ。
 マユミは次に、やや大振りの右中段回し蹴りを放った。これは当たれば良し、そして当たらなくても良しという程度の攻撃だったが、ローファーの爪先はうめ子のやわらかな胸に突き刺さるように命中した。「むにゅっ」とした感触があった。
 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」
 うめ子が絶叫した。聞く者を旋律させる、怒りのこもった声だった。
 胸を攻撃されたことで女としての尊厳を踏みにじられたとでも思ったのか、それとも想像以上に蹴りが効いているのかはわからなかったが、今までのうめ子とは少しちがうリアクションがあったことで、マユミは自分の闘い方がまちがっていないことを知った。
 ――いけるっ。
 マユミは右中段回し蹴りのすぐ直後に、左上段回し蹴りを出した。これこそが、本当にヒットさせるつもりの、必殺の蹴りだった。背の低いマユミだが、毎日の柔軟体操と道場での鍛錬によって、脚はほぼ垂直に上げられる。多少の身長差ならまったく問題はなかった。むしろ背の低さは相手の油断を誘う、ある種の武器にもなっている。
 左上段回し蹴りが、うめ子の顔面に命中した。
 マユミの攻撃は素早く、最初に左上段突きを放ってから、この左上段回し蹴りが出されるまで十秒とかかってはいなかった。それも、蹴りが命中した理由のひとつだったのだろう。マユミの足の甲には、うめ子の右頬骨を砕くのではないかというほどの衝撃があった。威力だけではなく、その「型」は、道場に入ったばかりの入門者の手本になるような美しさを持っていた。
 「――うめ子っ……」まいぷるが叫んだ。
 「やったっ」背中から、バンジーの声が聞こえた。
 左脚の心地よい痛みを意識しつつ、マユミは笑みを浮かべた。
 うめ子は横向きのまま倒れた。力を失った右手がバットを離した。からん、と乾いた音を立てて、こちらに転がってきたバットを、マユミは拾った。
 焦りの色を目に浮かべたまいぷると目が合った。さっきからふざけたことばかり言っていたこの女をどうしてくれようか……。思わずバットを握る手のひらに力がこもったが、マユミはそれをすぐに背後に捨てた。こんなものはいらない。私は私自身の拳で未来を開く。そのためには、うめ子にとどめの一撃を与えなくてはいけない。
 床でうめいているうめ子に、マユミは近づいた。
 仰向けに倒れているうめ子のブレザーの襟元をつかみ、上半身だけを引き上げる。もう一発、今度は左の頬に拳を叩き込むつもりだった。
 右手をにぎり、肘を背中の後ろまで引く。先ほどとちがって、相手はまったく動く気配がない。命中しないわけがなかった。この拳を一発、腹に叩き込めば、戦闘は終わる。
 だが、マユミは油断していた。あまりにもきれいに入った蹴りの余韻に酔っていた。足をもがれた昆虫を踏み潰すようなつもりでいた。相手が動けないと決めてかかっていた。
 うめ子の左腕が、映画『ミスト』に登場したモンスターの触手のように気持ち悪く動いた。マユミが気づいた瞬間には、それは元々そこにあるかのように、喉に絡みついていた。
 うめ子の親指が喉の中心を圧迫してくる。マユミはブレザーの襟元から指を離し、うめ子の腕を引き剥がそうとした。しかし、それは万力で固定されたように動く気配がない。息を止められたマユミの視界がうっすらとぼやけてきた。
 ――殺される……。
 まさか、そこまではしないだろうという根拠のない安心と、この狂った女ならやりかねないという恐怖が混じりあい、マユミは戦慄した。
 けれども、こんなときこそ、平常心を保たなくてはいけない。状況を分析しよう。いま自分は相手に馬乗りになっている。体制的に有利なのはこちらだ。打撃を加え、痛みによって相手の腕の力を弱めれば抜けられるはず。
 しかしうめ子の腕力は、じわじわとマユミを絞めている。
 打撃をしようにも、力が入らない。
 「うめ子、さっさとやっちまえよ。いつものアレ」まいぷるが言った。
 ――いつものアレ……?
 それがなにかはわからないが、マユミにとってはよくないことにちがいない。
 「はああああああい……。やっちまあああああす」
 うめ子が狂気の雄たけびを上げた次の瞬間、マユミは強烈な力で右側に倒された。
 即頭部を床に叩きつけられるようにされたとき、マユミの目の前で星が散った。
 一瞬、状況が把握できなかったが、少しすると自分がうめ子の左手一本で横転させられたことがわかった。加えて、形成が完全に逆転していることも。
 いまや、うめ子はマユミの上に馬乗りになっていた。左手はまだ喉を絞めつけている。苦しい。本当に苦しい。
 「せぇぇぇぇぇのぉぉぉぉぉぉ……」うめ子が右手を、振りかぶるように持ち上げた。
 マユミは拳が顔面に打ち込まれることを覚悟した。
 苦難から目を逸らしてはいけない、という師の教えが、このときなぜか思い出された。マユミは自分がうめ子に倒されるのなら、その瞬間も目を開いていよう、と決意した。
 マユミはうめ子をにらみつけた。
 うめ子の右手の人差し指と中指が立てられている。
 ――目潰し……?
 マユミは焦った。
 「じゃああああああんんんんんけえええええええんんんんんんん……」
 うめ子の絶叫が地下室に響き渡った。
 マユミはもうなにも考えられなかった。恐怖がなかったかと言われれば、あった。だが、それはすべてを支配していたわけではなく、あくまでもマユミの心の一部にあるだけだった。このときマユミの精神を保っていたのは怒りだった。仲間をシメたうめ子に対する純粋な怒り、野次を飛ばすだけのまいぷるに向けた正義の怒り、そして負けそうになっている自分の弱さに対する怒り。
 「ぽおおぉぉぉぉんんんんんんんんっ」うめ子の目潰し攻撃が、まるで弾丸みたいに早く思えた。
 マユミは反射的に拳をにぎり、うめ子にそれを放った。渾身の正拳突きだった。
 うめ子の「チョキ」とマユミの「グー」は、鉄道の上り線と下り線のように、同一射線上を進んだ。
 チョキとグーのどちらが強いかなど、考える必要もない。
 マユミのグーがうめ子のチョキに叩き込まれ、うめ子の人差し指と中指が裂けるように広がった。
 「ぎゃおうわおうわぁあぁあぁあぁおぁわぉあぁあわぉぉぎやわぉ」
 マユミを押さえつけていたうめ子の左手が離れた。その機を逃さず、マユミはうめ子の鼻っ柱にもう一度、正拳突きをお見舞いした。うめ子は絶叫したまま、背中から転がった。マユミはうめ子から離れ、立ち上がった。
 うめ子の右手の人差し指と中指は、下品なエロ本のモデルのように大きく広がっていた。どれほど痛いかは、うめ子の絶叫が物語っている。追い討ちをかけるならいまだったが、マユミはやらなかった。もう勝負はついたし、なによりマユミは疲れ果てていた。
 「やりましたね、マユミさん」肩で息をしているマユミに、背後からプリクラが声をかけてきた。
 「なんとか……」ふり返ってプリクラにかすかな笑顔を見せた。
 七人がかりで次から次へと闘って勝てなかった相手に自分は勝てた。マユミはその喜びと興奮で頭がいっぱいになった。
 最後の最後は、実力というよりは運による勝利だったが、マユミは気にしなかった。昔から言うではないか。運も実力のうちだ。運のない者にテッペンなど獲れるわけがない。自分は運を持っている。
 うめ子にやられたサキコ、ナツミ、トモミ、ハルカがこちらを見て、何度もうなずいていた。マユミが力強く握った拳を掲げると、ハルカが駆け寄り、マユミに抱きついた。
 アキチャ、ウナギ、ムクチの、チームホルモンのメンバーたちも、マユミに友としての視線を送っていた。それぞれの気持ちがどうであれ、マユミは純情堕天使だけでなく、チームホルモンの仇もとったことになる。この地下室に入る前まで、マユミは元チームホルモンのメンバーたちになじめなかった。だが今は、同じ相手と闘った者同士にしかわからない連帯感を、マユミはたしかに感じていた。
 「感動的なクライマックスだけどよ――まだ終わってねえぜ」バンジーがマユミの前に出た。
 そう、まだだった。まだ、まいぷるが残っている。
 「――やるね、あんた……」そのまいぷるはゆっくりと歩いてきて、泣きじゃくっているうめ子をかばうように前に出た。「でも、今日はおしまいにしようかな」
 「勝手なことほざきやがって……」バンジーは鼻で笑った。「てめえだけ無傷で帰るつもりか? あたしは今日、不完全燃焼でうずうずしてんだよ」
 「やってもいいけど、そっちで闘えるの、あんたとプリクラさんだけだよね?」焼き鳥の串をくわえたままのまいぷるは、それを上下に動かした。「たぶん、あんたら負けるよ」
 ふざけた口調でも、まいぷるの目にはいくさ人の光が宿っているのを、マユミは見逃さなかった。この女、たしかに只者ではない。マユミにわかるのだから、プリクラもわかっているはずだ。
 「んなことは、やってみなけりゃわかんねえ」
 「しょうがないなあ……」まいぷるは咥えていた串を手で取ると、それを右手の指のあいだに入れた。指先がピアノの鍵盤を叩くようにリズミカルに動いた。串は瞬く間にその指のあいだを出たり入ったり伸びたり縮んだり回転したりした。それはまるで、小さなバトントワリングのようだった。「本当の力、ここでは出せないけど、そんなの使わなくても普通に強いよ、私」
 「バンジーさん」プリクラがバンジーの肩に手を置いた。「今日はこのくらいにしておきましょう」
 「今のにビビったのか。情けねえんだな、純情堕天使ってのは……」
 「あなたも今は純情堕天使の一員で、リーダーは私です」プリクラはきっぱりと言った。「うめ子さんを倒すのに、こちらは八人を使いました。マユミも闘う気力はあっても、もう体力は残っていません。私たち二人で、まいふるさんを倒せますか?」
 「そんなことはわからねえ。けど……」
 「今日で何もかもが終わるわけじゃありません」
 「そうだよ、バンジー」まいぷるが茶化した。「うめ子、かなり痛がっているからさ。早く病院連れて行きたいんだよね」
 うめ子は泣いていた。涙も鼻水もぬぐわず、人目も気にせず、わんわんと駄々をこねる子供のように泣いていた。あれほどの強さを見せたうめ子の豹変ぶりに、マユミはより不気味さを感じた。
 「猪突猛進が勇敢ってわけじゃありません」
 バンジーはプリクラを見つめ、ふっと笑った。「ヲタに似てるな、あんた」
 「ご冗談を」プリクラは笑顔を見せた。「あんなヘタレと一緒にしないでください」
 「まあ、今回はあんたの顔を立てるよ」バンジーはまいぷるに向き直った。「命拾いしたな、あんた」
 「ありがとう」まいぷるは笑顔を作った。
 マユミはその余裕に苛立ったが、リーダーのプリクラがやらないと言っているのだから、勝手な真似をするわけにはいかなかった。しかし、この女、いつか絶対にシメてやる。マユミは自分自身に誓った。
 「では、行きましょう」プリクラが号令をかけた。
 マユミは渋々、それにしたがうことにした。まいぷるの、「本当の力」というのがどんなものなのかは気になったが、今はリーダーの命令にしたがうときだった。
 純情堕天使のメンバーたちがぞろぞろと地上への階段を昇っていくあいだ、マユミはバンジーと最後まで地下室にいた。こちらを油断させる、まいぷるの作戦という可能性もあるからだ。
 やがて自分たち二人だけになり、マユミも階段へ向かった。
 最後にまいぷるを見ると、そこには笑顔の美少女がいた。

 



 【つづく】
 『マジすか学園外伝・Ⅰ』を買っていただいた方から、感想のメールをいただきました。
 
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 『マジすか学園外伝・Ⅰ』は、ブログで読ませていただいていましたが、やはり本のかたちで読んだほうが、読みやすくおもしろかったです。早く続きが読みたいので、がんばってください。

                               ハンドルネーム・ノーリーズンさん

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 ノーリーズンさん、ありがとうございました!!!

 通販で買っていただいた方からも、コミケで買っていただいた方からも、まだまだ感想のメールをお待ちしています。褒めていただかなくてもけっこうです。批判でもかまいません。なんでもいいので、ぜひ以下のアドレスまでお寄せください。その際に、このブログに掲載可能であれば、ハンドルームを添えてください。

 nuremusume@mail.goo.ne.jp (コピペした際は、@を小文字に直してください)

 それでは、よろしくお願いいたします。

いろいろ告知。

 04, 2011 12:42
 まずはコミケ初出しとなった、『濡れ娘。』の新レーベル作品から。

 

 画像クリックで、販売サイトに飛びます。
 こちらは何度も説明していますが、「着衣濡れ」のないパンチラ写真集です。
 「上戸はwetを捨てたのか?」と思われるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。
 あちこちで吹聴しているとおり、ぼくはパンチラも大好きなんです(笑)。
 そんな話を陸遊馬さんとしていたところ、「じゃあ、やりましょうよ」ということになり、こうして撮影をしたというわけです。他にも撮影済みのパンチラ写真はあるのですが、それはまたいずれ……。
 もっと正直に言うと、やはりwetというジャンルだけでは、サイトの運営はままならないんです。一般的な嗜好もある程度取り入れたいというのは、ずっと思っていました。『choco-mini』というレーベルを作ったのも、その一環です。
 だからといって「××のスカートの中が見たいんだ!!!」シリーズは、手を抜いているわけでも、やっつけ仕事的に作ったわけでもありません。きちんと、自分の中にある「スカートの中」に対する欲望というか愛(笑)を込めたつもりです。
 ちなみに、写真を見た陸遊馬さんの感想は「男子中学生の視点ですね」というものでした(笑)。これは、ぼくは褒め言葉だと感じました。少年誌のマンガに描かれるような、女性が見ても不快感のない、「エロ」ではなく「エッチ」な、かわいいパンチラを目指したからです。
 がっつりとした「エロ」を求めている方には物足りない写真集かもしれませんが、少年の心を持った大人の方には伝わるものがあると思います。
 『マジすか学園外伝・Ⅰ』の通販を、楽天オークションを使ってはじめます。

 http://auction.item.rakuten.co.jp/10941111/a/10000000

 オークションといっても競るわけではなく、開始金額は即落金額と同じ500円なので必ず500円で落札できます。ただし送料は別で、こちらは地域によって変わってくるのでお気をつけください。
 この方法だと、購入していただいた方の個人情報はぼくの元に来ません(そして、ぼくの個人情報も購入された方にはわかりませんが)。なので、安心してご購入いただけるのではないでしょうか。
 支払い方法もクレジットカードやコンビニ決済や銀行振込みなどいろいろありますから便利です。

 今回は初回ということで、1月3日の午前0時からオークションがスタートされ、1月5日の23時に終わることになっています。
 ご購入していただける方は、ぜひこの機会にお求めください。
 また、今回を逃しても、継続的に出品するつもりです。そのときは、また告知します。
 オークションに出品するのは初めてなので、なにかといたらない点などあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

コミケット報告。

 02, 2011 17:37
comike79.jpg

 告知していた通り、去年の大晦日、コミケット79にサークル参加してきました。

 当日は売り子をしていただく予定の沙織さんと連絡がつかず、「寝坊かな」と予測して早めの行動を心がけました。
 ビックサイトに到着したのは0820くらい。それから大慌てでディスプレイの設置やら準備会に提出する新刊や新作の用意やらトイレやら朝食やらを次から次へと処理していき、そのすべてが終わったのはコミケが始まる5分前でした。たまにはこういうスリリングな展開も楽しいものです(笑)。
 開場して15分ほど経ったとき、「頼まれたんですが……」という女性の方が『マジすか学園外伝』を買ってくださいました。そのあとすぐに別の方もいらして、これは幸先いいかなと売れ行きに期待してものの、『外伝』は最終的にはほとんど売れず……(泣)。
 新作のCD写真集もぼちぼち売れてはいるものの、前のような勢いはあまりありませんでした(ぶっちゃけすぎ)。やはり二年間も出ていなかったブランクは大きいのかもしれません。
 沙織さんが来てくれたのは11時ちょっとすぎ。サークル入場に間に合わず、一般入場で入ったそうですが、午後になるかと覚悟していたので、意外に早くて助かりました。
 それからはぼくは自分の買出しに出かけました。とりあえず挨拶をしておかねば、と『唐沢俊一検証ブログ』の中の人のサークル『西理研』へ。新刊を買って、少しですが声をかけさせていただきました。
 あとは評論系のスペースを少しうろついたり、唐沢俊一本人を見てニヤニヤしたり(それだけです。おかしなことはしてませんw)、氷川竜介のヤマトの本を買ったり……。
 終わった後はスペースに戻って、店番のお手伝い(え?)。やっぱり、ガラの悪い坊主頭の男が前にいるよりも、女の子がいるほうが通行している人へのアピール度は高いですね。
 意外だったのは、新作と同じくらいの数、『ストライクウイッチーズ』のCD写真集が売れたこと。二期が放送されたこともあって、人気が再発したのでしょうか。最初は持っていく予定がなかっただけに、これはうれしい誤算でした。

 売り上げは過去最低でしたが、久しぶりのコミケットはそれなりに楽しかったです。あいかわらず売れ残った商品は多いですが、まあ、儲けるために出ているわけじゃないので、それはそれでいいかな、と。
 あと、うちの写真集を見て、「着衣濡れ」というジャンルがあることを知ってくれたかたが何人かいました。これは売り上げには結びつかなくても、有意義なことだったと思います。世間的には、まだまだ未知なジャンルなのでしょうね。国内の濡れフェチ系のサイトは縮小傾向にあるので、今年はマジで少し気合を入れてサイトの更新などしていかなくてはいけない、と強く思いました。

 今年の夏も申し込みますので、サークル参加できることになりましたら、またよろしくお願いいたします。

 それから、『マジすか学園外伝・Ⅰ』の通信販売をするつもりなのですが、それはまたあらためて告知させていただきます。

あけましておめでとうございます。

 01, 2011 09:07
 去年も無事、生き延びられました。今年も生きていたいです。

 去年はなんにもできなかったような気がする。思い返すと、AKBと映画ばかり見て『マジすか学園』にハマっていただけ。
 毎年、年始にはサイトの更新をもっとたくさんしたい、と書いてるのにしてない。去年なんて二ヶ月に一度くらいのペースだった。そんなことだから日本のwet業界(笑)は盛り上がりがないとか言われるんだよ。でも、それってタダで画像を見せろとか言ってる連中の戯言って気も……って、新年早々、なんでおれはこんなこと言うかね(笑)。ともあれ。今年はせめて一ヶ月に一度はしたい。マジで。
 それにともない、撮影のほうもやっていきたいなあ。去年はwet撮影を一度しかしなかったし……。待っていただいているモデルさんもいるからどうにかしないと。だけど、実はビデオカメラが壊れてしまっていて、動画を撮るとなったら新しいのを買わなくちゃいけない。いまはDVDよりダウンロード写真のほうが売れているので、新たな投資をしてまで撮影する必要があるのか悩むところ。写真のほうが売れているといっても、あくまで比較の問題だから黒字になるほど売れているわけじゃないし。赤字解消にやってみたパンチラ写真の売れ行きによって考えることにしよう。
 あと『マジすか学園』の同人誌を去年は出したわけだが、これがあと二冊続く予定なので、こちらも気合入れたい。春に一冊、夏に一冊。それまでにブログでの連載を終わらせないといけないわけだが。
 映画は去年は80本見た。今年もそのくらいは行きたい。今月はTOHOシネマズの無料パスポートがあるので見まくらないと損(笑)だし。

 ま。そんな感じ。

WHAT'S NEW?