この記事は、コミケット79が終わるまで、少しずつ更新され、またトップに表示されます。
『濡れ娘。』が、コミックマーケットに三年ぶりにサークル参加します。概要は以下の通り。
●2010年12月31日金曜日 10時~16時(最後までいますので、あきらめずにお越しくださいw)
●東京ビックサイト 東館メ―34a 『濡れ娘。』
東京ビックサイトへのアクセスや当日の諸注意などについては、コミケットのオフィシャルサイトをご覧ください。特に初めて来られる方は必ず読んでください。普通のイベントに来る感覚で来場すると、とんでもないことになる可能性があります。
→ http://www.comiket.co.jp/
当日の新作は以下の予定です。
なお、一部、ダウンロード販売を開始しているものもあります。
■同人誌■
■マジすか学園外伝・Ⅰ
A5版・96ページ 500円
テレビ東京系で放送されたドラマ『マジすか学園』のパロディ小説です。
このブログで連載中の小説をまとめたものですが、大幅に加筆修正を加えました。
三部作(予定)の第一弾です。
なお、一部、性的描写を含みます。また同性愛にご理解のない方はお読みにならないでください。
■CD写真集■
■『ハルヒのスカートの中が見たいんだ!!!』
パンチラ写真集(モデル・陸遊馬) ハルヒ『消失』バージョン制服 1000円 新作
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■『Kanon -月宮あゆ-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『らき☆すた -柊つかさ-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『ぴたテン -御手洗薫-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『ヴァンパイア騎士 -黒主優姫-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
その他、旧作も販売いたします。
詳しくは、『濡れ娘。』のホームページをご覧ください。
→コミケ特設ページ http://www.nuremusume.com/comike79.html
途中までですが、とりあえずアップしておきます。
コミケまで、まだまだ更新いたしますので、よろしくお願いします。
『濡れ娘。』が、コミックマーケットに三年ぶりにサークル参加します。概要は以下の通り。
●2010年12月31日金曜日 10時~16時(最後までいますので、あきらめずにお越しくださいw)
●東京ビックサイト 東館メ―34a 『濡れ娘。』
東京ビックサイトへのアクセスや当日の諸注意などについては、コミケットのオフィシャルサイトをご覧ください。特に初めて来られる方は必ず読んでください。普通のイベントに来る感覚で来場すると、とんでもないことになる可能性があります。
→ http://www.comiket.co.jp/
当日の新作は以下の予定です。
なお、一部、ダウンロード販売を開始しているものもあります。
■同人誌■
■マジすか学園外伝・Ⅰ
A5版・96ページ 500円
テレビ東京系で放送されたドラマ『マジすか学園』のパロディ小説です。
このブログで連載中の小説をまとめたものですが、大幅に加筆修正を加えました。
三部作(予定)の第一弾です。
なお、一部、性的描写を含みます。また同性愛にご理解のない方はお読みにならないでください。
■CD写真集■
■『ハルヒのスカートの中が見たいんだ!!!』
パンチラ写真集(モデル・陸遊馬) ハルヒ『消失』バージョン制服 1000円 新作
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■『Kanon -月宮あゆ-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『らき☆すた -柊つかさ-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『ぴたテン -御手洗薫-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
■『ヴァンパイア騎士 -黒主優姫-』
wet写真集(モデル・陸遊馬) 初CD-ROM化 1000円
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(こちらにて販売しているものと内容は同じです)
その他、旧作も販売いたします。
詳しくは、『濡れ娘。』のホームページをご覧ください。
→コミケ特設ページ http://www.nuremusume.com/comike79.html
途中までですが、とりあえずアップしておきます。
コミケまで、まだまだ更新いたしますので、よろしくお願いします。
ふと、日記に映画のこと書いてないなと気がついた。
しかも10月以降に見たものをまったくスルーしていた。
というわけで、もうじき年末なのでベスト10は来年発表するため、今回は順位なく、見た順番で羅列しておきます。
■10月■
『十三人の刺客』
『TSUNAMI』
『シングルマン』
『エクスペンタブルズ』
『インシテミル』
■11月■
『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』
『THE LAST MESSAGE 海猿』
『マリア様が見てる』
『マチェーテ』
『さんかく』
『運命のボタン』
『さらば愛しの大統領』
■12月■
『SPACE BATTELESHIPヤマト』
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
『デイブレイカー』
『ゴースト もう一度抱きしめたい』
『白いリボン』
『キック・アス』
『ノルウェイの森』(予定)
合計19本を、9月までの60本に加え、2010年のランキングを決めたいと思います。まだ細かくは考えていませんが、この19本の中にベスト10に入りそうな作品が3本、ワースト10に入りそうな作品は4本あります。こちらは見当つくと思いますが(笑)。
時間があれば、『ばかもの』を見たいんですが、コミケ前でバタバタしているから無理かもなぁ……。でも、今年最後に見る映画が『ノルウェイの森』になることだけは避けたい(笑)。
しかも10月以降に見たものをまったくスルーしていた。
というわけで、もうじき年末なのでベスト10は来年発表するため、今回は順位なく、見た順番で羅列しておきます。
■10月■
『十三人の刺客』
『TSUNAMI』
『シングルマン』
『エクスペンタブルズ』
『インシテミル』
■11月■
『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』
『THE LAST MESSAGE 海猿』
『マリア様が見てる』
『マチェーテ』
『さんかく』
『運命のボタン』
『さらば愛しの大統領』
■12月■
『SPACE BATTELESHIPヤマト』
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
『デイブレイカー』
『ゴースト もう一度抱きしめたい』
『白いリボン』
『キック・アス』
『ノルウェイの森』(予定)
合計19本を、9月までの60本に加え、2010年のランキングを決めたいと思います。まだ細かくは考えていませんが、この19本の中にベスト10に入りそうな作品が3本、ワースト10に入りそうな作品は4本あります。こちらは見当つくと思いますが(笑)。
時間があれば、『ばかもの』を見たいんですが、コミケ前でバタバタしているから無理かもなぁ……。でも、今年最後に見る映画が『ノルウェイの森』になることだけは避けたい(笑)。
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このシリーズのサンプル写真は今回で終了です。
そして最後の公開になって、ようやくタイトルが決まりました。
■ハルヒのスカートの中が見たいんだ!!!■
です。
『濡れ娘。』では、このハルヒからはじまるパンチラシリーズを、「××のスカートの中が見たいんだ!!!」というレーベルで発売していきます。「××」にはその写真のキャラクターが入る予定です。
ぼく自身が表現したいパンチラについて考えてみたんですが(もっと他に考えることあるだろ)、それはパンツが見えることなんじゃなくて、スカートの中に対するロマン(笑)なんじゃないかと思ったんです。これは同じようでちがいます。ただパンツが見えているだけの下品な写真じゃなくて、あくまでも「スカートの中」感を表現できるような、そんな作品を撮っていきたいという思いも込めて、このタイトルにしました。元々、なにかのセリフみたいな長いタイトルが好きということもありますし、ライトノベルのタイトル風じゃないですか、これ(笑)。
というわけで、ゆくゆくはダウンロード販売もしますが(年明けくらいには……)、まずはコミケットでのROM版をよろしくお願いいたします。
12月31日金曜日、東京ビックサイト東館メ-34a『濡れ娘。』でお待ちしています。
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今年の大晦日にサークル参加するコミケット79で新作として発売する、パンチラ写真集からサンプルを少しずつ出していきます。なお、この写真集には、「濡れ」はありません。純粋にパンチラのみです(笑)。
モデルは陸遊馬さん。衣装は『涼宮ハルヒの消失』から、ハルヒ光陽園学園バージョンです。個人的には本編の北高校のセーラー服より、こちらのほうが好きです。
修正をしているのは、以前、ミクシィでパンチラ写真アップしてたら削除されたのと(この記事はミクシィでも公開しています)、どんなパンツを着けているかは買って確認してほしいので(笑)。
これから四日間、連続でこの衣装のサンプル写真を公開していきますので、よろしかったらチェックしてください。
■純情堕天使―3■
集団戦の場合、戦端を開くのはサキコの役目だった。
「サキコさん、やっちゃってください」
プリクラの指示に、サキコはうなずいた。
純情堕天使内ではもっとも背が高いサキコの得意技は、そのリーチを生かした突きだった。大柄のわりに体の線が細いサキコの人差し指と中指によって、相手は刺されたような痛打を受ける。サキコは常日頃から、この二本の指だけを鍛えていた。トータルでの能力では敵わなくとも、なにか一点でも人より優れた点があれば勝てる、というのがサキコの持論だった。
サキコがうめ子に突進し、まずはあえて大降りの回し蹴りを放った。これは牽制で、はなから当てるつもりはない。これをかわしたあと、懐に入り込んできた相手に、必殺の二本指を差し込むのがサキコのパターンだった。サキコはこの技を「革命のエチュード」と名づけていた。
うめ子はサキコの回し蹴りを見て一歩後退し、すかさずバットを振り回してきた。
サキコは臆せず突っ込んだ。バットが回転する円周上にいなければ当たることはないと判断しているのだろう。単純なことだがわかっていても、なかなか踏み込めないのが人間だ。サキコは華奢な見た目によらず、いざ戦闘となると大胆にふるまう。
バットが通過したあとの空間にサキコは突撃した。それはうめ子の正面だった。サキコの二本指がボウリングの球を投げるかのようなフォームで、下から上へと舞った。
喉を狙っているようだ。決まれば一瞬で相手の意識をなくすこともできる。サキコはその必殺の技を一発目から放った。
うめ子はバットを振り回した遠心力に身を任せていた。そのため一瞬の後、うめ子はサキコに背中を見せた。普通なら、そんなことをするわけがなかった。がら空きの背中がいかに危険か、ケンカをする人間なら知っているはずである。
このままでは喉に命中することはできない。しかし、無防備になったからといって、振り上げた腕はそう簡単に止められない。
目標を失ったサキコの二本指が空を切った。
そのとき、一回転して戻ってきたバットが、サキコの頬骨を打った。バットの勢いは衰えていたが、サキコに脳震盪を起こさせるくらいの威力は残っていたようだ。
「ヒットエンドラーンッ」
うめ子のはしゃぐ声が響いた。
サキコはふらりと揺れた。
そこにうめ子の後ろ蹴りが、サキコのくびれた腹に入った。
サキコは弾かれたようにふっ飛び、プリクラの足元まで転がってきた。目は焦点が定まらず、口もだらしなく開いていた。もう闘えないことは明白だった。
「――サキコ先輩っ……」ハルカが叫んで、サキコに駆け寄った。
プリクラはサキコに一瞥をくれると、非情な指揮官の目で「ナツミさん、お願いします」と指示した。
「言われなくても行くわ」
ナツミ――松原夏海は軽やかなステップを踏み、前へ出た。
それこそがナツミの得意技だった。ダンスの動きで相手を翻弄し、疲労させる。強力な攻撃はないが、集団で戦うときの橋渡し役として、ナツミの存在は大きかった。ナツミが相手の体力を奪うことで、あとに続く者が戦いやすくなるからだ。
今回の戦場は狭い空間だったが、ナツミは挑発的に踊った。うめ子に近づいたかと思うと瞬く間に離れ、その直後にまた近づく。弧を描くバットの攻撃範囲内にも、ナツミは果敢に突入した。そのステップと反射神経は、マユミには真似できないものだった。
それでもうめ子は、なにも考えていないのか、いたずらにバットを振り回している。体を軸にした円運動だけではなく、日本刀のように振り下ろしたり、ゴルフのドライバーのように振り上げたりと、その動きには法則がなく、めちゃくちゃで予想できなかった。
その間隙を縫って動けるのだから、ナツミはすごい。マユミは純粋にそう思う。
だが、マユミは同時にこうも思っていた。
――負けろ。
純情堕天使としてはうめ子には勝たなければならないが、そのとき彼女の前に立っているのは自分でなければならない。
マユミは一学年上のナツミを慕っていた。ナツミもマユミに良く接してくれる。だが、ここでナツミがうめ子を倒せば、自分がテッペンに近づくのが遠くなる。ナツミは――いや、純情堕天使のメンバー全員はマユミにとって良き友であり、ライバルでもあった。一番おいしいところを持っていくのは、この内田眞由美でなければいけない。
ナツミはかわすだけでは飽きたのか、やがてちょっかいを出し始めた。近づいたときに、軽くパンチやキックを出す。それらは元から当てるつもりはないようだったが、時折命中していた。
「うめ子」まいぷるが大声を出した。「いつまでそんなのと遊んでるんだ。さっさとやっちまいな」
「はぁぁぁい。やっちまぁぁぁぁす」
まいぷるの檄を受け、うめ子の目の色が変わった。
うめ子は突然、タップダンスを踊りだした。それはナツミのような、攻撃を取り入れたものではなく、ただ単なるタップダンスでしかなかった。
ナツミは攻撃の手を休めた。この意味のない行動に、様子をうかがっているのだろうが、マユミにはうめ子のタッブに魅了されているようにも見えた。
三十秒も経ったころだろうか、マユミがハッと気づいたころには、うめ子はナツミに手を伸ばせば届くほどの近さまで接近していた。タップを踏みつつ、少しずつ前進していたのだ。
プリクラさえもうめ子の動きに目を奪われていたのか、警戒するのを怠っていたようで、ナツミに対する加勢の声を上げなかった。
いや――もしかしたら……。マユミは考える。プリクラはわざとなにも言わないのかもしれない。ナツミに、己の迂闊さを体で知ってもらうために。
マユミがそこまで考えたとき、うめ子のバットが槍のようにナツミの腹に突き出された。不意打ちを食らったかたちになったナツミは、その勢いに押され、サキコのようにプリクラの足元に転がってきた。
「くそっ……油断しちまった……」ナツミが腹をおさえてうめくように言った。
「迂闊でしたね、ナツミさん」
その冷静な言葉の響きから、マユミは、やはりプリクラはナツミにはあえてなにも言わなかったのだと確信した。
「次はトモミさん、よろしく」
「わかりました」トモミは言ったころには駆けだしていた。トモミは笑っていた。自分の出番が来たことがうれしかったのだろう。
ハーフと見まちがえられるほどの美貌を持っているトモミは、スピードを生かした戦法を得意としている。一撃の強さはそれほどではないものの、矢継ぎ早に繰りだされるボクサー並みのスピードパンチは相手の考える時間を奪う。
トモミはバットを持つうめ子に躊躇せず、あっという間にその直前まで到達した。
不思議なことに、うめ子は攻撃の意思がないことを示しているかのように、バットをだらりと下げたままでいる。
トモミのパンチが打ちはじめられた。
うめ子よりも背の低いトモミは、アッパー気味のパンチをうめ子の腹部に集中した。それは当たろうが当たるまいがそんなことはおかまいなしの、戦艦に搭載された対空機関砲を連想させるスピードだった。
うめ子はそのパンチを前後左右へ小刻みなステップでかわしていたが、五発に一発くらいの割合でヒットされている。数打ちゃ当たる方式の、トモミのパンチの命中率はいつでもそんなものだったが、あの程度のパンチ力ではうめ子にダメージを与えられないだろう。マユミは冷静にそう分析した。
高みの見物をしているまいぷるが、「ほらほら、お譲ちゃん、もっと狙って打たないと倒せないよ」とトモミを激励した。その余裕がマユミをよりいらだたせた。
やっと闘えたことに対して喜びの笑みを浮かべていたトモミから、時間が経つにつれ、それが消えていった。うめ子が手を出してこないことに対する不気味さも感じているのかもしれない。パンチを繰りだす速度も、徐々に遅くなってきた。そろそろ弾切れの時間か。
「だめね……」プリクラがぽつりとつぶやいたその言葉を、マユミは聞き逃さなかった。
「そろそろ気がすんだんじゃない、この子?」まいぷるがうめ子に言った。「やっちゃいな」
「はぁぁぁい。やっちまぁぁぁぁす」
うめ子はさっきと同じセリフを言い放ち、右手に持ったバットをゆっくり振り上げはじめた。
アッパー気味のパンチを打ち続けるトモミの頭上はがら空きだった。ただでさえ身長差があるうえに、命中率が落ちているため視線を腹部に集中しているようだ。トモミは顔を伏せていた。自分の頭上からバットが襲いかかってくることなどまったく意識していないようだ。
「あぶないっ」マユミの隣でサキコを介抱しながら闘いを見ていたハルカが、絶叫と同時に走りだした。
うめ子がホラー映画の殺人鬼の見せ場のように、ゆっくりとした動きでバットを振り上げなければ、ハルカはトモミを助けられなかっただろう。ハルカはトモミの背中から、ラグビーのトライをするかのように抱きついた。そしてそのままトモミを押し倒した。その結果、うめ子のバットは、トモミでなくハルカの背中を直撃した。
柔道の心得のあるハルカでも、無防備の背中に二メートル近くの高さからバットを打ちつけられてはたまらない。ハルカは体を弓なりにそらし、絶叫した。
「ハルカっ……」自分の身代わりになったハルカの下で、トモミが叫んだ。
たった一撃で戦闘不能となったハルカを足蹴にしたうめ子は、その脚で仰向けになったトモミの顔面を踏みつけた。やや頭を上げていたトモミは、それによって後頭部を激しく床に強打した。
マユミの胸の奥から、ふつふつと湧き出るものがあった。
何人もの友を倒された悔しさはもちろんあった。しかしその思いのほとんどは、その強大な敵を倒すチャンスの順番が自分にまわってきたという喜びだった。それは、たとえるならエベレスト級の熱き思いだった。
「プリクラさん――私があいつを倒します」
プリクラの返事を待つことなく、マユミは歩き出した。
【つづく】
集団戦の場合、戦端を開くのはサキコの役目だった。
「サキコさん、やっちゃってください」
プリクラの指示に、サキコはうなずいた。
純情堕天使内ではもっとも背が高いサキコの得意技は、そのリーチを生かした突きだった。大柄のわりに体の線が細いサキコの人差し指と中指によって、相手は刺されたような痛打を受ける。サキコは常日頃から、この二本の指だけを鍛えていた。トータルでの能力では敵わなくとも、なにか一点でも人より優れた点があれば勝てる、というのがサキコの持論だった。
サキコがうめ子に突進し、まずはあえて大降りの回し蹴りを放った。これは牽制で、はなから当てるつもりはない。これをかわしたあと、懐に入り込んできた相手に、必殺の二本指を差し込むのがサキコのパターンだった。サキコはこの技を「革命のエチュード」と名づけていた。
うめ子はサキコの回し蹴りを見て一歩後退し、すかさずバットを振り回してきた。
サキコは臆せず突っ込んだ。バットが回転する円周上にいなければ当たることはないと判断しているのだろう。単純なことだがわかっていても、なかなか踏み込めないのが人間だ。サキコは華奢な見た目によらず、いざ戦闘となると大胆にふるまう。
バットが通過したあとの空間にサキコは突撃した。それはうめ子の正面だった。サキコの二本指がボウリングの球を投げるかのようなフォームで、下から上へと舞った。
喉を狙っているようだ。決まれば一瞬で相手の意識をなくすこともできる。サキコはその必殺の技を一発目から放った。
うめ子はバットを振り回した遠心力に身を任せていた。そのため一瞬の後、うめ子はサキコに背中を見せた。普通なら、そんなことをするわけがなかった。がら空きの背中がいかに危険か、ケンカをする人間なら知っているはずである。
このままでは喉に命中することはできない。しかし、無防備になったからといって、振り上げた腕はそう簡単に止められない。
目標を失ったサキコの二本指が空を切った。
そのとき、一回転して戻ってきたバットが、サキコの頬骨を打った。バットの勢いは衰えていたが、サキコに脳震盪を起こさせるくらいの威力は残っていたようだ。
「ヒットエンドラーンッ」
うめ子のはしゃぐ声が響いた。
サキコはふらりと揺れた。
そこにうめ子の後ろ蹴りが、サキコのくびれた腹に入った。
サキコは弾かれたようにふっ飛び、プリクラの足元まで転がってきた。目は焦点が定まらず、口もだらしなく開いていた。もう闘えないことは明白だった。
「――サキコ先輩っ……」ハルカが叫んで、サキコに駆け寄った。
プリクラはサキコに一瞥をくれると、非情な指揮官の目で「ナツミさん、お願いします」と指示した。
「言われなくても行くわ」
ナツミ――松原夏海は軽やかなステップを踏み、前へ出た。
それこそがナツミの得意技だった。ダンスの動きで相手を翻弄し、疲労させる。強力な攻撃はないが、集団で戦うときの橋渡し役として、ナツミの存在は大きかった。ナツミが相手の体力を奪うことで、あとに続く者が戦いやすくなるからだ。
今回の戦場は狭い空間だったが、ナツミは挑発的に踊った。うめ子に近づいたかと思うと瞬く間に離れ、その直後にまた近づく。弧を描くバットの攻撃範囲内にも、ナツミは果敢に突入した。そのステップと反射神経は、マユミには真似できないものだった。
それでもうめ子は、なにも考えていないのか、いたずらにバットを振り回している。体を軸にした円運動だけではなく、日本刀のように振り下ろしたり、ゴルフのドライバーのように振り上げたりと、その動きには法則がなく、めちゃくちゃで予想できなかった。
その間隙を縫って動けるのだから、ナツミはすごい。マユミは純粋にそう思う。
だが、マユミは同時にこうも思っていた。
――負けろ。
純情堕天使としてはうめ子には勝たなければならないが、そのとき彼女の前に立っているのは自分でなければならない。
マユミは一学年上のナツミを慕っていた。ナツミもマユミに良く接してくれる。だが、ここでナツミがうめ子を倒せば、自分がテッペンに近づくのが遠くなる。ナツミは――いや、純情堕天使のメンバー全員はマユミにとって良き友であり、ライバルでもあった。一番おいしいところを持っていくのは、この内田眞由美でなければいけない。
ナツミはかわすだけでは飽きたのか、やがてちょっかいを出し始めた。近づいたときに、軽くパンチやキックを出す。それらは元から当てるつもりはないようだったが、時折命中していた。
「うめ子」まいぷるが大声を出した。「いつまでそんなのと遊んでるんだ。さっさとやっちまいな」
「はぁぁぁい。やっちまぁぁぁぁす」
まいぷるの檄を受け、うめ子の目の色が変わった。
うめ子は突然、タップダンスを踊りだした。それはナツミのような、攻撃を取り入れたものではなく、ただ単なるタップダンスでしかなかった。
ナツミは攻撃の手を休めた。この意味のない行動に、様子をうかがっているのだろうが、マユミにはうめ子のタッブに魅了されているようにも見えた。
三十秒も経ったころだろうか、マユミがハッと気づいたころには、うめ子はナツミに手を伸ばせば届くほどの近さまで接近していた。タップを踏みつつ、少しずつ前進していたのだ。
プリクラさえもうめ子の動きに目を奪われていたのか、警戒するのを怠っていたようで、ナツミに対する加勢の声を上げなかった。
いや――もしかしたら……。マユミは考える。プリクラはわざとなにも言わないのかもしれない。ナツミに、己の迂闊さを体で知ってもらうために。
マユミがそこまで考えたとき、うめ子のバットが槍のようにナツミの腹に突き出された。不意打ちを食らったかたちになったナツミは、その勢いに押され、サキコのようにプリクラの足元に転がってきた。
「くそっ……油断しちまった……」ナツミが腹をおさえてうめくように言った。
「迂闊でしたね、ナツミさん」
その冷静な言葉の響きから、マユミは、やはりプリクラはナツミにはあえてなにも言わなかったのだと確信した。
「次はトモミさん、よろしく」
「わかりました」トモミは言ったころには駆けだしていた。トモミは笑っていた。自分の出番が来たことがうれしかったのだろう。
ハーフと見まちがえられるほどの美貌を持っているトモミは、スピードを生かした戦法を得意としている。一撃の強さはそれほどではないものの、矢継ぎ早に繰りだされるボクサー並みのスピードパンチは相手の考える時間を奪う。
トモミはバットを持つうめ子に躊躇せず、あっという間にその直前まで到達した。
不思議なことに、うめ子は攻撃の意思がないことを示しているかのように、バットをだらりと下げたままでいる。
トモミのパンチが打ちはじめられた。
うめ子よりも背の低いトモミは、アッパー気味のパンチをうめ子の腹部に集中した。それは当たろうが当たるまいがそんなことはおかまいなしの、戦艦に搭載された対空機関砲を連想させるスピードだった。
うめ子はそのパンチを前後左右へ小刻みなステップでかわしていたが、五発に一発くらいの割合でヒットされている。数打ちゃ当たる方式の、トモミのパンチの命中率はいつでもそんなものだったが、あの程度のパンチ力ではうめ子にダメージを与えられないだろう。マユミは冷静にそう分析した。
高みの見物をしているまいぷるが、「ほらほら、お譲ちゃん、もっと狙って打たないと倒せないよ」とトモミを激励した。その余裕がマユミをよりいらだたせた。
やっと闘えたことに対して喜びの笑みを浮かべていたトモミから、時間が経つにつれ、それが消えていった。うめ子が手を出してこないことに対する不気味さも感じているのかもしれない。パンチを繰りだす速度も、徐々に遅くなってきた。そろそろ弾切れの時間か。
「だめね……」プリクラがぽつりとつぶやいたその言葉を、マユミは聞き逃さなかった。
「そろそろ気がすんだんじゃない、この子?」まいぷるがうめ子に言った。「やっちゃいな」
「はぁぁぁい。やっちまぁぁぁぁす」
うめ子はさっきと同じセリフを言い放ち、右手に持ったバットをゆっくり振り上げはじめた。
アッパー気味のパンチを打ち続けるトモミの頭上はがら空きだった。ただでさえ身長差があるうえに、命中率が落ちているため視線を腹部に集中しているようだ。トモミは顔を伏せていた。自分の頭上からバットが襲いかかってくることなどまったく意識していないようだ。
「あぶないっ」マユミの隣でサキコを介抱しながら闘いを見ていたハルカが、絶叫と同時に走りだした。
うめ子がホラー映画の殺人鬼の見せ場のように、ゆっくりとした動きでバットを振り上げなければ、ハルカはトモミを助けられなかっただろう。ハルカはトモミの背中から、ラグビーのトライをするかのように抱きついた。そしてそのままトモミを押し倒した。その結果、うめ子のバットは、トモミでなくハルカの背中を直撃した。
柔道の心得のあるハルカでも、無防備の背中に二メートル近くの高さからバットを打ちつけられてはたまらない。ハルカは体を弓なりにそらし、絶叫した。
「ハルカっ……」自分の身代わりになったハルカの下で、トモミが叫んだ。
たった一撃で戦闘不能となったハルカを足蹴にしたうめ子は、その脚で仰向けになったトモミの顔面を踏みつけた。やや頭を上げていたトモミは、それによって後頭部を激しく床に強打した。
マユミの胸の奥から、ふつふつと湧き出るものがあった。
何人もの友を倒された悔しさはもちろんあった。しかしその思いのほとんどは、その強大な敵を倒すチャンスの順番が自分にまわってきたという喜びだった。それは、たとえるならエベレスト級の熱き思いだった。
「プリクラさん――私があいつを倒します」
プリクラの返事を待つことなく、マユミは歩き出した。
【つづく】
昨日、印刷屋に原稿を入稿してきました。これでこの本は、もうぼくの手を離れたので、あとは完成を待つのみ。楽しみです。
このあいだ、ページ数をまちがえたという話をしましたが、なんと持ち込みのときにまたまちがえていたことが発覚……。作成時はページが足らなかったのですが、今回はページが多くなってしまったんです。もう、いったいなにをしてんだ、おれ。と、劇中のヲタ並みにふさぎこんでしまいましたよ。結局、カットしても支障のない2ぺーじ分を取りのぞき、なんとかなりました。ぼくにドジっ娘属性があっても、だれも萌えねえっての。
そして、コミケまで残った三週間で、本業のフェチ写真集制作をします。
今回新作として出すのは、陸遊馬さんのwetとパンチラの写真集。wet系はすでにダウンロード販売していますが、コミケではまだ出していません。パンチラ系は完全新作です。時間があればいくつか出したいですが、とりあえずは涼宮ハルヒの消失バージョンの制服を優先します。
CDを焼くだけなら一週間もあればできるんですが、パッケージ作りが面倒くさいんですよ(笑)。
他にも、当日のスペースの飾りとかポップを作ったり(これはけっこう楽しい。今年はAKB一色にします)、ネットであちこちに告知したりと、まだまだやることはたくさんあります。
まあ、ひさしぶりのコミケなので、それら全部をひっくるめて楽しいんですが……。
コミケまであと26日……。
と、『ヤマト』ふうに締めてみます。
このあいだ、ページ数をまちがえたという話をしましたが、なんと持ち込みのときにまたまちがえていたことが発覚……。作成時はページが足らなかったのですが、今回はページが多くなってしまったんです。もう、いったいなにをしてんだ、おれ。と、劇中のヲタ並みにふさぎこんでしまいましたよ。結局、カットしても支障のない2ぺーじ分を取りのぞき、なんとかなりました。ぼくにドジっ娘属性があっても、だれも萌えねえっての。
そして、コミケまで残った三週間で、本業のフェチ写真集制作をします。
今回新作として出すのは、陸遊馬さんのwetとパンチラの写真集。wet系はすでにダウンロード販売していますが、コミケではまだ出していません。パンチラ系は完全新作です。時間があればいくつか出したいですが、とりあえずは涼宮ハルヒの消失バージョンの制服を優先します。
CDを焼くだけなら一週間もあればできるんですが、パッケージ作りが面倒くさいんですよ(笑)。
他にも、当日のスペースの飾りとかポップを作ったり(これはけっこう楽しい。今年はAKB一色にします)、ネットであちこちに告知したりと、まだまだやることはたくさんあります。
まあ、ひさしぶりのコミケなので、それら全部をひっくるめて楽しいんですが……。
コミケまであと26日……。
と、『ヤマト』ふうに締めてみます。
冬コミで出す本の原稿、今日、印刷所に持っていくつもりでしたが、ページ数のまちがいなどあったので、結局丸一日かかって調整しました。
んで、さきほどようやく完成。正確には、まだあとちょっと修正が残っていますが、15分もあれば終わるものなので問題なし。
それで本のタイトルですが、
『マジすか学園外伝・Ⅰ』
に決定しました。
全三冊の予定です。『Ⅱ』は来年の春、『Ⅲ』は夏に出すつもりです。
そのあいだも、ブログでの連載はいたします。ちなみに、次回の第32話は来週中にはアップするつもりです。もう少し待っててくださいね。
来週からは、いよいよ本業(笑)の、CD-ROM写真集作り。コミケには新作扱いとなる4作品と、赤字解消に撮ったハルヒのパンチラ写真集は持っていきたいと思ってます。こちらはギリギリまでできるので、なんとかなるでしょう。
がんばります。
んで、さきほどようやく完成。正確には、まだあとちょっと修正が残っていますが、15分もあれば終わるものなので問題なし。
それで本のタイトルですが、
『マジすか学園外伝・Ⅰ』
に決定しました。
全三冊の予定です。『Ⅱ』は来年の春、『Ⅲ』は夏に出すつもりです。
そのあいだも、ブログでの連載はいたします。ちなみに、次回の第32話は来週中にはアップするつもりです。もう少し待っててくださいね。
来週からは、いよいよ本業(笑)の、CD-ROM写真集作り。コミケには新作扱いとなる4作品と、赤字解消に撮ったハルヒのパンチラ写真集は持っていきたいと思ってます。こちらはギリギリまでできるので、なんとかなるでしょう。
がんばります。
あとさ(まだあんのかよ……)、それこそ重箱かもしれないけど、序盤の地球との通信シーン。あれ電波通信だよね? 太陽系の端から地球に通信してるのに、まったくタイムラグがないんですけど……。
地球と冥王星との平均距離は約58億キロ。秒速30万キロの光速でも5時間22分22秒かかる(電波と光の速度は同じ)。だから、こっちから島大介のガキになにか言ったら、返事が返ってくるのは10時間後のはず。とても1分じゃ間にあわねえよ、相原!!!
まあ、こういうSF考証がいいかげんなところは『ヤマト』っぽいといえばそうなんだけど、このシーン、むりやり感動させようとしているのが見え見えなんで、あえて指摘したくなる。
最後の最後、お決まりの特攻シーンの前に、出て行くの行かないのってところも「感動的」だよなあ。もうすぐガミラスのミサイルが地球に発射されるっていうのに、第一艦橋では「自分が残る」「いや、おれも残る」「わたしだって残る」「じゃあ、どうぞどうぞ」って、ダチョウ倶楽部みたいなノリの芝居を延々くり返してる。『海猿』もそうだったけど、さっさとしないと全員死ぬんですけど……。こういうシーンでよく号泣できるものだ。関心しちゃう。
でも、このシーンでキムタクが何気にメイサの体のあちこちに触っているのが、ほんのちょっとエロい。最後はどさくさまぎれにおっぱい触ってるだろ。それにしても、マイミクのちょーすけさんが気にしていたが、メイサに限らず女性乗務員の制服はピタピタにすれば、おれももう少し『ヤマト』を好きになれたのに!!!
他にやることあるので、ここまでにしときます(笑)。
地球と冥王星との平均距離は約58億キロ。秒速30万キロの光速でも5時間22分22秒かかる(電波と光の速度は同じ)。だから、こっちから島大介のガキになにか言ったら、返事が返ってくるのは10時間後のはず。とても1分じゃ間にあわねえよ、相原!!!
まあ、こういうSF考証がいいかげんなところは『ヤマト』っぽいといえばそうなんだけど、このシーン、むりやり感動させようとしているのが見え見えなんで、あえて指摘したくなる。
最後の最後、お決まりの特攻シーンの前に、出て行くの行かないのってところも「感動的」だよなあ。もうすぐガミラスのミサイルが地球に発射されるっていうのに、第一艦橋では「自分が残る」「いや、おれも残る」「わたしだって残る」「じゃあ、どうぞどうぞ」って、ダチョウ倶楽部みたいなノリの芝居を延々くり返してる。『海猿』もそうだったけど、さっさとしないと全員死ぬんですけど……。こういうシーンでよく号泣できるものだ。関心しちゃう。
でも、このシーンでキムタクが何気にメイサの体のあちこちに触っているのが、ほんのちょっとエロい。最後はどさくさまぎれにおっぱい触ってるだろ。それにしても、マイミクのちょーすけさんが気にしていたが、メイサに限らず女性乗務員の制服はピタピタにすれば、おれももう少し『ヤマト』を好きになれたのに!!!
他にやることあるので、ここまでにしときます(笑)。
脚本への不安は、やっぱり的中だったよ!
見終わっての第一印象は、とにかくスケールが小さいってこと。ワープばっかりして、すぐに帰ってくるから、冥王星のあたりで折り返してきたようにしか見えない。なのに、沖田があのセリフをつぶやいて死ぬから、すげえしらける。
このスケールの小ささはなぜかと考えてみると、それはヤマトの艦橋が狭いからなのでは? セットにしか見えない。観客は艦橋から宇宙を見るんだから、ここが狭かったらどうしようもないんだよ!!!
アニメからの変更点も、改悪が多かった。最たるものはイスカンダルとガミラスの設定。双子星だとカネがかかるからああいうふうにしたのか? まあ、それはいいとしても結局、放射能除去装置はないってどうなんだろう……?
これについては、そもそも最初から嫌な予感がしていた。スターシアからのメッセージを観客にちゃんと見せないのだ。なんかあいまいなまま話が進行して、それでヤマトに全人類の命運を託しちゃう。いいのか、それで。
イスカンダルに着くと、なんかよくわかんない生命体みたいなのに黒木メイサが乗っ取られて、メイサ自身がコスモクリーナー化させられる。え、なになに、それどういうこと? と思ってると戦闘が始まってドガチャカになる。そんな面倒くさい設定にしないでコスモクリーナー出せばいいじゃん。これも、コスモクリーナー出すとカネがかかるからっていう理由なのか?
地球に帰ってから、メイサはどうやって地表を浄化したんだろう? あちこちをまわったのか? たったひとりで?
ツイッター見ていると、CGがすごい、日本もやっとハリウッドに追いついた、みたいな意見が多いけど、そういうこと意識してるのは日本だけじゃないだろうか? 『タマフル』で高橋ヨシキが言ってたけど、そんなハリウッドの亜流みたいなのアメリカ人は見ないでしょ。勝手に肩を並べた気になってるのはこっちの国の人たちだけ。
たしかにCGはよくできてたけど、あんなのいまのゲームなら普通に見られるし、体感できる点ではXBOX360のほうがよっぽど臨場感ある。だからCGがすごいかどうかなんて、映画の評価とイコールじゃないでしょ。CGはあくまでも視覚効果を支えるものであって、まずは映画がなにを描いているかが大切なのでは?
あと、兵器大好き人間から言わせてもらうと、兵器の描写が雑。最初の波動砲を撃つところだけはわりと丁寧だけど、初めてワープするときもあっけないし、艦隊戦がひとつしかないし、主砲の動きが速すぎ。劇場版『エヴァ:序』のエヴァが発進するシーンを見てないのか?
あ。なんかとりとめないし、他にやることあるから、いまはここまで。
見終わっての第一印象は、とにかくスケールが小さいってこと。ワープばっかりして、すぐに帰ってくるから、冥王星のあたりで折り返してきたようにしか見えない。なのに、沖田があのセリフをつぶやいて死ぬから、すげえしらける。
このスケールの小ささはなぜかと考えてみると、それはヤマトの艦橋が狭いからなのでは? セットにしか見えない。観客は艦橋から宇宙を見るんだから、ここが狭かったらどうしようもないんだよ!!!
アニメからの変更点も、改悪が多かった。最たるものはイスカンダルとガミラスの設定。双子星だとカネがかかるからああいうふうにしたのか? まあ、それはいいとしても結局、放射能除去装置はないってどうなんだろう……?
これについては、そもそも最初から嫌な予感がしていた。スターシアからのメッセージを観客にちゃんと見せないのだ。なんかあいまいなまま話が進行して、それでヤマトに全人類の命運を託しちゃう。いいのか、それで。
イスカンダルに着くと、なんかよくわかんない生命体みたいなのに黒木メイサが乗っ取られて、メイサ自身がコスモクリーナー化させられる。え、なになに、それどういうこと? と思ってると戦闘が始まってドガチャカになる。そんな面倒くさい設定にしないでコスモクリーナー出せばいいじゃん。これも、コスモクリーナー出すとカネがかかるからっていう理由なのか?
地球に帰ってから、メイサはどうやって地表を浄化したんだろう? あちこちをまわったのか? たったひとりで?
ツイッター見ていると、CGがすごい、日本もやっとハリウッドに追いついた、みたいな意見が多いけど、そういうこと意識してるのは日本だけじゃないだろうか? 『タマフル』で高橋ヨシキが言ってたけど、そんなハリウッドの亜流みたいなのアメリカ人は見ないでしょ。勝手に肩を並べた気になってるのはこっちの国の人たちだけ。
たしかにCGはよくできてたけど、あんなのいまのゲームなら普通に見られるし、体感できる点ではXBOX360のほうがよっぽど臨場感ある。だからCGがすごいかどうかなんて、映画の評価とイコールじゃないでしょ。CGはあくまでも視覚効果を支えるものであって、まずは映画がなにを描いているかが大切なのでは?
あと、兵器大好き人間から言わせてもらうと、兵器の描写が雑。最初の波動砲を撃つところだけはわりと丁寧だけど、初めてワープするときもあっけないし、艦隊戦がひとつしかないし、主砲の動きが速すぎ。劇場版『エヴァ:序』のエヴァが発進するシーンを見てないのか?
あ。なんかとりとめないし、他にやることあるから、いまはここまで。